「龍之介さん……大丈夫なんですか」松葉杖をついて近づいてくる龍之介に気づいて、桜は慌ててそばに行き肩を貸す。「あ、まぁ…大丈夫だ」近寄って顔を見上げると、厳しく光っていた目が穏やかになるのを感じた。「……何しに来た」「あ……?聞いてねぇのか?人混みは危険だ」「あの……伝えました。今から向かうと」蔵之介の不機嫌な問いかけに、龍之介が不機嫌に答え、和哉が慌ててつけ足すという、不穏な雰囲気。「今日は蔵之介さんが誘ってくれたんです。……龍之介さんが怪我をしたのに不謹慎ですけど、気分転換に動物園と言われて、つい来てしまいました」「龍之介には麗香が付ききりだったろ?……可哀想だと思わないわけ?」私の説明に、蔵之介がボソボソつけ足し、龍之介の視線が下がった。「……だとしても、人混みは危険だろ。映画館を忘れたのか」龍之介の言葉に、桜が賛成した。「そうですね。あの……帰りましょう。カバの楽園はもう見終わったし」「いや、今日は俺1人じゃないから平気だろ。……和哉、車椅子持ってこい」言いつけられて和哉が飛んでいき、用意された車椅子におとなしく龍之介が座った。「……俺、押しますので!」「……おいっ!」和哉の手を払った龍之介の視線が、桜に飛んできた。「はい、私が……押します」両脇を和哉と蔵之介に守られ、園内を回ることになった。初めに目に入ったのは、アフリカ象の檻。「……わぁ、大きいっ、象……象ですよ?龍之介さんッ」「……あぁ、象だな。象……うん、象だ」耳をバタバタさせる姿に、ノシノシと歩く姿にはしゃぐ桜。龍之介が普段見せない優しい目を向ける。「……子供の頃、クラスメイトが家族で動物園に行った話をしてて、すごく羨ましかったんです。私も行ってみたいって思ってました!」象の檻の隣には、シマウマ、そして……「……き、キリンです!キリンが……!」 車椅子を押すのも忘れ、動物の檻に走っていく桜。長い首を見上げる姿は子供のようだ。「……エサ、やってみる?」蔵之介の提案に振り向く桜の目は輝いている。そんな彼女を、龍之介と和哉はうっとりした目で見つめた。その後も、ライオン、トラ、ゴリラの檻の前に貼り付き、熱心にスタッフの説明を聞いた。……気づけば、昼の時間がとうに過ぎている。「桜、お前も何か食べないと、歩けなくなるぞ?」「そうですね、皆さん…
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-04-29 อ่านเพิ่มเติม