บททั้งหมดของ 極道と、咲き乱れる桜の恋: บทที่ 61 - บทที่ 70

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61.龍之介の想い④

「……さぁ、邪魔者は居なくなったし、ベッドに戻ろ?」桜が廊下の奥に消えていく。その姿を見て無邪気に笑い、腕を絡ませてくる……百合にそっくりな女。双子の妹と聞いて、納得するしかないほど、似ている。それは桜の比ではないほどに。「……ねぇ龍之介?……私、可愛がってほしいのよ」屋敷に控えている組員たちは、あからさまな目は向けてこないものの、後ろに目がついているのがわかる。なんといってもこの雰囲気だ。飲み込まれそうな妖しい雰囲気に、俺の口角も上がる。「……可愛がるってのがどういう意味か、わかって言ってんのか?」腕に絡みつく細い手……もう片方の手が、素肌の上に直接着たワイシャツの胸元を、意味深にくすぐる。「わかってるわよ……私だって大人の女だもの」女の手は次第に下がっていき、俺の手を誘う。そして自分の腰のあたりに這わせた。「……キスして、龍之介」「……皆が見てるぞ?」背後に感じるのは、組長夫妻の目。麗香か、それともこの……百合の妹か、俺の行動で、その価値を確かめようとしているのがわかる。……じれったい、と言いたげに背伸びしてくる真理。その動きで、腰に沿わせた俺の手が、彼女の丸い尻に滑った。「……ふざけんな、このアマ」近づいてくる唇を避け、女の前髪をつかんで引っ張りあげる。「……いたっ!何すんのよっ!」「うるせぇ。お前ごときが俺に触るんじゃねぇよ。……一晩かけて落ちなかった俺が、朝になったら気が変わるとでも思ったか?」髪を引っ張り上げた反動で廊下に放り出してやれば、真理は尻もちをついた格好で睨みつけてきた。「なにカッコつけてんのよっ!婚約者がいるくせにあの桜って子まで囲って。結婚前から愛人確保?……本当に、極道ってのは節操がなくて大嫌いよ!」「嫌いで結構だ。……それで?お前はどこから来た?目的はなんだ?」「だから何回も言ったでしょ?夢に百合が出てきて、龍之介が2人も女を不幸にしようとしてるから、邪魔をしてこいって言われたって」しれっと言いのけるこの女を昨夜訪ねたのは、ここへ来た目的と、どこから来たのか不明だったからだ。食事をしながら尋ねても、一事が万事、この調子。顔を見れば百合の妹に間違いはないから手荒な真似は避けたが、離れに泊め置いたのも、俺が部屋を訪ねたのも、すべてはこの女を監視するためだった。「昨夜も散々話したが、俺
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62.美紀と再会

「……桜ちゃん、久しぶり!」「美紀ちゃん……」あの日、酒屋をそっと抜け出して以来顔を合わせる美紀の目には、すでに涙がたまっていた。ここは桜が指定したカフェ。都心のターミナル駅近くにある店で、休日だということもあり、外は人でごった返している。「はじめまして。西門蔵之介といいます」カフェはにぎやかな喧騒が嘘のように、ゆったりしたジャズが流れていた。美紀は挨拶する蔵之介に驚きもせず、しっかりと頭を下げる。「俺は離れた席にいるから。……変な女にナンパされたら、ちゃんと助けてね?」護衛しているのは蔵之介の方なのに……桜は笑いながら呆れて「わかりました」と返事をした。「先に美紀ちゃん、これ……」差し出す白い封筒を見て、美紀は聞かなくても中身がなんなのか理解できたようだ。「借りた全額入ってる。……せっかくの好意を無駄にするようなことになって、本当にごめん」「もういいよ、桜ちゃん」頭を下げる桜の肩に、美紀は優しく手をかける。「人を好きになるって、自分ではどうしょうもない気持ちの連続だってこと、私にもわかる。ただ言いたいのは、つらい時も幸せな時も、私は桜ちゃんに寄り添っていたいよ。だから……迷惑をかけるからって心配しないで、これからもこうして会いたい」「うん……私も、美紀ちゃんと話ができなくなって、すごくつらかった」桜は酒屋を抜け出した後の話をかいつまんで話して聞かせた。坂上が良からぬ組織のお抱え弁護士になっていたこと、父親とグルになって自分を差し出そうとしたくだりでは、テーブルを拳で叩くほど怒りをあらわにした美紀。「それで坂上先生は、桜ちゃんにケガをさせといて逃げてるわけ?」「うん。今、蔵之介さん達が行方を追ってくれてて」そういった理由から、今日蔵之介が同行することは、事前に美紀には伝えていた。だから驚かれなかったというわけだ。美紀は離れて座る蔵之介にちょっと目をやり、桜に向かって身を乗り出した。「……龍之介さんは?その件から、下りちゃったの?」「うん……龍之介さんは、麗香さんとの結婚を控えてることもあって、蔵之介さんに任せることになったの」そうか、と言いながら、目を伏せる美紀。「それに私も、逃げるだけじゃダメだって、思うようになって」「なにそれ……」「坂上さんのこともお父さんのことも、それから、龍之介さんのことも」桜は、数
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63.龍之介、齋藤専務と面会する

