All Chapters of 名家の恥と捨てられた娘は、契約結婚先で花開く: Chapter 211 - Chapter 220

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「当たり前だろ! 1日に何回替えてると思ってんだ」「なら、客室のシーツも替えられますね」「あ?」 小夜子は小さく微笑んだ。「汚物を適切に処理し、他者を快適な状態に保つ。それがあなたの日常ならば、この仕事の適性は十分です」◇ 小夜子はくるりと踵を返し、人事部長に向かって宣言した。「彼女、採用です」「はあぁっ!?」 人事部長が素っ頓狂な声を上げた。「そ、総支配人、正気ですか!? 子連れ、しかも赤ん坊ですよ!? それにこの格好、言葉遣い、どこをどう見てもホテルマンが務まるとは思えません!」 翔吾も立ち上がり、抗議の声を上げた。「ありえない……。こんな常識知らずと一緒に働くなんて、アーク・リゾーツの品位が下がります!」 小夜子は2人を一瞥もしなかった。ただ、実加を見つめて告げる。「ここは『聖域(サンクチュアリ)』です。迷える子羊を受け入れて、戦力に変えるのが私の仕事」 そして人事部長と翔吾に向き直り、きっぱりと言い放った。「文句があるなら、私以上の掃除スキルを見せてからになさい」 その言葉の圧倒的な説得力(物理)に、2人は押し黙った。 特に人事部長は、小夜子のこれまでの功績を知っている。アーク・リゾーツ社で業務用清掃機を楽しげに駆使する姿も知っていた。 彼は内心でため息をついた。(社長夫人、いや、総支配人以上の掃除スキルを持つ人など、世界でも数えるほどしかいないだろ。無理) 翔吾は小夜子の過去を知らないが、人事部長が小さくなっているのを見て言葉を失っていた。「採用……?」 実加はその場にへたり込みそうになり、膝に手をついた。「マジで……? やったぞ、チビ!」 背中の赤ん坊が、キャッキャと無邪気に笑う。「嘘だろ。どうしてこんなことに」 翔吾は絶
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203:保育園を作ります

 翔吾と実加がホテル・サンクチュアリの従業員として採用された、翌朝。 従業員通用口の前には、重苦しい沈黙が漂っていた。 黒崎翔吾は腕時計を見た。 7時55分。8時から開始される新入社員研修の開始まで、あと5分しかない。 几帳面な彼としては、こういう場合は15分前にきっちりと準備を整えておくべきものだと考えている。 だが、しかし。「何をしているんですか? 遅刻ですよ」 翔吾は目の前の人物に問いかけた。そこにいたのは、翔吾の同期となる山内実加だった。 けれど彼女はまだ制服に着替えていない。昨日の薄汚れたジャージのままだ。 そして背中には変わらず、赤ん坊がおんぶ紐でくくりつけられている。「……なぁ、メガネ」 実加が口を開いた。声に張りがない。「この子の預け先、なかったわ」 翔吾は眉をひそめた。「保育園ですか? そういう手続きは、かなり前もってやらなければならないと聞いていますが」「うん、全滅。役所の窓口で土下座しかけたけど、空きがないもんはねえってさ。かといってベビーシッターを頼む金はねえよ」 実加は視線を足元のアスファルトに落とした。「その……ご実家は頼れないんですか?」 翔吾の遠慮がちな問いかけに、実加はキッと彼を睨みつけた。「頼れるかよ、あんなクソ親ども! だいたいあいつら、この子を――理玖(りく)を堕ろせって言いやがったんだぜ!? 生まれてからも養子に出せ、里子に出せ、お前じゃ育てられないばっかり言いやがる。あげく、理玖を勝手に養子に出そうとしたから、家を飛び出してきた。頼れるわけがない!」「そうでしたか……」 理玖の父親に対しての言葉は1つもなかったが、そもそも頼れたらこんなことにはなっていないだろう。 翔吾もあえて聞こうとしなかった。 実加は再びうつむいた。スニーカーのつま先で、意味もなく小石を蹴る。「一時預か
