All Chapters of 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない : Chapter 171 - Chapter 180

206 Chapters

五百年のギャップ

 はた迷惑な。  やがて、負けた人族の反感を買ってお尋ね者に。  それで人間嫌いになって逆ギレ。  逆襲された人族は互いに争うのをやめ、団結して反攻。  戦力が拮抗したところで五年もの間膠着。  やがて戦いに疲れた双方がラバナルはこの森を出ないこと、人族は森を侵さないこと、という条件で停戦。  以来、五百年が過ぎたということだ。  なんでこんなところに村があるかと思えば、ここは対ラバナルの最前線基地だったのか……。  建国記にあった、悪の魔法使いと建国王の逸話は史実とされるものよりはるかに暴力的だったわ。  建国王を英雄にみせるための脚色、相当苦労しただろうな。「ほれ、今度はそちらの番じゃ」 ラバナルに促されて、今度は僕が話す番か?「森にこもってからの五百年は?」「特になにもしとらん。しいて言えば、森に侵入する人族に魔法を放っていたくらいじゃ」 …………。「ほれ、さっさと話さんか」「……ラバナルとの戦いで団結した人族はリーダーとなった人物を国王にした王国を作り、領土を拡大していく。その過程で人族同士が戦うわけだけど、必要は発明の母って言ってね。しょっちゅう戦っていると、より強い武器、より硬い防具が欲しくなるわけだ」「ふむふむ」「やがて銅と錫の合金である青銅器ではなく、どこにでも存在していて大量生産できる鉄器の時代になる」「そこが判らんのだ。ともすれば石器より柔らかい純銅はともかく、錫を混ぜて強化した青銅がどうして鉄などという軟弱なものに駆逐されるのじゃ?」 はいはいはい。  オタクゴコロが刺激されますな。「ラバナルの知っている鉄は今、僕たちが使っている鉄とは違うんだ」「なに!? 鉄は鉄じゃろ」「今、僕らが使っているのは鋼と呼ばれる鉄なんだ」 と、オタク知識をひけらかす。
Read more

個別指導による楽しい化学講座歴史篇(え?

 物質には融点(液化する温度)と沸点(気化する温度)というのがある。  金属を加工する場合、融点が一つのポイントになる。  錫でだいたい二三〇度、銅が一〇八五度。  そしてなぜか銅と錫の合金である青銅は八七五度で融ける。  木炭は燃焼温度が一〇〇〇度になるので十分加工できる。「その数字はどうやって決めておるのじゃ?」「あ……うん、とりあえず気にしないで」「気になるじゃろ。普通に」「それは等価交換外です」「うぬ、仕方ない」「で、鉄は一五〇〇度以上にならないと融けないんだけど、実は五〇〇度くらいに熱すると加工できるようになる。これが、ラバナルの知っている鉄だ」 あ、温度は全部「約」だよ。「この鉄をガンガン叩くと火花が散る」「うむ」「この火花、実は不純物でね」「不純物?」「鉄以外のもの」「なるほど、不純物を叩き出すと純鉄になるわけじゃの?」「純鉄は実は青銅とそんなに硬さが違わないんだけど、適度に炭素が混ざっていると青銅の倍ほども硬くなる。これを人族は鋼と呼んでいる」 うーん……前世の単語と科学知識がドバドバ入っているけど、これは理解できてるのでしょうか?  ちなみにこれは前世で現代に入ってからの化学知識てあって、この世界の現代人は経験的にこうすればこうなると理解しているに過ぎない。「理解できん単語がいくつかあるが、つまりはちゃんとした鉄の加工技術を手に入れたということじゃな」 さすがは魔法使い。  地頭がよろしいようで。「で?」 で?「続きじゃよ」 ああ。  いいでしょう。  僕たちの置かれている現状まで一気に話してあげようじゃないか。
Read more

俗物がっ!

「おもしろい!」 これまでの経緯を一通り話し終えた時、ラバナルが言った言葉だ。「ナルフも長命な種族とはいえ定命の生き物じゃ。ワシの寿命もそれになぞらえれば後百年ほど。枯れゆく余生を楽しむのもよいかと思うておったが、人種の世界がまた面白くなっていると聞けばダークナルフの血が滾るわい。ジャンとやら、わしの知識欲を満足させろ。さすればそなたの望みを叶えてやる。等価交換じゃ!」 ラバナルが森の主になる経緯を聞くと一抹の不安を覚えるわけだけど、魔法使いをゲットできるのは願っても無い好機なんだよな。「判った。こちらこそよろしくお願いします」「早速じゃが、石の弾丸が弾かれたのが悔しくてのぅ。どうにかならんか?」 俗物がっ!  と、某女性指導者の言葉が頭に浮かぶ。「僕に魔法は使えませんよ?」「使えんでもなにか考えつかんか?」 と、せっつかれて困っていると、護衛兼世界情勢補足役のオギンが助け舟を出してくれた。「現代では石の代わりに鉄の弾を飛ばしていますよ」「ほぅ! なるほど、鉄の加工技術が確立しておるのじゃったな。青銅は稀少であったから弾にするのがもったいなかったが、鉄ならそこら中にあるでな。そうかそうか」 と、一人で納得している。  ちょっと疎外感があるから無理やり加わってやる。「ところでその魔法はどのような魔法なんです?」「なに、原理は簡単じゃよ。こう……」 と、床に転がっている小石を拾うと、それを乗せた左手に右手でなにかをなぞり始めた。  お湯を沸かした時にもやってた、魔方陣だ。(「印」って言って呪いの一種よ) と、リリムが解説してくれる。「……魔法の力を加えて飛ばすだけじゃ」 と、ラバナルがいうと小石が飛んでいく。  これ、銃のように打ち出すわけじゃないんだし、射出速度を上げれば石でも砕けず飛んで鎧の装甲くらい貫けるんじゃね?「この石を鉄の玉に変えるだけか。ふむふむ……石と鉄で
Read more

アメリカと交渉する日本の気分ってこんな感じ?