「……バカね。冷たく出て行けって言っといて、後になって死にそうになるなんて」「あー…?……るせぇよ」蔵之介から送られてきた動画に映る桜を見ながら、深いため息をつく俺を、麗香が呆れ顔で見下ろす。……何の説明もしなかったのは、確かによくなかったと思う。だが……屋敷に客人が来た場合、俺が桜に目をかけていることに気付かれると、あいつに危険が及ぶ可能性がある。西龍会、若頭の女だと思われて。もし顔を覚えられたら、ここを出て1人で暮らし始めたあと、トラブルに巻き込まれないとも限らない。だから……真理がやって来た瞬間から、なるべく桜を遠くに置いたわけだが。「……あーあ、いつもそんなことばっか気にして……本当に嫌んなるぜ」呆れ顔の麗香は、一旦自分の部屋に入り、携帯を手にリビングに戻ってきた。「齋藤専務に確認したけど、真理さんは確かにボランティアメンバーだそうよ」「そうか……」俺から離れ、桜が1人立ちすることに協力する側の人間だったとは。「……その齋藤って男に、1度会いに行ってみるか」「なんで?」「ちゃんとした奴なのか?……お前は当てにならねぇからな。自分の目で確かめてみるわ」龍之介は麗香の携帯を奪い取り、齋藤の携帯番号を自分の携帯に転送させた。そして……着信を鳴らす。『はい、齋藤でございます』落ち着いた低音が、龍之介の耳に響いた。「私たちの支援は、仕事、住まい、そして計画的な貯蓄のアドバイス、事業計画の相談や作成もお手伝いしています」後日、屋敷近くのコーヒー屋に快く出てきた齋藤は、顔を合わせた俺にすぐに気づいて、立ち上がって頭を下げた。「……なるほど。桜の夢の応援もしてくれる、ということですか。で、見返りは?」「見返り……ですか?」思いがけないことを聞かれた、とでもいうような顔。まさか、何の見返りもなく支援するというのか。「そうですね、もし桜さんがよろしければ、活動を支援してくれるとありがたいですね」「支援とは?」目の前の柔和な顔立ちの男に、ややイラつきを感じながら矢継ぎ早に尋ねる。……桜はこの男を、優しそうだと思ったのだろうか。「桜さんの夢が叶ったあとであるなら、例えば……支援者をアルバイトとして雇ってもらったり、うちのパンフレットをお店に置かせてもらったり……でしょうか」「はぁ……そうですか」これ以上ないほど簡単なこ
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64.切りつけられる……

