All Chapters of 腐女子の私、推しカプのはずの美人上司に抱き枕認定されました。: Chapter 11 - Chapter 20

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第十一話:バレてしまったものは、仕方ない

「なんでそんなことに……」 頭を抱える鳩村課長。 「だから最近、受付嬢しか口説きに来ないのか!」納得した顔の野宮部長。私、木野こずえは、ただ今、鳩村課長のご自宅のリビングで、革張りのソファーに正座しております。私の前には、鳩村課長。そしてなぜか、私の隣には野宮部長が座っていらっしゃる。さっきは気づかなかったけど、野宮部長からは良い匂いがします。爽やかなウッド系ですかね?鳩村課長からは、洗濯用洗剤の香りがしました。あ!でも、シャンプーはムスク系でしょうか?髪の毛をかきあげた時、甘い香りがしていました。よく漫画や小説で、イケメンは良い匂いという描写がありますが、本当に良い匂いがします。二人の香りに癒されていると「大体、なんで僕が貴生の嫁なんだよ!」鳩村課長が怒り心頭という顔で、テーブルを叩いた。「え? それは、鳩村課長がスーパー受け様だからです」バレてしまったものは仕方ない。私は鳩村課長のいれてくれた紅茶を飲みながら、にっこりと微笑んだ。すると鳩村課長は顔を引きつらせて「……聞くのが怖いけど──なに? その……スーパー受け様って?」と呟いた。私が目を輝かせ「よくぞ聞いてくれました!スーパー受け様というのは、全男性の欲望を受け止める存在。そう、総受け様の事です!」鼻息荒く答えると、鳩村課長は空いた口が本当に塞がっていない。あ!鳩村課長が故に、鳩が豆鉄砲食らったみたいな?……なんて、一人でノリツッコミして笑っていると「なんで僕? 貴生は?」と、鳩村課長が叫んだ。私はドヤ顔で微笑み「鳩村課長、野宮部長はスーパー攻め様なわけですよ!男女問わず、抱かれたい男ナンバーワン!それが野宮部長なんです。そんなスーパー攻め様とスーパー受け様がいたら、それはもう運命。もはやBOYSが出会ってLoveするしかないんです!」そう叫ぶと、隣の野宮部長が大爆笑している。「良かったな、麗。スーパー受け様だってよ」そう言ってゲラゲラ笑う野宮部長を睨むと
last updateLast Updated : 2026-02-04
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第十二話:なにかが始まった音?

「それで……スーパー攻め様には、男女関係なく抱かれたくなるんだよな?」何やら色っぽい視線で、野宮部長が私の顎を軽くつまんで上を向かせた。(こ……これはもしや、漫画やドラマでよく見る伝説の顎クイでは?──え?ファンサ?ファンサですか?)目をキラッキラに輝かせて野宮部長をガン見していると 「…………木野」 「はい!」 「なんでそんなに、目を爛々と輝かせている?」 「はい!せっかくの野宮部長からのファンサを、見逃さないようにです!」 「ブフッ」今度は、鳩村課長が吹き出した。 「ファンサ?」 「はい!やはり、スーパー攻め様の顎クイは、破壊力が凄いですね。ですが、私にやるより鳩村課長との方が、全私が喜びます」 と言い切った瞬間 「やらないからね!」 「やらねぇよ!」おや?お二人から速攻のツッコミです。ですが、さすがお二人です。息、ピッタリです。にっこり微笑んだ瞬間、野宮部長と鳩村課長がブルリと震えています。 「今、俺にも悪寒がしたぞ」 「僕なんか、さっきから鳥肌立ちっぱなしだよ」 「え?それは、鳩村課長がゆえに、チキン肌ですか?」 「うまい!」 「全然、上手くないからね!」 なんでしょう? 野宮部長と鳩村課長。 お二人と話していると、とても楽しいです。 「木野さん、楽しそうだね」顔を引きつらせる鳩村課長に 「はい!とっても楽しいです!」と答えると 「木野、麗ばかり見てないで、こっち向け」グイッと腰を抱かれ、見上げた先にある野宮部長の切れ長の目に見つめられた。 ──鳩村課長とは違う色気が……。 「お……雄味が強い! さすがスーパー攻め様です」 「はぁ?」 「ブフッ」※本日、二回目の鳩村課長が吹いた笑い声です。 ……私、笑われること、してるかなぁ? 「木野、お前なぁ……」野宮部長が頭を抱え、深い溜め息をつかれて
last updateLast Updated : 2026-02-05
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第十三話:腐安感謝デー

