美樹が帰った後、綾はしばらく一人で考え込んでいた。 そして、住む所を探そうとスマホで検索している。 すると、修が帰って来た。 「ただいま」 「おかえりなさい」 綾は慌ててスマホを閉じた。 「どうだ体調は?」 修にそう聞かれて綾は一瞬驚いた。 「え?」 妊娠のことを聞かれたのかと思ったからだ。 「身体、痛い所はないか?」 ──打撲の方か…… 「あ、うん大丈夫」 「そっか」 修は、ホッとしてニコニコしている。 綾は──こんなにニコニコしてくれているけれど、もし妊娠のことを告げてしまったら、「離婚しよう」と言われるのか? それとも、「堕ろせ」と言われるのだろうか。 なぜか綾の中での修は──産むという選択肢はないように思えてならない。 だから、告げることなく産みたいと思ってしまっている。 いつものように食事するが、悪阻のせいか綾の食欲はあまりない。 修は、それを見て──「食欲ないか?」 「あ、うん、あまり食べられないかな」 修は──綾は事故のショックで食欲がないのだと思っている。
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