「あの……大丈夫ですか?」携帯を切った蔵之介がわずかに緊張して見える。目深に被ったキャップの下の目元を、桜はそっとのぞいた。「あぁ、大丈夫だ。で、どうするか?ポップコーンでも買うか?」「え、映画館って、食べ物を持ち込んでもいいんですか?」「……ったり前じゃん。まさか映画観るの初めて?」映画館に来たのは初めてだ。そんなところに連れて行ってもらうような父娘関係じゃなかったし、母がいる頃から金銭的に困窮していて、映画館など夢のまた夢だった。「……田舎、だったので」カッコつけたわけではないが、実際育った町に映画館などなかったことを思い出した。「……そっか」言葉短く答える桜の背景を感じ取った龍之介。子供にするように頭に手を置いて、腰をかがめて目線を合わせる。「そんじゃ、ポップコーンとコーラを買ってやるから、映画観ながら食べようか」「あの、飲み物はお茶がいいです」「なんだよー!子供扱いするなってか?顔赤くして……クソ可愛いな」蔵之介は1人機嫌を良くして桜を引っ張って売店へ向かう。大きなスクリーンで映画を観ながらお菓子を食べられるなんて……桜の頬は嬉しさで緩んだ。「……はぁ、やべーほど怖かったぜ」てっきり推理ものだと思って選んだ映画は、立派なホラーだった。「確かに、見応えありましたね……!」ついクスクス笑ったのは、蔵之介がホラーシーンを大げさなほど怖がって、ポップコーンをこぼすほどビクビクしたから。組員たちに睨みを利かせている人とは思えない……!映画館のロビーは、上映が始まるのを待つ人と、見終わって余韻に浸る人とで賑わっていた。「どっか寄ってくにしても……一旦車に戻るか」駐車場に向かう蔵之介。人混みの中、その背中を見失わないようじっと見つめていたので、自分に伸びてくる手に気づくのが遅れた。「……ちょっと静かにしてて」聞き覚えのある声が間近で聞こえ、驚きでヒュッと締まる喉……とっさ蔵之介を呼べなかった。両腕を背後でまとめられ、肌に触れる冷たい金属を感じる。そのまま後ろに下がりながら、人のいない場所へと引っ張られた。……恐怖で声が出ない。ただ、蔵之介の背中から視線をそらさないように……「大丈夫?……あれ、桜ちゃん?」背後の桜に手を差し出した蔵之介が異変に気付いた。あちこち目線を彷徨わせているのを見て、カラカラに乾いた喉を
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65.怪我をした桜

「出血は派手だが、何針か縫って、化膿止め飲んどきゃ大丈夫だろ」「……容態急変、なんてことはねぇだろうな、ヤブ医者」「はっ、今まで1回でもそんなミスをしたことがあったか?」冗談はおととい言え、と、桜にはよくわからない捨て台詞を吐いて、医者は部屋から出ていった。「……おいこら、待てや、」2人きりになり、瞬間的に龍之介と目が合うと、見る見る間に頬を染めた龍之介が医者を追ってゆく。なぜ赤面……?まさか私と2人きりになって照れくさいとか?消毒薬の匂いが漂う部屋に残されて、桜も頬を染めて、ベッドに横になろうと体をずらした。……が、処置の後でうまく横になれない。「……あ、大丈夫かよ」ノックもなく蔵之介が入ってきて驚いた。文句を言う間もなく手を貸してくれたので、甘えてしまうことにする。「あの……坂上さんの行方はわかったんですか?」切りつけられた時、坂上の声だったことは伝えてある。「あぁ。潜伏先を次々に変えてるらしくてな、探り当てた時には移動した後、ってのを繰り返してて、今回も同じなんだよな」「……それでもそろそろ、八方塞がりのはずだ」同じく、ノックもせず龍之介が入ってきて言う。「追い詰められてるのを感じるからこそ、蔵之介がいるにも関わらず、桜に接触したってことだろうよ」「……まぁ、俺もそう考えてたけど。……って、なんだよ?!」桜のベッドに寄り添うように座る蔵之介を蹴散らかし、代わりにそばに座る龍之介。「だからあのマンションは危険だ。怪我のこともあるし、桜はここに戻ってこい」「……はい」素直に言うことを聞くと思っていなかった龍之介は、やや面食らいながらも、怪我をしていない方の手を取る。「坂上は、松白屋の専務がやってるボランティア活動の顧問弁護士も引き受けていた。うちみたいな家業とボランティア活動って、言うなれば真逆の団体だ。なのに言われるまま顧問弁護士を引き受けていたということは……」「それは……」「金だな。弁護士としての仕事をまっとうしようとする前に、積まれた金が欲しいって思いが強いんじゃねぇか」まぁ、奴の背景は知らんが……と言いながら、龍之介の大きな手が頭からするりと頬までを撫でていく。「今や桜は、奴らにとって高額な金と同様だ。……いろいろあって屋敷から出て行けなんて言ったが、ごめんな、やっぱり桜はここにいてくれ」「こちらこ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-23
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66.絡み合う3人の想い