結局、あの後、私は牛タンの赤ワイン煮込みまで食べさせて頂き、野宮部長の車で自宅まで送って頂いた。 (あぁ……幸せな一日でした)月曜日、そんな幸せな余韻で出社した私に 「おい、木野!頼んだ書類のデータ、来てねぇじゃねぇか!」小野君の怒声が飛んで来た。私が『ヒッ』と縮こまった瞬間、ふわりと甘いムスクの香りと共に、目の前にグレーのスーツが立ち塞がった。 「小野君、そのデータってこれ?」印刷が終わり、綺麗にホチキス留めされた書類の束を鳩村課長が小野君に見せた。 「え?……なんで課長が?」驚いた顔をする小野君に、鳩村課長が低い声で 「これ、きみが『自分がやります!』って挙手して預かった仕事だよね?それを、なんで木野さんがやってるの?」そう問いただしている。私は背中側にいるのに、課長が物凄く怒っているのがわかる。 「実はさ、きみの態度に他部署の女性社員からクレームが来ていてね」 「く……クレーム?」 「そう。木野さんと同期なのに、上から目線で仕事を押し付けているってね」 「なんかの勘違いじゃないですか?今回の仕事だって、木野が勝手に引き受けてくれたんですよ。『小野君は営業の仕事が忙しいでしょう?』って。な、木野」ヘラヘラと上司にだけ見せる愛想笑いを浮かべ、小野君が鳩村課長の背後にいる私に、話しかけてくる。私がその声にビクッと震えると 「さっきの怒声、どう考えてもそんな風には聞こえなかったけど?」と、間髪入れずに鳩村課長が反論した。その背中は、凄く逞しくてかっこいい。周りを見ると、腐安の中でも、白鳩担がうっとり見ているのがわかる。 私……入社当時から黒鷹担だと豪語していたけど、白鳩担に担当変えしそうだよ。すると 「今後、他の人にきみが受けた仕事をやらせたら、厳罰を与えるからね」 そう言われて、小野君は一瞬、私を物凄い形相で睨むと 「申し訳ございませんでした」と、頭を下げた。すると課長はスっと横にズレ 「謝るのは、僕にじゃないだろう?」そう言
last updateLast Updated : 2026-02-06
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第十四話:やっぱり黒鷹×白鳩しか勝たん!

朝の騒動が落ち着いたお昼休み、どうやら鳩村課長が数日前から社内の女子にアンケートメールと称して、小野君の調査をしていたと知った。(私は、普通に社内環境アンケートだと思って、『特にありません』と返信していたんだよね)「でも、今日の白鳩様……素敵だったよね?」「わかる~!普段の控えめな本妻モードからの、王子様ポジ?朝から、神様に感謝したよね。『この会社に入社させてくれて、ありがとう~』みたいな?」「私、うっかり白鳩担になりそうになったよ」「マジそれな!」同期三人組でお昼ご飯を食べていたその時だった。「あ~!デブでブスでのろまの誰かさんのせいで、マジで迷惑。デブでブスなんだから、黙って端で飯食えよ。俺の飯が不味くなる」ガンッと私の椅子の足を蹴り、小野君が低い声で小さく呟いた。「おい、デブブス!聞こえねぇのかよ!」私の背後で呟かれ、恐怖で席を立とうとした時だった。「おい、誰がなんだって?」低く響く腰に来るこの声は……。ゆっくり振り向くと、小野君の胸ぐらを掴む野宮部長の姿が見えた。「の……野宮部長?」慌てる小野君に、黒鷹担の私たちは心の中で『きゃ~!』の黄色い悲鳴。「誰がデブブスだ? そういうお前は、なんなんだよ。弱い女性社員に威張り散らかして、器のちっさい男だな」野宮部長の言葉に、『プッ』と、どこからか笑い声が聞こえた。小野君が真っ赤な顔をして辺りを見回すと、小首を傾げた鳩村課長が「あ……ごめん。あまりにも言い得て妙だったからさ」と、呟いた。(あぁ!やはりこのお二人が並ぶと……良い!赤い薔薇の花びらが舞い散る絵が見える)うっとり見ていると、鳩村課長がブルリと震えて私の顔を物凄い形相で見た。(ヤバッ、バレた!※恐るべし、鳩村課長の腐女子センサー)慌てて視線を逸らすと「小野、後で俺の部屋に来い」そう言って、小野君の胸ぐらを掴んでいた手を離した。(野宮部長がその台詞言うと、違った意味に聞こえるから不思議)そう思った瞬間、ブルリと今度は野宮部長が震えた。そして私の頭を掴む
last updateLast Updated : 2026-02-07
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第十五話:……どうして、こうなった?

