正国の車が正面玄関に停まると、すべてのレンズが一斉にそのドアへと向けられた。扉が開き、まず正国が降り立つ。周囲の喧騒には一切目もくれず、彼は静かに振り返り、紳士的な所作で手を差し伸べ、妻の静香をエスコートした。そして二人の後に続いたのは、心愛だった。家族三人がこうして公の場で肩を並べるのは、これが初めてだった。その無言の光景は、どんな言葉よりも雄弁に、心愛の正当な身分と、加賀見家がこの一件に対して示す断固たる意思を世に知らしめた。記者たちは色めき立ち、機関銃のように質問を浴びせかける。「加賀見会長、静香さん!深水心愛さんは本当に、長年行方不明だったご令嬢なのですか?」「加賀見家として、偽令嬢事件に関するコメントは?」しかし正国はただ妻と娘を庇うように手を広げるだけで、一言も発することなく、ボディーガードが切り開く道をまっすぐに進み、法院の中へと消えていった。法廷内。被告席には、囚人服をまとい手錠をかけられた葵と紘が座っていた。二人ともひどくやつれ果て、かつての面影はどこにも残っていない。葵の視線は、入廷してきた心愛に釘付けになっていた。だが、その隣に並ぶ正国と静香の姿を認めた瞬間、彼女の瞳孔は激しく収縮し、顔から最後の血の気が引いた。――すべてが終わった。彼女は、そう悟った。裁判長が判決書を手に取り、朗読を始める。「被告人・加賀見葵及び宇佐美紘は、共謀の上、虚偽の事実を告訴し、被害者である深水俊輔に無実の罪を着せた。その行為は虚偽告訴罪に該当し、情状は極めて悪質である。また、両被告人には別件の傷害致死罪が認定されている。これについても併せて審理し、事実を確認した。以上の事実に基づき、本院は以下の通り判決を言い渡す」その声がふっと途切れ、法廷内は針の落ちる音さえ聞こえるほどの静寂に包まれた。「一、被告人・宇佐美紘を虚偽告訴罪により懲役十年、傷害致死罪により懲役十五年とする。併合罪として、懲役二十年を科す。二、被告人・加賀見葵を虚偽告訴罪により懲役十二年、傷害致死罪により懲役十五年とする。併合罪として、懲役二十二年を科す。三、本日をもって、深水俊輔を無罪とし、直ちに釈放する」最後の一節が響いた瞬間――傍聴席にいた紘の祖父、かつて名雲の商業界に名を馳せた秀夫が、胸を押さえて白目
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