「ほら、泣き止んでくれ音羽。恭を探そう?」 優しい声で、優しい指先で音羽の涙を拭う伏見。 ハラハラと涙を流す音羽。 場違いだとは思いつつ、静かに涙を流す音羽がとても綺麗で。 伏見は思わず音羽に口付けた。 「──んっ!?」 「……ん、ふっ、はは。やっと涙が止まったな。……音羽、恭を探そう。泣くのは恭を見つけてやってからにしよう」 そうだろう?と優しく声をかけてくれる伏見に、音羽は慌てて濡れた目元を拭うと頷いた。 あまり声を出して探さないように、と伏見に言われていた音羽は、足音を極力立てないように気をつけつつ周囲を見回す。 伏見は音羽の腰に手を回し、自分から離れないよう、音羽を守りつつ伏見は周囲を警戒している。 ゆっくり歩きながら、伏見は声を落としつつ話す。 「……火災の知らせを持ってきた工場の職員がいただろう?」 「──はい」 「その工場の職員、あの場がパニックになっている内に姿を消していた。……多分、あれはこの工場の職員ではない」 「……そんな!あ、でも、だから蓮夜は火災が起きていないって……?」 だからそんなに早く火災は起きていない、と判断できたのだろうか。 音羽の考えを肯定するように、伏見は頷いた。 「ああ。普通だったら近くにいた職員と一緒に避難誘導を始める筈だろう?それなのに、姿を消していた。……誰かに雇われたか、金に釣られたか……命令されていたか。詳細は分からないが……子供達を見つけたら、子供達を攫った人間も一緒にいるはずだ。そいつに聞けば全部分かるだろう」 そう話す伏見の表情が、ヒリついたものに変わる。 音羽が口を開きかけた所で、伏見のスマホが震えた。 「──組の者からだ」 「……!」 そう告げた伏見は、即座に電話に出る。 電話相手の声が、伏見に抱き寄せられていた音羽の耳にも聞こえた。 〈若、子供達を見つけました。この工場の職員風の男と一緒にいます!〉 音羽の耳にも、はっきりと聞こえた声。 その報告を受けた瞬間、音羽と伏見は顔を見合わせて指定された場所へと走り出した。 ◇ 時間は少し遡る。 火災が発生した、と叫び声が聞こえた後、保護者達がパニックを起こしてベルトコンベアに駆け寄って来た。 「──わっ、わっ」 恭は突然駆け寄ってくる大人達の勢いに押され、踏み台から足を滑らせてしまった。 そこ
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