――エレクトラの刃は振り下ろされた。だが父親の手によってそれは防がれた。エレクトラは目の前に立つ最愛の夫を見つめる。その、空色をしたサファイアの瞳を――。 ◇◆◇ 「オイディプス……。何をしている?危うくお前を傷つけてしまうところだったぞ。心からお前を愛しているおれの|心《ヘルツ》じゃあお前の肌に傷1つつかないと分かっていても。いい気分じゃあない。 ……だいじょうぶか?……怪我をしたのか……?」 慌てて憎悪を投げ捨て、夫に駆け寄る妻。 「ああ、ありがとう。エレクトラ。俺は怪我1つしていない。お前が自分を守るよりも先に、俺を愛の|心《ヘルツ》で守ってくれたからな。でも、もう少し、自分のことを大事にしろ。俺より先に自分の身を案じてくれ。」 「何を言ってる。自分よりも大切なお前だから、守るんだ。自分を守ってお前に怪我でもされちゃあ、おれは一生自分を許せないだろう。おれの身体が2つに裂かれるよりも、お前にかすり傷1つでもつくほうが、おれには痛いんだ。おれのこころはいたむんだ。わかってくれ。」 「……あぁ、そうだな、そんなお前だからこそ、俺はお前を愛しているし、お前も俺を愛していると確信できる。」 「おいおい!オイディプスよ!そんな当たり前のことを言うな!もしお前が愛されてるか不安に思うんだったらおれが、お前の妻であるおれが、何千回だって叫んでやる!愛しているぞ……|こ《・》|の《・》|世《・》|の《・》|何《・》|よ《・》|り《・》|も《・》。」 「ああ、痛いほど伝わってくるとも。でも俺だってお前を愛してるんだ。お前が傷つけば、お前の夫の胸はいとも|容易《たやす》く引き裂かれる。……このことをこころに|刻《きざ》んでくれ。」 「!……ふふっ、ああ、刻むとも。“お前の言葉”は全部、出会ってからずっと全部、このこころに刻まれていとも。」 エレクトラが愛おしそうに胸に手を当てる。 アイが言ったように、夫をよく守る妻と、妻
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-29 อ่านเพิ่มเติม