朝、目覚めたら……右側に鳩村課長。左側に野宮部長が眠っていらっしゃる。見上げた天井は、見覚えのある天井。しかも、鳩村課長の右手は私のお腹を撫でており、野宮部長の左手は、私の胸を揉んでいらっしゃる。……やっぱりそっちかい!と心の中でツッコミながら、イラッとして、思わず野宮部長の左手を叩き落とした。そして反対側で、スヤスヤと抱き枕を抱えて安眠しているかのような白鳩姫の顔を見て、思わず目の下にあるクマをそっと撫でた。 ──あの日、野宮部長のデスクに連行された私は、鳩村課長のお弁当を美味しく頂きながら、鳩村課長に相談された事を思い出した。 「木野さん、お願いがあるんだ!」鳩村課長の美味しいお弁当を食べている私に、課長が手を合わせてお願いして来た。 「どうしたんですか?」会社の350円ランチが霞むほど、美味しい和食弁当に舌鼓を打っていると、鳩村課長が 「今夜、一緒に寝てくれないか?」と言われ、ポロリと箸から銀杏が落ちた。 「えぇー!」 思わず叫んだ私に 「あ!違うんだ……。違くない……けど、違うんだ」 いつも冷静沈着な鳩村課長が、慌ててそう言うと 「僕……酷い不眠症で、睡眠薬を出してもらって寝てるんだ。でも、薬が切れる時間に目が覚めちゃってね。朝まで爆睡したの……、この間が久しぶりで」 と続けた。 「でも、木野さんが帰った後、やっぱり眠れなくて……。もう一度、試させてもらえないかな?もちろん、前回同様、手は出さないよ」マルチーズが『くぅ~ん』と鳴いている姿が見える。 (くっそ~!あざと可愛いが過ぎる)顔に両手を当て、天を仰ぐ。全人類に問いたい。目の前の超絶美人(♂)が、捨てられたマルチーズのようなつぶらな瞳でうるうるしながら訴えてきたら、断ることができるだろうか?否! 誰も断れないだろう。しかも、三食美味しいご飯付き!悩んでいると 「安心しろ!麗だけにはしない。俺も一緒にいるから!」野宮部長の意味の分からない発言に 「いや、野宮部長がいた方
last updateLast Updated : 2026-02-08
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第十六話:私、担当替えします!

「わぁ!眼福ですぅ~」今、私の目の前で、野宮部長のデスクに押し倒されたかのように座る鳩村課長を、デスクに両手を着いて囲う野宮部長がいらっしゃいます。 「何で俺まで巻き込む?」 「僕が倒れたら、お前も共倒れだろうが!」ヒソヒソ声で話す姿が 「麗……早く俺のものになれよ」 「貴生、僕はとっくにきみのものだよ……」と愛を囁き合うお二人に見える。私はひたすら、スマホのシャッターをタップしまくる。 「良いです!野宮部長、鳩村課長の顎を掴んで軽く上を向かせ……そうです!ナイスです!」私はグラビアモデルを撮影するカメラマンのように、スマホを駆使して野宮部長と鳩村課長を撮影中です!え?なんでこうなったって?鳩村課長のお願いを聞く代わりに、お二人のサービスショットを写真に撮りたいとお願いしてみました。 (本当はお断りする為の逃げ口上だったんだけど……)余程、背に腹はかえられない状態だったのだろう。奇跡的にOKをもらえたのだ! 『ピピピピッ』おうっ!三分は短いです。 「はい、終了。これで、約束果たしてくれるよね?」肩を捕まれ、めちゃくちゃ怖い顔で迫る鳩村課長にコクコク頷いた。 「長かった……」 「地獄の三分だった……」お二人の言葉に首を傾げながら、さっき撮った画像を見てみる。 「良い!」もう、下手なゲームの美麗スチルより美しい。この、見つめ合う目が……愛を物語っているじゃない? (※二人の為に……。あくまでも、腐女子目線です。本当は、睨み合っています (作者)) 「おい、木野」 「はい?」 「その画像、他の奴に見せるなよ!」ガルルッと唸るワンコのように、野宮部長が低く唸った。 「そんな勿体無いこと、しませんよ!」笑顔で答える私に、野宮部長が疑いの目を向ける。 「見せるなら、一枚5,000円ですね!」 「金取るんかいっ!」野宮部長がツッコミを入れた瞬間、鳩村課長が私の顎を軽く掴み 「ねぇ……
last updateLast Updated : 2026-02-09
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第十七話:なんだかんだで……

