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70.あいつらの行方は……

Autor: 桜立風
last update Fecha de publicación: 2026-04-28 11:07:31

「……やめろっ!」

いやらしく触る手に虫酸が走る……

力任せに麗香の手を払い、シャワーの栓をひねった。

「……は、恥ずかしいの?ちゃんと、反応しはじめたのに……」

「生理的なもんだ。欲だけで女を抱ける年齢はとっくに過ぎた」

「なによそれ……桜ちゃんじゃないと満足できないっていうの?」

こんな場面で桜の名前を出すのも嫌だった。

「悪いが、俺はお前を抱けない。お前はいつまでも幼なじみで友達って存在だ」

バスタオルで体を拭き、腰に巻いて後ろ向きのまま言う。

「お前は外に恋人でも何でも作れよ。いくらでもいるだろ、お前の気を引きたい男なんて」

……嗚咽が聞こえたような気がしたが、慰めてやることなど、俺にはできない。

そのまま部屋に入った俺に、麗香はもう声をかけてこなかった。

「……確認してきました。遺体は間違いなく滝川正雄。桜さんの父親に間違いありませんでした」

やがて和哉が帰り、報告に来た。

……楓卿組と、あの河川敷辺りを管轄する警察には知り合いがいる。和哉はそこと連絡を取って情報を得たようだ。

「わかった。お疲れさん」

「あと、坂上の行方なんですが……」

「あぁ、ついでに探ってくれたのか」
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Comentarios (1)
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yuu
麗香さんのこともあり、どうなるかと思えば…笑いが止まらない。和也は龍之介が大好きなの? カバの楽園で目に映ったのは龍之介が嫉妬してしうようなシチュエーション? 楽しそうだけど気は抜けないよね…坂上は来るかな。
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  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   70.あいつらの行方は……

    「……やめろっ!」いやらしく触る手に虫酸が走る……力任せに麗香の手を払い、シャワーの栓をひねった。「……は、恥ずかしいの?ちゃんと、反応しはじめたのに……」「生理的なもんだ。欲だけで女を抱ける年齢はとっくに過ぎた」「なによそれ……桜ちゃんじゃないと満足できないっていうの?」こんな場面で桜の名前を出すのも嫌だった。「悪いが、俺はお前を抱けない。お前はいつまでも幼なじみで友達って存在だ」バスタオルで体を拭き、腰に巻いて後ろ向きのまま言う。「お前は外に恋人でも何でも作れよ。いくらでもいるだろ、お前の気を引きたい男なんて」……嗚咽が聞こえたような気がしたが、慰めてやることなど、俺にはできない。そのまま部屋に入った俺に、麗香はもう声をかけてこなかった。「……確認してきました。遺体は間違いなく滝川正雄。桜さんの父親に間違いありませんでした」やがて和哉が帰り、報告に来た。……楓卿組と、あの河川敷辺りを管轄する警察には知り合いがいる。和哉はそこと連絡を取って情報を得たようだ。「わかった。お疲れさん」「あと、坂上の行方なんですが……」「あぁ、ついでに探ってくれたのか」「はい、それによると……桜さんに接触した後の痕跡がまったく消えてしまったようで、もしかしたら海外逃亡の可能性もあるってことでした」「……海外」確かにそれも視野に入れるようだとは思っていた。だが、もしまだ日本にいるとしたら……「坂上もニュースを観て、河川敷で発見された遺体は、場所からして滝川である可能性を疑うだろうな。……だとしたら、自分も危ないと思うはずだ」組に連絡もなく海外へ逃げた事がわかったら、それこそ楓卿組や龍城組の怒りを買って、今度は2つの組織から逃げなければならなくなる。……そこまでするだろうか。「和哉」思いついた可能性に焦る。立ち上がり、和哉の肩に手をかけながら言った。「蔵が桜を連れ出したって、どこへ行ったか聞いてるか?」「はい、一応……移動のたびに連絡が入ってますが」「……ったく、なんで俺に直接連絡してこねぇんだっ!」「……え、あの……龍之介さん?」肩につかまりながらドアに向かう俺に、和哉は心配そうな視線を注ぎ、松葉杖をよこした。「行くぞ。あいつらが行ったところへ車を出せ」滝川が死のうと、坂上は桜を追うはずだ。桜を差し出しせば、滝川の借金は