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 子供を放置して働くわけにはいかない。預け先がないなら、働けない。 それは変えようのない事実だった。実加の肩が落ちる。「……そうだな。まともな就職は諦める。水商売でも何でもやって、この子を養うよ。じゃあな」 彼女が一歩を踏み出そうとした。その時。◇「待ちなさい」 通用口の自動ドアが開いて、小夜子が現れた。 今日も完璧なまとめ髪に、一点の乱れもないスーツ姿である。「総支配人、彼女は……」 翔吾が説明しようとするのを手で制し、小夜子は実加を見据えた。「逃げるのですか?」「逃げるんじゃねえよ! どうしようもねえんだよ!」 実加が叫ぶ。目尻が赤くなっている。「子供がいたら働けねえ。でも、子供を捨てて働くなんて、もっとできねえだろ!」「ええ、その通りです」 小夜子はあっさりと肯定した。「優秀な人材が、育児環境の不備で失われる。それは組織にとって最大の損失です」「は?」 小夜子の予想外の言葉に、2人の動きが固まる。「ついてきなさい」 小夜子は2人を先導し、社員用エレベーターに向かった。 そうして連れて行かれた先は、最上階の社長室だった。 隼人はデスクで書類にサインをしていたが、ぞろぞろと入ってきた一行を見てペンを置いた。「朝から賑やかだな。何の騒ぎだ」「旦那様、いえ、社長。決裁をお願いします」 小夜子は隼人のデスクに、一枚の企画書を叩きつけた。 スパァンと紙の端が風を切る音が、小気味よく響く。『企業内保育所設立計画書』 タイトルを見た翔吾が目を見張る。「これは……?」 小夜子は昨晩、実加の置かれた状況を予測し、徹夜でこの資料を作成していたのだ。「山内実加さんの採用に伴う、福利厚生施設の拡充案です
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 実を言うと、隼人は小夜子にはどこまでも甘い。彼女のためならば億単位の金をぽんと出してしまう。 が、彼にも分かっていた。 今の小夜子は総支配人として、ビジネスの話をしている。 であれば、隼人もアーク・リゾーツ社長としてしっかりと応えなければならない。 隼人は企画書を一読した。そして口の端を吊り上げた。「悪くない投資だ」 ここ最近の人手不足は深刻で、アーク・リゾーツ社も人材採用に苦戦している。 ホテル業界はITでの省力化を進めても、重要な部分は人間が担わなければならない。 ましてや『ホテル・サンクチュアリ』のような高級ブランドでは、人材育成のコストが高い。 出産と育児での離職を抑えられ、むしろ新しい人材を呼び込めるとなれば、確実にプラスだ。(小夜子の企画書を見る限り、費用とリターンのバランスは申し分ない。その上で『子育て支援企業』としての箔もつく。さすがは俺の妻だ) 隼人はサインペンを走らせて、承認印を押した。「いいだろう、やってみろ。ただし工期はかけられない。今いる社員の中にも、育児休暇中や子育てで時短勤務の人間が少なくなかったな。彼らのためにも急がねばなるまい。いつ稼働できる?」 小夜子は即答した。「今日です」「はあ!?」 翔吾と実加の声が重なった。◇ ホテル敷地内の端には、長年使われていなかった資材倉庫があった。 取り壊して再利用するには手狭で、かといって他に使い道もない。それゆえに放置されていた場所だった。 扉を開けると、埃っぽい空気が舞い上がる。 蜘蛛の巣が張り、古い什器(じゅうき)が乱雑に積み上げられていて、ひどい有様だ。「げほっ、げほっ! ここを保育園にするのかよ?」 実加が口元を覆う。「ええ。この倉庫は少し古いけれど、構造自体は頑丈です。中身を入れ替えれば問題ありません」 小夜子は持参したバッグから、着替えを取り出した。 どこにでも売って
