結婚式で捨てられた後、私は彼の最大のライバルと結婚した のすべてのチャプター: チャプター 81 - チャプター 90

106 チャプター

第八十一話 綾のパリ進出──その影で…

いよいよ"AYA”が海外進出する日が来た。 これまでスタッフ一丸となり、作り上げた作品たちが華々しくパリでデビューを遂げる。 ──数ヶ月前 綾は──修から麗華に連絡を取ってもらい、 自分の口から麗華に手助けを頼んだ。 綾の中では、「麗華は修の初恋の相手」という事実は変わらないと思っている。 しかし、「これはビジネスよ! そんなこと今は関係ないのよ!」 綾は、まるで自分に言い聞かせるように暗示をかけ、心理的に自分を安心させていた。 「そうよ! だから大丈夫、きっと上手くいく」 「修さん、麗華さんに連絡してくださる?」 「ああ、分かった」 そう言うと、修は麗華にテレビ電話をかけた。 麗華には修からだと分かっていたので、わざと 『ボンジュール』と出た。 「……」 綾は驚いて怯んだ。 画面には、修と綾が並んで映っていたので、麗華は慌てて、 『あら〜綾さん! こんにちは〜』と言い直し手を振る。 「こんにちは、ご無沙汰しております。突然申し訳ありません」 『いえ、お待ち申し上げていましたわ』と言われ、 ──きっと修さんが海外進出の話を先に伝えていたんだわ。 そう思って綾は、修の方をチラッと見る。 「フッ」
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第八十ニ話 華々しくパリデビューする綾

修は、綾に「ドレスが無事で良かった」と伝えた。 「やっぱり誰かが妨害しに来たの?」 麗華の言う通り、曽根龍樹がショーを妨害する為に、手下にトラックごと奪わせた事実を話した。 本当は、修は──綾が気にすると思い、綾には黙っていようかと悩んでいた。でも麗華と綾の関係もあるし、ドレスは無事で良かったという事実を伝えたかったのだ。 すると綾は──「やっぱり麗華さんの言う通りだったのね。麗華さんに感謝しなきゃ」 綾の中で、麗華は既にビジネスパートナーだと認識しているようで、以前のように真っ先に「修の初恋相手」とは思っていないようだ。 修にとっては──綾は、あれほど麗華の名前を出すと嫌がっていたのに……どうなっているんだ? 首を捻りながら、──まあ綾と麗華が上手くやってくれているのなら良かったと思っている。 綾の──パリでの初めてのファッションショーは大成功を収めた。 大勢の有名デザイナーたちやファッション業界の関係者、取材陣も多く来てくれたので、盛大にお披露目をすることが出来た。 『"AYA”パリにて華々しくデビュー』 『山丘ハルミが後押し! 「彼女ならやれると思っていたわ」──嬉しそうに語る』 ──「綾さん、一面に大きく出てますよ」 ──「うわ〜ホント! 素敵な笑顔ですね」 山丘ハルミと修と綾は、とても良い笑顔で並んで写っている。 ──「次は、パリでの普段着の傾向を調査してデザインを考えないと! ですね」 ──「もう少しドレスも頑張りましょうよ」 ファッションショーを見ていたゲストたちが、綾のデザインしたドレスが欲しい! と注文が殺到したのだ。 華やかなデザインのイブニングドレスからウェディングドレスまで、とても人気が出そうなデザインなので、「
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第八十四話 二人の絆と帰国