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    「何しやがんだぁ…っっ!」和哉が足元に広がる血に気づき、ナイフを奪って父親に振りかざす。龍之介は組長の胸ぐらをつかみ、そのこめかみに銃口を当てた。「……悪いことは言わねぇ。坂上を出せ」「そ、それは……」さすがにチャカが出てくるとは思わなかったのだろう。組長は途端にブルブルと震え出した。……それもそのはずだ。俺に拳銃を持たせれば躊躇なく撃ち、しかも急所は絶対に外さず、確実に命を取るから。「……少し急所をはずやしてやろうか、その方がずっと苦しむもんなぁ」こめかみの銃口をわざとチラチラ動かしてやれば、男たちも手出しできずに固まった。「……い、今はうちで仕切ってる店を転々としてる。か、帰らない時もあるが、来たらすぐに……すぐに、連絡する」気づけば組長のデスクと足元には、血溜まりが出来ている。龍之介はデスクの血溜まりに自分の手のひらをバンッとついて、組長を見上げた。「……あの男を俺に差し出すだけだ。簡単だよな?」裏切ったらその報復に来るということ。龍之介の血が飛び散って汚れた顔を何度も縦に振り、組長は後ずさった。「仕留めなかったのか」車に乗ってから和哉に尋ねた。「はい。あんな状態じゃ、すぐにその辺に捨てられるでしょう。どのみち命は終わります」震え上がる組長を尻目に、事務所を出ようとして、自分と同じように足を刺された父親が悶え苦しんでいるのを見た。「なるほど、いい判断だな」坂上の行方がわからなかったのが心残りだが……刺された手のひらと太ももをきつく布で巻かれ、龍之介と男たちは屋敷に帰宅した。「……龍之介っ!!」屋敷に入ったとたん、飛び出してきたのは麗香。「怪我……刺されたの?ねぇ、手のひらって……どういう状態?!」「あぁ……たいしたことねぇよ」血に染まった布を見て心配してくれるのはありがたいが……俺の目は先に、桜の姿を探してしまう。「……龍之介さん、おかえりなさいませ」玄関の正面にある大きな階段。その踊り場に現れた桜に、近づこうと歩みを進めようとして……「だめよ龍之介。動いたら、傷に触るわ」妙にキッパリと、怪我をしていない方の腕を引っ張る麗香。「……うるせぇよ」力任せに腕を引く俺に、燃えるような目を向けてきた。こいつは本当に、いつからこんな女になったんだ……「和哉、肩を貸せ」やり取りを階段で見ている桜に、支え

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  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   67.Side麗香