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 翔吾の抗議を小夜子は取り合わない。「これも研修です。肉体労働を知らない人間に、現場の管理はできません」「くっ……!」 翔吾は反論できず、ジャケットを脱ぎ捨てて錆びついたスチール棚に取り掛かった。「実加さん。あなたは理玖君をおんぶしたまま、窓と壁を磨きなさい。手の届く範囲で結構です。高いところは私がやります」「……マジかよ、この総支配人」 実加は呆れたように呟いたが、瞳には光が宿っていた。 自分のために、社長と総支配人のトップ2人が動いてくれている。 口先だけの支援ではない。実際に汗を流してくれているのだ。 そうと実感して、実加の心に火がついた。「やってやるよ!」 実加は雑巾をバケツの水に浸し、固く絞った。 そこからは戦場だった。「そこの段ボールは廃棄! 湿気を含んでいます、カビと害虫の温床よ!」 小夜子の指示が鋭く飛んで、翔吾は必死で段ボールの仕訳を行った。「窓枠のサッシ! 綿棒を使って隅の黒ずみを掻き出しなさい!」「あいよ!」 実加がせっせと綿棒を手にして汚れと格闘している。 背中の理玖はホコリを吸い込まないように、フードをしっかりとかぶせている。「床は三度拭きです! 水拭き、洗剤、そしてアルコール除菌!」 小夜子の指示は止まらない。 彼女自身もきびきびと動き回りながら、新入社員2人の仕事を観察していた。 翔吾は汗だくになって廃材を運び出した。重みに腕が悲鳴を上げて足がふらつくが、歯を食いしばって耐える。 実加は背中の重みを感じながら、一心不乱に壁を磨く。ジャージの汚れなど気にも留めない。 そうして数時間後。 ゴミとホコリだらけだった倉庫は、見違えるように明るい空間へと変化していた。 床にはクッション性のあるジョイントマットが敷き詰められ、部屋の隅には空気清浄機が稼働している。 簡易的だが、清潔で
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 実加は立ち尽くしていた。 理玖が生まれてから半年、片時も離れずに育ててきた。トイレに行く時でさえ、ドアを開けて目の届く場所に置いていたのだ。 他人に預けて、自分は仕事へ行く。心配ないと頭では分かっていても、心がブレーキをかける。「……チビ」 実加は理玖の小さなおでこを指でつついた。「いい子にしてろよ。母ちゃん、稼いでくるからな」 喉の奥が熱くなって、何かがつかえたような音がした。 実加はうつむいた。 不安なのだ。本当に大丈夫なのか。寂しくないか。 彼女のいないところで息子が泣いているなんて、今まで想像もしなかった。もしも何かあったらどうするのか。 その肩に、小夜子が手を置いた。「安心して働きなさい」 小夜子の声は、不思議なほど落ち着いていた。「ここは私の管理下、テリトリーです。チリ1つ、ウイルス1匹近づけません。あなたの息子は、私が責任を持って守ります」 小夜子の姿には絶対の自信がある。 それがただの慰めではないことを、実加はこの数時間の掃除で知っていた。 この人は汚れも危険も、一切を見逃さない。 実加は深く息を吸い込んだ。「……あざしたッ!」 頭を下げる。 90度の角度の見事な最敬礼だった。◇ 20分後。従業員用ロッカールームから、1人の女性が出てきた。 髪をきっちりとシニヨンにまとめ、薄化粧をしている。 パリッとしたリネン素材の制服に身を包んでいる。 実加だった。 さっきまでのヤンキー娘の面影はない。そこには1人のプロ、ホテルマンとしての顔があった。 実加は廊下の鏡で自分の姿を確認し、パンパンと両頬を叩いた。「よし」 気合を入れる。 廊下には、再び制服に着替えた翔吾が待っていた。 彼は腕を組んで壁に背を預けていたが、実加
