数日後ー。「お兄ちゃん…私、許してもらえるかな…?」不安そうに呟く笑に、福は言った。「この件に関して、俺に口を挟む権限はない」「……」その冷たい態度に笑の目にはじわりと涙が滲んできたが、ぐっと我慢した。今日のこの場を設けてくれただけ、感謝をしなければならないのだから。久しぶりの兄妹水入らずだというのにシーンと静まり返った重い空気が漂う中、やがて微かに足音が聞こえてきて、笑の緊張も高まった。そしてー「笑ちゃっ」「!?」驚いた。現れた芽衣が笑顔だったからだ。彼女は以前も痩せていたが、今は病気をしたからかそれ以上に痩せてしまっていて、ぶつかったりしただけで折れてしまいそうだった。腰近くまであったはずの髪の毛は短くなり、肌もまるで日にあたることがないかのように青白かった。「芽衣ちゃん…」目にして初めて、彼女が深刻な病気をしていたことに思い至った。それでも彼女の笑顔は花が咲くように見えて、笑は改めて自分たちのしたことに罪悪感を募らせた。「?…笑ちゃ、どうしたの?」芽衣は笑の顔がくしゃりと歪んだことに驚いて、首を傾げた。笑は堪らず涙を零した。「芽衣ちゃん……ずっと、ごめんね…。私…あなたにひどいことした…っ」「?」涙を流して頭を下げる笑に、芽衣はパチパチと目を瞬かせ、一緒に来た准を困ったように振り仰いだ。「准ちゃ…笑ちゃ、なんで泣いてるの?」本気でわからないというような顔をして尋ねる芽衣に、准は苦笑した。彼はとりあえず全員座らせると、改めて芽衣に向き合い、答えた。「芽衣は、彼女たちに沢山意地悪をされただろ?彼女は、それを謝りに来たんだよ」そう言うと、芽衣は驚いて目を見開いた。そして慌てて准の手を握り、首を振って言ったのだった。「違うよ!笑ちゃ…は、何もしてないよっ」「でも、黙って見てただろ?」准の問いかけに、「そうだけど…」と眉を寄せ、芽衣は少し考えていた。そしてやっぱり納得がいかないというように顔を上げると「でも…笑ちゃ……」と何かを言いかけて口ごもり、そして思い出したかのようにパッと笑顔になった。「テープ、貼ってくれた!」「テープ?」首を傾げると、芽衣は「うん!」と大きく頷き、拙いながらも説明をしたのだった。それは何度もしてきたように、沢口比奈が乗馬クラブの更衣室で芽衣に絡んだ時のことだった。その日
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