All Chapters of 殺人容疑をかけられた悪役令嬢: Chapter 21 - Chapter 24

24 Chapters

第21話

 シャノンの決めてくれた通りに、友人の子で聖女に憧れていた設定にする。 葬儀のために喪服を着ると、馬車で神殿に向かう。たくさんの人たちが嘆き悲しんでいた。 貴族だけではなく民までいる。カトリーヌがどれだけ慕われていたのかが分かる。 棺の中心でトリスタンが泣いているのは見えたが、アンナの姿は何処を探してもいなかった。イトコだから来ていてもおかしくないのに。 不思議に思っていると、民や貴族がコソコソと噂話をしているのが聞こえてきた。「聞きました? 聖女様が亡くなったのは、あの悪女・セレスティン公爵令嬢が殺したからですって」「なんて恐ろしい。聖女様に嫉妬して、そこまでやるなんて」「偉大な聖女様がやっと、この国に現れてくれたと思ったのに……なんて罰当たりなことを。早く捕まって死刑にすればいい」 その内容は、カトリーヌを殺したのはセレスティンだというものだった。 いつのまにか、その話題は民にまで流れてしまっている。怒りと悲しみで、口々とセレスティンのことを悪く言っている。 すると、その声を聞いたウィルモットは涙を拭きながら、集まった貴族や民の前に立った。「皆の者、よく聞け。国始まって以来の偉大な聖女が死んだ。その大切な命を奪ったのは、セレスティン・アーノルド公女だ。俺と聖女の仲を嫉妬し、よりにもよって聖女の胸をナイフで刺すという、非道最悪な方法で殺した。それを許していいのだろうか?」 まるで演説をしているかのように大声を張り上げて訴えてくる。 これでは、本当にセレスティンがカトリーヌを殺したように聞こえてくる。しかしウィルモットの言葉は止まらない。「ここに宣言する。セレスティンは今日もって婚約を破棄とする。そして聖女・カトリーヌを殺害した容疑で逮捕すると。あの女はどの方法で脱獄したか分からないが、もし見つけた者や捕まえた者には皇宮から褒美を贈る。聖女のために、協力を頼む」 ウィルモットのかけ声に、特に民たちは賛成の声や拍手があがる。 それを望むようにトリスタンが絶賛されていて、セレスティンはひどくショックを受ける。まるで自分が本当の悪役令嬢……いや、殺人者にされてしまうなんて。 しかも婚約破棄まで。あまりに衝撃が大き過ぎて足元がふらつく。 後ろに倒れそうになるセレスティンを支えてくれたのはレンデルだった。「大丈夫か?」「レンデル……さ
last updateLast Updated : 2026-04-04
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第22話

レンデルは冷静に答えるが、それでもウィルモットは引き下がらない。「それなら何故、こんなガキを連れてくるんだ? 聖女の葬式だぞ? そうでもなくても、皆が悲しんでいるのに」「……だったら、なおさらだろ? この子は俺の母の友人の子だ。聖女が亡くなったと聞いて、会いたいと泣くから連れてきただけだ」 レンデルのフォローにハッとしたセレスティンは、慌てて泣く真似をする。このままでは怪しまれてしまうからだ。「ご、ごめんなさい。だって……せいじょさまにあいたかったんだもん」 必死にしくしくと、本当に泣いているかのように鼻をすすったり、目を手で隠したりする。すると掴んでいた手をレンデル目がけて投げてきた。 レンデルは、そのままキャッチしてくれたが。子供を投げ飛ばすとか信じられないとセレスティンは恐怖を覚えた。「だったら、大人しくしているように見張っとけ。まったく、どいつもこいつも俺に逆らってばかりだな」 ウィルモットは、ブツブツと文句を言ってくるので、何かを探ろうとセレスティンの方から口を開いた。なるべく幼女っぽい言葉づかいで。「ど、どうして、せいじょさまが……しんじゃったの? ママがわるいひとに、ころされたといっていたけど……ほんとう?」 なるべく何も知らないように。 少しでも情報になるヒントが見つかればと思って。 するとウィルモットの顔色が変わる。荒々しい言葉づかいと態度で、「ああ、そうだ。セレスティンという大悪女にな!? あの女は、俺と聖女の仲を嫉妬して殺したんだ。あの女さえ、いなかったら上手く行ったのに。あの女は、生意気で、可愛げがなくて、本当に鬱陶しいだけの」 と、次々とセレスティンの悪口を言いふらしてきた。まるで憎んでいるかのように。 しかし最後まで言い終わる前に、レンデルはウィルモットの頬を殴りつけた。 殴られた衝撃で後ろに倒れ込んだウィルモットを見て、セレスティンは啞然としてしまう。ウィルモットの頬は赤く腫れあがっていた。「き、貴様。皇太子である俺を殴るとは、どういうことだ!?」「仮にもお前の婚約者だった人だろう? よく恥ずかしげもなく彼女を侮辱できるものだな? 恥を知れ」 普段のレンデルと違って、声を荒げて怒ってくれた。だが、そんなレンデルが気に食わないウィルモットはすぐさま立ち上がり、彼の襟を掴んだ。「なんだと!? 貴様こ
last updateLast Updated : 2026-04-04
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第23話