「俺も、お前に待っていてくれとは言わねぇよ」怪我をしていない方の腕を押さえ、胸元のタオルをそっと滑らせながら、龍之介が言う。「桜は自由だ。俺と会えなくなって……お前にどんな出会いがあるかわからねぇ。本音を言えばそんな時出会いはぶっ潰したいが、そういうわけにはいかねぇよな」「そう……ですね」「ハッキリ言うねぇ……」龍之介はわずかに目を見開き、イタズラっぽい微笑を浮かべた。そして少しだけ機嫌を損ねたのか、胸先をつまむようにして、タオルを外した。瞬間、柔い刺激に身をよじる。「ちょ…っと!なにするんですか?」「ふん、肯定されると気に入らねぇや」子供みたいな表情を見せる龍之介に、桜も子供っぽい笑顔を返した。本音では……決して望んでやしない。龍之介と会えなくなること、そして新しい出会いなんてものも。言葉が途切れ、龍之介は自然と桜から目をそらした。桜はその隙に、拭いてもらった胸元に下着をつける。「……ただし、忘れんなよ」Tシャツを手に取った桜から、自然とそれを奪い取り、着せながら続ける。「俺はしつこいぞ。それに一途で、惚れた女にはめっぽう弱い」「はい。それは……わかる気がします」百合さんと同じように、私も愛されたということだろうか。……だとしたら、とても嬉しい。「桜……」目を伏せた思いが伝わったかのように、龍之介は桜の両頬に手を当てる。「俺の最愛は……お前だ」真剣なまなざしが、これ以上ない愛を伝えてくれる。その深く強い思いに触れ、桜の目元は呆気なく涙で濡れた。「もう一度……お前の人生の中に俺が現れたら、考えてくれるか。一緒に、生きていくかどうかを」運命を引き受け、私を手放す覚悟をしたという……これは、別れの言葉なのかもしれない。「はい。……会えなくなっても、私の愛は消えません。だって……」泣いてはいけないと思うのに、どうしても溢れる涙を止められない。気を緩めれば、嗚咽に変わってしまう、号泣してしまう……その前にどうしても伝えたい。「だって、あなたに代わる人はいないもの……」桜…、と低い声で名前を呼ぶ声が、揺れているように聞こえた。怪我を気遣って、優しく抱き寄せる腕の中は、どうしょうもなく安心するのに。私たちの時間は、間もなく終わるのだと……実感した。『また怪我をしたって聞いたわ。大したことはないみたいだけど、どうか
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-24
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67.Side麗香

自分の中に巣食う女という性に、最近の私は恐れおののいている……桜が坂上に怪我をさせられたのは、自分に責任がないわけじゃないのに…見たこと無いような優しい表情を浮かべて、毎日飽きもせず桜を見舞う龍之介を見ていたら、意地悪したくなった。『お花、気付いた?』彼女を見舞おうと思ったのは本当。直前まで、励ますような明るい色のフラワーアレンジメントを頼もうと思っていた。なのに直前になって、私が選んだのは、鉢植えのミニバラ。「はい。麗香さんが持ってきてくれたんですね?ありがとうございます。……すごく綺麗です」『よかった!枕元に飾ってね』育った環境が複雑だから、鉢植えの花が見舞いには不適切だと知らないのかと思った。でも多分、桜は知っている。理由は、お礼を言った後についた、静かなため息。送ったこちらの不手際を決して感じさせないようにしているとわかった。そういう気遣いができるところが、きっと龍之介は好きなんだろう。そう思ったら、意地悪な言葉が、矢継ぎ早に私の口から放たれた。避けもせず、矢に打たれる桜。携帯越しにも想像てきる。その姿はさぞ……美しいのだろうと。「龍之介、戻ったの?」「……あぁ」それから、龍之介が部屋に戻るのは確実に早くなった。……けれどそれだけ。結婚式の話はもちろん、櫻川の事も、何も聞いてくれない。おかえりもおやすみもなく、龍之介は部屋に入って鍵を閉める……そして出かける瞬間まで彼は出てこない。それぞれの部屋の間にある広いリビングはどんどん冷え切って、使わないキッチンはホコリをかぶり、やがて錆びついていくのだ。私と、龍之介の関係もきっと……結婚したって何も変わらない。いや、もっと冷たくなるかもしれない。桜の気配が消えた屋敷で、龍之介は悲しみを秘めながら、しがらみを切る策を練るんだ。そんなしがらみの中心は私。子供の頃からの思い出や繋がりも容赦なく切り刻まれる。……そして捨てられる。そんな未来を選ぶなんて……私は、狂っているのかもしれない。「……龍之介、起きてたの」翌日、櫻川から帰ってみると、珍しく明かりが灯るリビングに驚いた。「あぁ、風呂入ってからでいいから、ちょっといいか?」「あ……うん、もちろん」まさか……龍之介の瞳の奥に、感じたことのない炎が灯って見えた気がする。それがどういうことを意味するのか、私だっ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-25
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68.龍之介、動く