    自分の中に巣食う女という性に、最近の私は恐れおののいている……桜が坂上に怪我をさせられたのは、自分に責任がないわけじゃないのに…見たこと無いような優しい表情を浮かべて、毎日飽きもせず桜を見舞う龍之介を見ていたら、意地悪したくなった。『お花、気付いた?』彼女を見舞おうと思ったのは本当。直前まで、励ますような明るい色のフラワーアレンジメントを頼もうと思っていた。なのに直前になって、私が選んだのは、鉢植えのミニバラ。「はい。麗香さんが持ってきてくれたんですね?ありがとうございます。……すごく綺麗です」『よかった!枕元に飾ってね』育った環境が複雑だから、鉢植えの花が見舞いには不適切だと知らないのかと思った。でも多分、桜は知っている。理由は、お礼を言った後についた、静かなため息。送ったこちらの不手際を決して感じさせないようにしているとわかった。そういう気遣いができるところが、きっと龍之介は好きなんだろう。そう思ったら、意地悪な言葉が、矢継ぎ早に私の口から放たれた。避けもせず、矢に打たれる桜。携帯越しにも想像てきる。その姿はさぞ……美しいのだろうと。「龍之介、戻ったの?」「……あぁ」それから、龍之介が部屋に戻るのは確実に早くなった。……けれどそれだけ。結婚式の話はもちろん、櫻川の事も、何も聞いてくれない。おかえりもおやすみもなく、龍之介は部屋に入って鍵を閉める……そして出かける瞬間まで彼は出てこない。それぞれの部屋の間にある広いリビングはどんどん冷え切って、使わないキッチンはホコリをかぶり、やがて錆びついていくのだ。私と、龍之介の関係もきっと……結婚したって何も変わらない。いや、もっと冷たくなるかもしれない。桜の気配が消えた屋敷で、龍之介は悲しみを秘めながら、しがらみを切る策を練るんだ。そんなしがらみの中心は私。子供の頃からの思い出や繋がりも容赦なく切り刻まれる。……そして捨てられる。そんな未来を選ぶなんて……私は、狂っているのかもしれない。「……龍之介、起きてたの」翌日、櫻川から帰ってみると、珍しく明かりが灯るリビングに驚いた。「あぁ、風呂入ってからでいいから、ちょっといいか?」「あ……うん、もちろん」まさか……龍之介の瞳の奥に、感じたことのない炎が灯って見えた気がする。それがどういうことを意味するのか、私だっ

  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   66.絡み合う3人の想い

    「俺も、お前に待っていてくれとは言わねぇよ」怪我をしていない方の腕を押さえ、胸元のタオルをそっと滑らせながら、龍之介が言う。「桜は自由だ。俺と会えなくなって……お前にどんな出会いがあるかわからねぇ。本音を言えばそんな時出会いはぶっ潰したいが、そういうわけにはいかねぇよな」「そう……ですね」「ハッキリ言うねぇ……」龍之介はわずかに目を見開き、イタズラっぽい微笑を浮かべた。そして少しだけ機嫌を損ねたのか、胸先をつまむようにして、タオルを外した。瞬間、柔い刺激に身をよじる。「ちょ…っと!なにするんですか?」「ふん、肯定されると気に入らねぇや」子供みたいな表情を見せる龍之介に、桜も子供っぽい笑顔を返した。本音では……決して望んでやしない。龍之介と会えなくなること、そして新しい出会いなんてものも。言葉が途切れ、龍之介は自然と桜から目をそらした。桜はその隙に、拭いてもらった胸元に下着をつける。「……ただし、忘れんなよ」Tシャツを手に取った桜から、自然とそれを奪い取り、着せながら続ける。「俺はしつこいぞ。それに一途で、惚れた女にはめっぽう弱い」「はい。それは……わかる気がします」百合さんと同じように、私も愛されたということだろうか。……だとしたら、とても嬉しい。「桜……」目を伏せた思いが伝わったかのように、龍之介は桜の両頬に手を当てる。「俺の最愛は……お前だ」真剣なまなざしが、これ以上ない愛を伝えてくれる。その深く強い思いに触れ、桜の目元は呆気なく涙で濡れた。「もう一度……お前の人生の中に俺が現れたら、考えてくれるか。一緒に、生きていくかどうかを」運命を引き受け、私を手放す覚悟をしたという……これは、別れの言葉なのかもしれない。「はい。……会えなくなっても、私の愛は消えません。だって……」泣いてはいけないと思うのに、どうしても溢れる涙を止められない。気を緩めれば、嗚咽に変わってしまう、号泣してしまう……その前にどうしても伝えたい。「だって、あなたに代わる人はいないもの……」桜…、と低い声で名前を呼ぶ声が、揺れているように聞こえた。怪我を気遣って、優しく抱き寄せる腕の中は、どうしょうもなく安心するのに。私たちの時間は、間もなく終わるのだと……実感した。『また怪我をしたって聞いたわ。大したことはないみたいだけど、どうか

