いよいよ"AYA”が海外進出する日が来た。 これまでスタッフ一丸となり、作り上げた作品たちが華々しくパリでデビューを遂げる。 ──数ヶ月前 綾は──修から麗華に連絡を取ってもらい、 自分の口から麗華に手助けを頼んだ。 綾の中では、「麗華は修の初恋の相手」という事実は変わらないと思っている。 しかし、「これはビジネスよ! そんなこと今は関係ないのよ!」 綾は、まるで自分に言い聞かせるように暗示をかけ、心理的に自分を安心させていた。 「そうよ! だから大丈夫、きっと上手くいく」 「修さん、麗華さんに連絡してくださる?」 「ああ、分かった」 そう言うと、修は麗華にテレビ電話をかけた。 麗華には修からだと分かっていたので、わざと 『ボンジュール』と出た。 「……」 綾は驚いて怯んだ。 画面には、修と綾が並んで映っていたので、麗華は慌てて、 『あら〜綾さん! こんにちは〜』と言い直し手を振る。 「こんにちは、ご無沙汰しております。突然申し訳ありません」 『いえ、お待ち申し上げていましたわ』と言われ、 ──きっと修さんが海外進出の話を先に伝えていたんだわ。 そう思って綾は、修の方をチラッと見る。 「フッ」
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