「はぁ~ウィルモット。こんな大勢の人が集まっている中で喧嘩なんて、しないでちょうだい。皇帝になるまでの大事な時期なんだから大人しくしていなさい。それよりもレンデル。皇太子殿下を殴るとは、どういうことですか?」 皇后は呆れたようにため息を吐くと、2人を叱りつけた。しかしセレスティンは、その言葉に引っかかっていた。(皇帝になるまでの大事な時期? 皇帝になれるかもしれないなら、分かるけど。皇后様は息子のウィルモット様を皇帝になれるものだと思っている方ではいるけど……なんだろう? この違和感は) そもそも、まだレンデルがいる。彼がいる以上は、反対抗議の方が多く上がっている。(それを覆す策でもあるのかしら?) その後、なんとか葬儀が終わった。無事に正体に気づかれずに帰宅するための馬車に乗ることが出来たが、セレスティンの心は晴れないままだった。 馬車の中でもずっと沈黙のまま、考え込んでいた。 気になる点がいくつか出てきた。カトリーヌの死体には、首を手で絞め上げられた跡があること。くっきりと残るぐらいの腕力で絞めたのだろう。 それにウィルモットのあの自信に満ちた行動や発言。自信家だったが、めんどくさがり屋で、臆病なところがある彼。そのせいか口だけなところが多かった。 だが今回は、どこか確信を持ったような強気な発言。まるで、自分が皇帝になれると分かっているような。 それは皇后も似たような感じだったが……。 すると向かい側に座っていたレンデルが、フッと私の手を握ってきた。 ハッとするセレスティンに「大丈夫か?」と心配そうに声をかけてくれる。「あっ……大丈夫です。ちょっと、考え事をしていて」「……無理をするな。あんなことを言われた後だ。落ち込むのは無理もない」 どうやらウィルモットの言葉に傷ついたと思ったようだ。(確かに……婚約破棄とか言われたのはショックだったけど) 初めの方は、今まで皇妃になるために死にもの狂いで勉強してきたのに婚約破棄とか犯人扱いされてショックも大きかった。 しかし後半になった頃にはカトリーヌに死の真相があったし、なにより代わりにレンデルが怒ってくれた。 彼がウィルモットを殴った時は、驚いたがスッキリしている自分もいた。それに、そうなることは何となく分かっていたのかもしれない。(私……本当にウィルモット様のことが好きだった
last updateLast Updated : 2026-04-10
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第24話

「私は大丈夫です。それよりも、気になる人が……」 セレスティンはアンナのことを話した。有力の情報を持っている可能性が高い。むしろ現段階では犯人として十分に怪しい。 レンデルも話を聞いて、調べてみようと言ってくれた。 その後、アンナの情報を探る。しかし彼女は、あれ以来部屋に閉じこもったまま一歩も出て来なくなってしまったらしい。 数人のメイドが呼びに来ても、一切ドアを開けないらしい。仕方がなく、食事はドア近くに置いたりしているとか。まるで何かに怯えているかのように。 レンデルは直接話を聞きに行くと言うので、セレスティンも同行することに。 アンナは皇宮付近にあるメイド寮の1人部屋で住んでいる。レンデルがドアをノックして呼びかけるが、一向に出てこない。 本来なら第2皇子が呼んでいるのだから、すぐに開けないといけないのだが。「今回の事件に君は本当に関わり合いがないのか? 何か事情があるなら早く言った方がいい。長引くと罪が重くなるぞ」 ドアを叩きながら、冷たい口調でそう告げるレンデル。するとアンナが泣きながら、何かを訴えてくる。「違う。私は関係ない。あの子は聖女じゃないわ。皇帝を殺した悪魔よ」 アンナが訴えてきた言葉は、衝撃的な内容だった。「何を言っているんだ!? 聖女が皇帝を殺したって」「噓じゃないわ。だって、あの人がそう言ったもん。私のせいじゃない」 レンデルが聞き返してもアンナは、泣きながらそう言い続ける。自分は悪くない、全ては聖女が悪いと。 セレスティンとレンデルは困惑して、お互いに見つめ合う。(どういうこと? カトリーヌが皇帝を殺すわけがないじゃない!? それに……あの人って誰のこと?) あの優しいカトリーヌが皇帝を殺すとは、到底に思えない。そもそも動機がない。「アンナ。ちゃんと教えてくれ。それは、どう意味だ」 しかし、その時だった。騎士やメイドたちが何やら騒ぎ出した。「どうしたんだ!?」 レンデルが近くにいたバタバタしていた騎士を捕まえて尋ねた。「大変です。聖女様が使っていた部屋から毒物が入った小瓶が見つかったそうです」「何だって!?」 今度はカトリーヌの部屋から毒物が入った小瓶が見つかったと、大騒ぎになってしまった。 これでは、カトリーヌが皇帝を殺すつもりだったということになってしまう。「何かの間違いでは?」
last updateLast Updated : 2026-04-10
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