「楓卿組に行くと……?」「はい。和哉と、何人か連れて行くんで、よろしくお願いします」「自分で仕留める気か?」「……もし、かくまっているようであれば、必ず吐かせます」組長の部屋を出ると、すでに声をかけた何人かが揃っている。「……龍之介、」玄関を出ていこうとした俺を、母親が呼び止めた。「1人で、行くのね」「はい。後のことは、蔵之介に」突然訪ねていけば、奇襲攻撃と取られる可能性がある。そうなれば最悪乱闘になり……命を落とす事も想定しなければならない。蔵之介を連れて行かないのは、2人で死ぬわけにいかないからだ。「そこまでして……あんた、」「……けじめ、つけさせてください」昨夜、部屋を訪れたとき、桜は眠っていた。最近、強い意志をのぞかせるまなざしは静かに閉じられ、寝顔は少し幼く感じる。こんな風に、安心して眠れる環境を守ってやりたい。手放さなければならないなら、今やらなければ。決意は強く、深い愛情の証。すべらかな頬に口づけ、俺は部屋を出た。賑やかな繁華街の裏通りに、楓卿組が事務所を構える物件がある。……ちょうどスーツを着たいかつい男が建物から出てきたので、行く手を塞ぐように後部座席のドアを勢いよく開けた。「……西龍会のもんだ。組長さんはいるかい?」「は?……あんた、若頭の……」「西門龍之介だ」車から降りて男の目の前に立つと、意外と背の小さい男だったようだ。「……組長につないでくれよ」頭をそっと撫でてやると、さすがに機嫌を悪くしたらしく、男は乱暴に手を振り払い、来た道を戻っていく。どうやら素直に案内するつもりらしい。「わりぃな。……お使いの途中だったんじゃねぇの?」「うるせぇっ!黙ってついてこいや」階段で3階まで上がらされ、何の変哲もないドアを開ける。「……おい、」中は思ったより広く、正面に立つ男が焦ったように近づいてくるが、雑魚に用はない。部屋の中に視線を巡らせるのは、坂上と桜の父親の痕跡をさぐるため。……何も見つけられないまま奥へと入っていく。「……こりゃ、とんで火に入る夏の虫だなぁ」俺の顔を見て、愉快そうに言う中年の男が、楓卿組組長、吉野忠雄だ。「夏の虫でも何でもいいや。……おたくのお抱え弁護士ってのは、坂上聡太って先生で間違いねぇか?」「……何を聞きに来たと思えば」タバコを咥え、火をつけてもらう組長
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-26
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69.毒親の末路