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 保育園・こぐまの森がオープンした日の夜のこと。「理玖ー! 母ちゃんだぞ!」 ホテルの仕事を終えた実加が、保育園に駆け込んできた。 ベビーベッドに寝かされている息子を抱き上げる。頬ずりをして、赤ん坊特有の甘い匂いを胸に吸い込んだ。 仕事中は割り切って切り替えていたけれど、実加は理玖が心配で仕方がなかった。 小夜子とシッターを信頼はしている。危険なことは何もないと頭では分かっている。 それでも理玖が生まれて初めて、何時間も離れ離れになった。 母親の姿が見えずに泣いていたらどうしよう。 慣れない環境で体調を崩してしまったらどうしよう。 ちゃんとミルクは飲めているだろうか。 おむつかぶれをしていないか。 予想もできないような事故が起きていたら……? 考え始めたらきりがなかった。「いい子にしてたか? 元気だったか?」 たった数時間とはいえ、離れ離れになっていた息子を抱きしめる。「あうー」 母親の腕に抱かれて、理玖もご機嫌だ。「いい子でしたよ。ミルクもしっかり飲んで、何も問題ありません」 年配のシッターが言ったので、実加はぺこりと頭を下げた。「あざっす。この子は元気いっぱいだから、大泣きして迷惑かけてなかったか、心配だったッス」 シッターは微笑んだ。「まさか。赤ちゃんは泣くのが仕事でしょう。でも、元気いっぱいなのは本当ね。この調子なら、もうすぐハイハイを始めそうよ」「マジっすか」「あうー!」 自分のことを言われたと分かったのだろう、理玖が手足をばたつかせた。「お、なんだ、チビ。ハイハイやってみるか?」 実加は息子をそっと床におろした。 床はジョイントマットで、彼女自身が設置したものである。掃除は行き届いており、ホコリひとつ落ちていない。 理玖はうつぶせになって手足を動かしていたが、まだ進むことはできなかった。 だが、す
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209

「すみません。企業内保育園はここですか?」 戸口に数人の人影が現れた。 見れば、ホテル・サンクチュアリの制服を来た男女である。男性もいるが、どちらかというと女性が多い。「はい、そうですよ。どうしましたか?」 小夜子が応対すると、彼らはぺこりと頭を下げた。「社内通知で保育園がオープンしたと聞きまして。私たちも保育園に通う子を抱える親です。ぜひ利用したいと思い、見学に来ました」「そうでしたか。さあ、どうぞ」 小夜子は微笑んで、手招きをした。 ぞろぞろと入ってきた彼らは、広くて清潔な空間に目を見開いている。 ベテランのシッターから保育方針を聞かされて、頷いていた。「素晴らしいです。職場の敷地内に保育園があれば、通うのがどれだけ楽になるか」「将来的には病児保育も引き受けてくださるのですね。助かります」 彼らは興奮した様子で話し合っていた。 小夜子が言う。「では、増える人数に合わせて保育士の数も増やさねばなりませんね。早速手配しなければ」「あの、総支配人」 女性の1人が言った。「保育園はコストがかかるでしょうに、どうして作る決断をしたのですか?」 小夜子は微笑む。「昨今の人手不足は、あなたもご存知でしょう。優秀なスタッフが出産や子育てで離職するのは、我がアーク・リゾーツ社にとって損失ですから」 それから相手の手を取って、きゅっと握りしめた。「でもそんなデータ以上に、私はあなた方に安心して働いてほしくて。このホテル・サンクチュアリは私と黒崎社長の大事な家。そこで働く皆さんの幸福を追求するのは、当たり前のことです」「総支配人……」「さあ、お子さんをこの保育園に入れたい方は、申請書を書いてくださいね。これからにぎやかになりますよ」「はい!」「はい、すぐにでも!」 従業員たちが嬉しそうに声を上げる。 小夜子の宣言を聞いて、実加は理玖を抱き
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210:ミルクとマニュアル

