男は目線を下に向け、魅惑的な光景を見ると下品な笑いを浮かべた。 優希はその顔に背筋が凍り、より強く男の手を離そうとするもビクともしない。 周りの通行人も見て見ぬふりをして通り過ぎていく。 「俺の車は高級車なんだ。お前の旦那の年収分の金を出しても買えない。もちろん、修理代も高くつく…。」 「だが、方法が無いわけじゃない。」 男は反対の手で優希の下着の紐を引っ張った。 「わかるよな?」 男の不快な息が顔にかかり、優希の全身に鳥肌がたった。 その時、優希の体が後ろに強く引かれ、男の手が離れた。そのまま後ろに傾いた優希の胸に1本の腕が回され、抱きとめられる。 優希の鼻腔を懐かしい匂いがかすめ、思わず自分を抱きとめている人を見上げた。 「…将生?」 「久しぶりだね、優希ちゃん」 佐久間 将生(さくま まさき)。優希が学生の頃に付き合っていた相手だった。 「おじさん、後ろからの追突はおじさんの方が過失は大きいですよ。」 「さっき警察を呼んだので、詳しいお話は警察の方としてくださいね。」
Last Updated : 2026-02-05 Read more