「何しやがんだぁ…っっ!」和哉が足元に広がる血に気づき、ナイフを奪って父親に振りかざす。龍之介は組長の胸ぐらをつかみ、そのこめかみに銃口を当てた。「……悪いことは言わねぇ。坂上を出せ」「そ、それは……」さすがにチャカが出てくるとは思わなかったのだろう。組長は途端にブルブルと震え出した。……それもそのはずだ。俺に拳銃を持たせれば躊躇なく撃ち、しかも急所は絶対に外さず、確実に命を取るから。「……少し急所をはずやしてやろうか、その方がずっと苦しむもんなぁ」こめかみの銃口をわざとチラチラ動かしてやれば、男たちも手出しできずに固まった。「……い、今はうちで仕切ってる店を転々としてる。か、帰らない時もあるが、来たらすぐに……すぐに、連絡する」気づけば組長のデスクと足元には、血溜まりが出来ている。龍之介はデスクの血溜まりに自分の手のひらをバンッとついて、組長を見上げた。「……あの男を俺に差し出すだけだ。簡単だよな?」裏切ったらその報復に来るということ。龍之介の血が飛び散って汚れた顔を何度も縦に振り、組長は後ずさった。「仕留めなかったのか」車に乗ってから和哉に尋ねた。「はい。あんな状態じゃ、すぐにその辺に捨てられるでしょう。どのみち命は終わります」震え上がる組長を尻目に、事務所を出ようとして、自分と同じように足を刺された父親が悶え苦しんでいるのを見た。「なるほど、いい判断だな」坂上の行方がわからなかったのが心残りだが……刺された手のひらと太ももをきつく布で巻かれ、龍之介と男たちは屋敷に帰宅した。「……龍之介っ!!」屋敷に入ったとたん、飛び出してきたのは麗香。「怪我……刺されたの?ねぇ、手のひらって……どういう状態?!」「あぁ……たいしたことねぇよ」血に染まった布を見て心配してくれるのはありがたいが……俺の目は先に、桜の姿を探してしまう。「……龍之介さん、おかえりなさいませ」玄関の正面にある大きな階段。その踊り場に現れた桜に、近づこうと歩みを進めようとして……「だめよ龍之介。動いたら、傷に触るわ」妙にキッパリと、怪我をしていない方の腕を引っ張る麗香。「……うるせぇよ」力任せに腕を引く俺に、燃えるような目を向けてきた。こいつは本当に、いつからこんな女になったんだ……「和哉、肩を貸せ」やり取りを階段で見ている桜に、支え
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-27
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70.あいつらの行方は……

「……やめろっ!」 いやらしく触る手に虫酸が走る…… 力任せに麗香の手を払い、シャワーの栓をひねった。 「……は、恥ずかしいの?ちゃんと、反応しはじめたのに……」 「生理的なもんだ。欲だけで女を抱ける年齢はとっくに過ぎた」 「なによそれ……桜ちゃんじゃないと満足できないっていうの?」 こんな場面で桜の名前を出すのも嫌だった。 「悪いが、俺はお前を抱けない。お前はいつまでも幼なじみで友達って存在だ」 バスタオルで体を拭き、腰に巻いて後ろ向きのまま言う。 「お前は外に恋人でも何でも作れよ。いくらでもいるだろ、お前の気を引きたい男なんて」 ……嗚咽が聞こえたような気がしたが、慰めてやることなど、俺にはできない。 そのまま部屋に入った俺に、麗香はもう声をかけてこなかった。 「……確認してきました。遺体は間違いなく滝川正雄。桜さんの父親に間違いありませんでした」 やがて和哉が帰り、報告に来た。 ……楓卿組と、あの河川敷辺りを管轄する警察には知り合いがいる。和哉はそこと連絡を取って情報を得たようだ。 「わかった。お疲れさん」 「あと、坂上の行方なんですが……」 「あぁ、ついでに探ってくれたのか」 「はい、それによると……桜さんに接触した後の痕跡がまったく消えてしまったようで、もしかしたら海外逃亡の可能性もあるってことでした」 「……海外」 確かにそれも視野に入れるようだとは思っていた。だが、もしまだ日本にいるとしたら…… 「坂上もニュースを観て、河川敷で発見された遺体は、場所からして滝川である可能性を疑うだろうな。……だとしたら、自分も危ないと思うはずだ」 組に連絡もなく海外へ逃げた事がわかったら、それこそ楓卿組や龍城組の怒りを買って、今度は2つの組織から逃げなければならなくなる。 ……そこまでするだろうか。 「和哉」 思いついた可能性に焦る。 立ち上がり、和哉の肩に手をかけながら言った。 「蔵が桜を連れ出したって、どこへ行ったか聞いてるか?」 「はい、一応……移動のたびに連絡が入ってますが」 「……ったく、なんで俺に直接連絡してこねぇんだっ!」 「……え、あの……龍之介さん?」 肩につかまりながらドアに向かう俺に、和哉は心配そうな視線を注ぎ、松葉杖をよこ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-28
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