……という経緯があり、私は昨夜、再び鳩村課長のご自宅に招かれたわけです。 そりゃあもう、大歓迎っプリにビックリ。その歓迎っぷりは、まさに野宮部長の嫁!甲斐甲斐しく、料理からお風呂まで全てご用意頂きまして……。(私的には、お二人が入った後の聖地に足を踏み入れたかったんだけど、なんか警戒されちゃったのよね……ちぇっ!)しかも、野宮部長は一度ご自宅に戻られてからの集合だったので、お風呂はご自宅で入られてしまったらしい。──ここも減点ポイントよ! やはりここは、野宮部長がお風呂に入っている間に、鳩村課長がバスタオルと着替えを用意するシーンが見たいじゃない!確かに、洗い髪で前髪を下ろした部長はセクシーですよ。でも、私が見たいのは── 「貴生、濡れたままじゃ風邪引くぞ」 「じゃあ、麗が乾かしてくれよ」 「もう、仕方ないなぁ~」って言いながらの、バスタオルで濡れ髪をわしゃわしゃやりながらの、その後はドライヤーでしょう!そこ、大事だからね。試験問題なら、間違いなく出るよ!なのに……なのに……何で、自室でシャワー浴びた上に、髪の毛乾かしてくるかなぁ?だったら、部長に用は無いんだけど!ぷんすかと心の中で文句言ってると 「言っとくが、麗の部屋の風呂も寝室も、入った事は無いからな!」私の隣にドカッと座りながら、部長が呟く。 「はぁ? 何で夢を壊すこと言うんですか!」 「どんな夢だよ!」 「ハッ!ワンチャン、野宮部長の部屋で」 「ねぇよ!」 「早いっ! 否定が早過ぎます。夢見る時間くらい、下さいよ!」 「だから、どんな夢だよ!」 「そんなの、野宮部長と鳩村課長の(もがっ)」私の言葉を、鳩村課長が口の中に海老の天ぷらを突っ込んで黙らせた。もぐもぐ……あ、この天麩羅美味しい。 「ふ~っ、危ない。貴生、木野さんに余計な事を言わせるな!」 「余計な事って、なんだよ」首を傾げる野宮部長に、鳩村課長はガックリ肩を落として 「お前は良いよ
last updateLast Updated : 2026-02-10
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第十八話:それは……解釈違いです!

さて、ここからが本題です。 (回想が長すぎて、なんの話だから忘れた方は第十五話のどうしてこうなったを参照下さい!)何故……三人で寝ていたのか?しかも私が真ん中。──気になりますよね?分かります、分かります。私も皆様側だったら 「おい、お前!なに、神聖な二人の間の壁になっとんねん!壁の意味、ちゃうやろう?」と思います。えぇ、思いますとも!でも、一旦、怒りを収めて聞いてくれますか?私の話を!!夕飯の後、さすがに何もしないのも申し訳ないので、鳩村課長と一緒に後片付けしていたわけです。まぁ……私的には、野宮部長は部屋に戻ると思っていたのですよ。しかし、帰る気配一向にナシ!リビングでくつろいで、テレビ見ながら晩酌しているわけですよ。そんな野宮部長を気にするでもなく、鳩村課長はテキパキと洗い上げた食器を、私が布巾で拭いた傍から食器棚に片付けていく。最後のお皿を片付けると「木野さん、ありがとうね。手伝ってもらえたから、後片付けが楽だったよ」ふわりと浮かべた笑みが……尊い!私、完全に白鳩姫担になってしまったよ。尊さに泣きながら手を合わせていると、エプロンを外して「じゃあ、僕もお風呂に入ってくるから、楽にしてて」そう言い残し、後ろで一つにまとめていた髪の毛のゴムを解きながら歩く後ろ姿を、全私に焼き付けていたのですよ!(髪を解く後ろ姿の色気たるや、筆舌に尽くし難いものがございましたよ!……えぇ)うっとりと浴室へ消えて行く白鳩姫を見送っていると「おい……」突然、背後から野宮部長の声がして飛び上がって驚くと「木野……、麗は見た目あんなだけど男だぞ」と、唐突に呟いた。私は一瞬、目を点にしてから、『はぁ……』と溜め息をついて「今更、どうしたんですか?知ってますよ。良いですか?BLとは、男性同士の恋だからBLなんです。鳩村課長が女性だったら、それはただのノーマルラブじゃないですか!BLは……禁断ゆえに切なく、尊いんです!」そう熱く熱弁した。すると野宮部長は
last updateLast Updated : 2026-02-11
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第十九話:受け様の幸せが攻め様の幸せです!