  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   65.怪我をした桜

    「出血は派手だが、何針か縫って、化膿止め飲んどきゃ大丈夫だろ」「……容態急変、なんてことはねぇだろうな、ヤブ医者」「はっ、今まで1回でもそんなミスをしたことがあったか?」冗談はおととい言え、と、桜にはよくわからない捨て台詞を吐いて、医者は部屋から出ていった。「……おいこら、待てや、」2人きりになり、瞬間的に龍之介と目が合うと、見る見る間に頬を染めた龍之介が医者を追ってゆく。なぜ赤面……?まさか私と2人きりになって照れくさいとか?消毒薬の匂いが漂う部屋に残されて、桜も頬を染めて、ベッドに横になろうと体をずらした。……が、処置の後でうまく横になれない。「……あ、大丈夫かよ」ノックもなく蔵之介が入ってきて驚いた。文句を言う間もなく手を貸してくれたので、甘えてしまうことにする。「あの……坂上さんの行方はわかったんですか?」切りつけられた時、坂上の声だったことは伝えてある。「あぁ。潜伏先を次々に変えてるらしくてな、探り当てた時には移動した後、ってのを繰り返してて、今回も同じなんだよな」「……それでもそろそろ、八方塞がりのはずだ」同じく、ノックもせず龍之介が入ってきて言う。「追い詰められてるのを感じるからこそ、蔵之介がいるにも関わらず、桜に接触したってことだろうよ」「……まぁ、俺もそう考えてたけど。……って、なんだよ?!」桜のベッドに寄り添うように座る蔵之介を蹴散らかし、代わりにそばに座る龍之介。「だからあのマンションは危険だ。怪我のこともあるし、桜はここに戻ってこい」「……はい」素直に言うことを聞くと思っていなかった龍之介は、やや面食らいながらも、怪我をしていない方の手を取る。「坂上は、松白屋の専務がやってるボランティア活動の顧問弁護士も引き受けていた。うちみたいな家業とボランティア活動って、言うなれば真逆の団体だ。なのに言われるまま顧問弁護士を引き受けていたということは……」「それは……」「金だな。弁護士としての仕事をまっとうしようとする前に、積まれた金が欲しいって思いが強いんじゃねぇか」まぁ、奴の背景は知らんが……と言いながら、龍之介の大きな手が頭からするりと頬までを撫でていく。「今や桜は、奴らにとって高額な金と同様だ。……いろいろあって屋敷から出て行けなんて言ったが、ごめんな、やっぱり桜はここにいてくれ」「こちらこ

  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   40.手を離したら…

    こんなに女を離せなくなるとは、自分でも意外だった。桃色に染まる肌に触れて火がついて…無理をさせてはいけないと思いながら、つい抱きしめる。夜が明けて、日が高くなって…届けさせた食事を食べる暇も惜しく、桜に触れていたかった。「…そうだ」それなのに、桜は俺の手をスルリと抜け、ベッドを下りる。「あれ…持ってきたはずなのに…」「…なんだ、どうした?」リビングに置いた自分のバッグを探り、眉を下げる桜。離れた熱が恋しくて、自分から彼女に近づいた。「お金を…返そうと思って」「まだそんなこと言ってるのか…」バッグに入れた細い腕を引き抜き、そのまま後ろから抱きしめる。ソファに座り、膝に桜を

  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   38.初めての夜…

    そんな笑顔が、一瞬で凍りついた。「桜ちゃん…ヤッホ!」背にしたソファから覗く赤い髪…麗香だ。「ごめんね、龍之介に無理を言って、待ってる間だけって…時間をもらったの。ほら、クラブ櫻川のこともあるし、組のことでもいろいろとね」「いえ…忙しいのに、すみませんでした」すぐ後ろにいる龍之介を少し振り返りながら、麗香に頭を下げた。「じゃあ、お前はもう行けよ」「早速邪魔者扱い…?まったく、婚約者のくせに冷たいんだから!」明るい言葉に悪気は感じない。…けれど、少し前ならこんな言い方をしただろうか。桜はそっと麗香の表情を見た。桜に笑顔で手を振り、ドアの外に消えた麗香。「ごめんな。櫻川のNo

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