綾は昨夜、修に「鈍感!」と言った。 修は──俺としたことが……今までの女の考えていることぐらい簡単に分かっていたのに、どうも綾の気持ちには鈍感になってしまうようだ。 過去の女たちは、皆んな修の財産目当てで恋人の座、妻の座を狙っていた者ばかりだと思っていた。 しかし、綾は財産である母から譲り受けた土地を持っているし、今では世界的デザイナーとして頭角を現しているので、自分で稼いでいる。 特に金に困っているわけでもないし、興味も無さそうだ。ただ元家族に奪われた財産を返して欲しいだけ。 なので、金銭的に修に頼っているわけでもない。 ──どちらかと言えば、俺が綾にしてあげたくなる存在だ。なぜだ? やはりそれは──好きだからなのか……。 今までの女たちとは違って、遊びではなく本気で何度でも抱きたくなる女──それが綾だ。 決して手放したくはない。 隣りで可愛い寝顔で眠る女を思い切り抱きしめたくなる。 修は綾の寝顔をジッと見つめていた。 すると、綾が目を開けた。 「あっ、修さんおはよう」 「おはよう」 そのまま綾は寝ぼけて修に抱きついた。 ──か、可愛い〜 それだけで、胸の奥がギュッと痛むのは何なんだ? これが恋なのか? 遠い昔に忘れていた気持ち。 修は、綾にだけはときめいてしまう。 今は仮にも"妻”なのに……。 修も綾をギュッと抱きしめ返す。 すると……
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第八十八話 予想外の…

修は綾が目覚めるまで、ずっと傍にいる。 朝日が昇り始めた。 「綾〜そろそろ起きないか? 良い天気だぞ」 修は一睡も出来ずに、ずっと綾の傍に居た。 修がカーテンを開けると、朝日が綾の顔まで届き、瞼が動いた。 「んっ……」 ようやく綾が目覚めた。 修は、綾の顔を覗き込み、 「綾! 分かるか?」 すると、綾は修の方を見た。 「修さん……」 思わず修は──「綾〜」と抱きしめようとしたが、綾は全身打撲。万一強く抱きしめてしまうと痛みが増すだろう。 綾の手をぎゅっと握り──「良かった」と言った。 「私……」 綾は昨日の事を思い出している。 「大丈夫か? どこが痛い?」 「今は、薬が効いてるのか大丈夫よ」 「そっか……」 「ごめんね、心配かけて」 綾は、また天井を見上げる。 「あ〜あ、いったい私は、この短期間で何度病院に来れば気が済むのかしら」と自分で笑ってのける。 「出来ればもう来たくはないが、治療の為だから仕方がないな」 修がそう言うと綾も微笑む。 綾は修が傍にいてくれただけで嬉しかった。 「ごめんね」 「ううん……本当に良かった」 ──修さん、泣きそうな顔になってる。 「ずっと傍に居てくれたの?」 「ああ当然だ」 綾は、ニッコリ笑った。 「ありがとう」 「ううん……」 「お腹空いたでしょう? 何か食べ
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第八十九話 妊娠のこと

綾は、美樹に連絡をした。 交通事故に遭い、今また病院に居ること。 そして──〈相談したいことがある〉 そう美樹にメッセージを送った。 〈え? 大丈夫なの? どこの病院?〉 〈軽症だったから大丈夫。それより相談したいことがある〉 〈分かった。迎えに行こうか?〉 〈ありがとう。今は、修さんが居てくれてるから、後で連絡する〉 〈分かった。待ってるね〉 しばらくすると、修が戻って来た。 「大丈夫か?」 「うん。もう私は大丈夫よ、仕事に行って」 綾は──修が、昨夜からずっと傍に居てくれたから、きっと仕事が大変なことになっているのではないかと心配している。 「分かった。医者は何と?」 「もう一度診てもらってから、何もなければ退院してもいいみたい」 「ならまた後で迎えに来るから」 「あっ、大丈夫よ。後で美樹が来てくれるから」 「そうなのか?」 「うん。気にしないで仕事に行って」 「分かった」 そして、綾は一緒に車に乗っていたドライバーのことが気になって修に聞いた。 「大丈夫だ。足を骨折したが、手術は上手くいったから」 「そうなんだ……」 それよりも、修は──どうして事故が起きたのかが気になっているようで、警察からの連絡を待っていると言う。 確かに──運転手は坂道で突然「ブレーキが効かない」と言っていた。 ──車の故障? それは考えにくい。 天埜家では、毎日必ず車両の点検を行なっている。 朝、少しでも車に不具合が見つかれば、その車は使用しない。 それほど徹底している。
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