 ホテル『サンクチュアリ』のフロントロビーは、高い天井と磨き上げられた大理石の床が特徴的な、洗練された空間だ。 そのカウンターの中に、黒崎翔吾は立っていた。 研修中の名札をつけ、背筋を定規で測ったように伸ばしている。「お客様、いかがなさいましたか」 翔吾の言葉遣いは完璧だった。接客マニュアルを一言一句違わず暗記しているのだから当然だ。 カウンター越しにいるのは、60代とおぼしき上品な女性客だった。 彼女は少し困ったように眉を下げている。「この近くで、静かで美味しい和食のお店はないかしら? 久しぶりに東京に出てきたのだけど、街が変わってしまって」「承知いたしました。和食のお店ですね」 翔吾は手元のタブレット端末を起動した。指先が高速で画面をタップする。「現在地から半径500メートル以内に、和食を提供する店舗は12軒存在します」 翔吾は画面を見つめたまま、早口で情報を読み上げ始めた。「グルメサイトの評価が3.5以上の店舗は4軒。価格帯はランチで3000円から1万2000円です。A店は懐石料理で個室あり、ただし本日は予約で満席の可能性が80パーセント。B店は創作和食で、特に季節の野菜を使ったメニューに定評があり……」 膨大なデータが、翔吾の口から機関銃のように発射される。 客の表情が、次第に曇っていくことに彼は気づかない。「C店は徒歩5分ですが、現在工事中のビルの隣にあるため騒音レベルが……」「……もう、結構よ」 女性客が言葉をさえぎった。「え?」 翔吾が顔を上げる。 女性客はため息をついて、寂しそうな目で翔吾を見た。「あなた、まるでAIと喋ってるみたいだわ。情報ばかりで、心がこもっていない。こんなことは言いたくないけれど、最近の若い人はみんなこうなのかしら」 彼女は踵を返し、コンシェルジュデスクの方へと歩き去ってしまった。 翔吾は呆然と
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211

 評価の内容は、『知識:S』『共感性:E』。(人間は正解だけでは満たされない生き物なのですよ、翔吾さん) 小夜子の視線の先では、落ち込んだ様子の翔吾がカウンターの中で立っていた。◇ 深夜、アーク・リゾーツの社員寮は夜の静寂に包まれていた。 共有スペースのリビングには、特例で設置されたベビーベッドがある。 その横のソファで、山内実加が泥のように眠っていた。 ハウスキーピングの研修は過酷だ。 客室内を隅々まで清掃する。床の清掃は念入りに行わなければならず、浴室や洗面台も気が抜けない。 ベッドメイクで普段使わない筋肉を酷使する。備品チェックの気疲れも重なり、彼女の体力と気力は限界を迎えていたのだ。「……いらっしゃいませぇ……もっぷ……」 実加がうわごとのように呟き、寝返りを打った。――と、その時。「あう、あう……ふぎゃああ!」 ベビーベッドの中で、理玖が泣き声を上げた。火がついたような大音量だ。 静かな寮内にこれでもかと響き渡った。 普段であれば、実加はすぐに飛び起きて世話をしただろう。 しかし今日の彼女は疲れ切っていた。 肉体的な疲れだけではなく、初めての職場で理玖をベビーシッターに預けて働いた。 すぐに理玖の世話ができるようにとリビングで寝ていたのに、彼女の意識は眠ったままだった。 と。 リビングに隣接する部屋のドアが開いて、翔吾が顔を出した。 ジャージ姿で、手には分厚い『接客マニュアル』を持っている。 眉間には深いしわが刻まれている。彼自身は気づいていないが、そんな表情をしていると兄である隼人にそっくりだ。「静かにしてくれませんか……。マニュアル暗記の邪魔です」 翔吾はソファの実加に近づいた。「ほら、起きてください。息子さんが泣いています
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