野宮部長の発言に、私は目を据わらせ 「はぁ?野宮部長、なにしたんですか!」 と、思わず言ってしまった。 「はぁ?なんで麗のことで、俺がそんなふうに言われるわけ?」 私の言葉にカチンと来たのか、野宮部長も目を据わらせて反論してきたじゃない! 腐安代表として、ここはガツンと分からせないといけないわね! 「受け様の幸せは、全て攻め様の責任!だから、野宮部長の責任なんですよ!」 「だから、そもそもの考え方が違うんだよ!」 「なにが違うんですか? 良いですか、部長。攻め様に愛されてこその受け様なんです!そして、受け様の幸せこそが攻め様の幸せ!愛されて美しく花開く受け様を、全力で守り、愛し抜いてこその攻め様です!」 言ってやりました! 白鳩姫の幸せを守ることこそ、腐安ですからね! ドヤった私に、野宮部長がガックリと肩を落とす。 「もう……どうしたら分かってくれるんだよ」そうボヤいた部長に、私はそっと部長の肩に手を置き 「ですが部長、鳩村課長の過去は過去です。何人の女性と偽りの愛を重ねても、今、こうして真実の愛に満たされているなら良いじゃないですか!」そう言い切った時だった。 「へぇ……僕が、なんだって?」低い白鳩姫の声が背後から聞こえた。振り向くと、お風呂上がりの色っぽい鳩村課長が、何故か怒った顔で立っている。 「鳩村課長、大丈夫です!過去はどうであれ、今は野宮部長に愛されて幸せなら……私はそれで良いんです!」真剣に白鳩姫の手を握り見つめると、白鳩姫まで頭を抱え始めた。 「貴生……なんで悪化してるわけ?」 「俺が聞きたいよ!」 「しかも、勝手に僕の過去を話さないで欲しいんだけど……」そう言うと、野宮部長の背中を蹴ったのだ。 「痛てぇな!」 「これで済んで、感謝してほしいくらいなんだけどね」睨み合う二人。もしかして……、私が野宮部長と仲良く話していたから!実は白鳩姫は、執着系受け様なの? 「ダメです!」私は叫んでいた。
last updateLast Updated : 2026-02-12
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第二十話:やっぱり鉄板は、鉄板になるだけの良さがあるのよ!

「……とにかく、明日は大事な会議があるから、もう寝るよ。貴生も、早く部屋に戻りなよ」全てを諦めた顔をした鳩村課長の言葉に「ちょっと待て!まさか、今から二人で同じベッドに寝るんじゃないだろうな?」と、野宮部長が鳩村課長の腕を掴んで唸った。「はぁ?何を今更。その為に来てもらったんだろう?」目を据わらせる鳩村課長に、野宮部長は怒った顔で「やっぱり納得いかねぇ!なんで惚れた奴が、他の男と寝るのを見過ごさなくちゃなんねぇんだよ!」と、野宮部長が叫んだのだ。私、その瞬間──きゃあ!野宮部長の『惚れた奴』発言をいただきました!と、完全に舞い上がっていた。しかも、しかもですよ!「だったら、最初から反対すれば良かったじゃないか!」「麗の不眠症も心配だったし、俺だってやっと近付けるチャンスだと思ったから……。でも、やっぱり二人で寝るのは納得いかない!」「なに?僕が信用できないの?」「違う!お前だって、惚れた奴が他の男と一緒に……例えなにもないとしても……それは辛い」なんて話しているのよ。そうよね、そうよね。愛する妻が……例え女性に興味がないとしても、過去に犯した過ちの件があるものね。心配にもなるわよね。と頷きながら、(ん……?さっき、他の男って言ってた?)首を傾げ──私は気付いた。野宮部長への想いが実を結ぶまで、鳩村課長は……男性とも?そうよね……不憫受けが誤ちを犯し、他の人とのアヴァンチュールに身を投じてしまうの。「麗!自分を大事にしろよ!」「放っておいてくれよ!僕のことなんて、なんとも思っていないんだろう?だったら、僕が誰とどうなろうと……」そんな白鳩姫を、野宮部長が強く抱き締め「惚れた奴が……他の男になんて、黙っていられるわけないだろう」と、愛の告白。「貴生……それって……」あの薄茶の綺麗な瞳に涙を浮かべ、白鳩姫が野宮部長を見上げると「いい加減、気付けよ……」と、野宮部長が拗ねたように呟く。「貴生……」「麗……、愛してる
last updateLast Updated : 2026-02-13
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