「ラバナル」「なんじゃ?」「協力するとして、この先もここに住むつもりなのかな?」「おお、そうじゃの。ジャンのようなものばかりなら町に行ってやってもよいが、ワシは愚か者は嫌いじゃ。普段はここで過ごすのがよかろうて」 確かにその方が双方にとって穏便かもしれない。「じゃが、お前と交流せねばワシの望みが叶わん。さて、どうしたものかの」「では、十日に一度、お館様がここにお伺いになればよいのでは?」 オギンも町へ入れて、いらない騒動を起こすことを警戒しているのだろう。  それにしたって、僕がかよ。「十日? 十日じゃ長い。長すぎる。三日に一度来い」 おい!「それでは、町の経営が滞る」「それはそれで困るの。仕方ない。五日に一度で手を打とう」 手を打つのはこっちの方なんだけど……どうも調子狂うな。「では、五日後に改めてお伺いしますが、迎えに来ていただかないと森に迷ってしまうんですけど……」「迎えを出す」 出す?  てことはラバナルが来るんじゃないってことか。「判りました。では、今日はこの辺で」「おお、見送りを出そう」 と、ラバナルが中空に印を結ぶ。  石の弾丸より複雑で精緻なようで、タクトのようなもので結んでいる。  あれはいわゆる魔法の杖ってやつだな。 結ばれた印は淡い赤に発光して小鳥を生み出す。  ん?  召喚か?(創造よ。命があるわけじゃないけどね)(ゴーレムみたいなもん?)(そんなとこ)「そうじゃ、今まで通りお前さん以外が森を侵したら容赦せんぞ」 え?「あ、僕に同行する分にはいいですよね」「ふむ、必要なこともあろうな。ただし、一度に三人までじゃ」「僕以外に?」「ん? まぁ、それでよかろう」 むーん……対等な交渉ができなかった。  政治は清濁合わせ
Read more

歴史オタクのアンテナに

 結局一晩布団の上でウンウン唸って考えましたよ。  翌日、午前の仕事が一段落する昼に集会を開く。  話したのは、主がダークナルフの魔法使いだったと言うこと。  残念ながら三人は亡くなっていたこと。  謝罪のかわりに(と嘘をついて)村の防衛に協力してくれること。  引き続き森は主の領域なので立ち入り禁止であること。  だ。  もちろん、町人それぞれ思うところがあるだろう。  当然、遺族は納得いってない。  しかし、そもそも森は過去五百年もの長きにわたり主の領域であり、村の生き残りとして何度も何度も、それこそ最近は毎日のように「侵すべからず」と通達し、口を酸っぱくしていってきたのに守らなかったことは棚にあげるべきじゃない。  人数が多くなれば、ルールを守らない……いや、積極的に破るやつも出てくるのは覚悟していた。  けれど、大目に見られることと絶対に許されないことは明確に存在してるんだ。  それをわきまえてくれと言うことをこの際強く強く、はっきりと言わせてもらった。  亡くなった三人が、僕に対して快く思っていない男たちだったのは知っている。  だからと言って殺されてザマァみろだなんて思っているわけないだろ。  小さな町で頻繁に顔を合わせていた仲間だぞ。  あたら若い命が、ほんの出来心で命を散らすなんてもったいないじゃないか。「なかなか熱の入った演説でしたね」 モヤモヤしてたので、気分転換に放牧地で家畜の世話をしていたら、声をかけられた。  えーと……誰だっけ?「ありがとう」「オレ、この町に来た時いきなりギランって人に目ぇつけられてたんですけどね」 右も左も分からない転入者に対するキャッチやってんのか、反お館派は。「演説聞いてたらお館様ってそんなに悪い人じゃないと思えるようになってきました」 ……ありがとうっ!  ──てか、やっぱ所詮学のない田舎もんじゃ程度が知れているってことだな。  村内の政治なら単純な腕力を背景にした発言力とかでどうとでもなったかも知
Read more

戦闘と食糧

「それならまともな射撃戦ができそうですね」 と、ザイーダが言う。 イラードはやっぱり少し気に入らないようだけど、なんだ、フェミニスト的観点なのか? それとも、女は銃後派なのかね?「ズラカルト男爵の春現在の現有戦力は大体三百人。最大動員数六百人と見られています」 と、オギン。 そんなに?「だが、それは領内全体の話だ。他領との領境に守備兵は必要だろう」「ここを単なる田舎村と侮っているだろうし、せいぜい二、三十人で威嚇すれば大人しくなるくらいに思っているだろ」 カイジョーの意見にジョーが同意する。「違いない。お貴族様は外聞もお気になされる。村相手に初手から全力なんてなさらねぇよ」 敬語風だけど、見下した感満載な言動だな。「緒戦は戦闘にもならねぇ。二度目も十中八九勝てるだろう。問題は本気で攻めてくる三戦目だな」 僕もそう思う。 収穫後、徴税にくる役人(たぶんオルバックJr.)を追い返すのがこちらの初手だ。 一度取って返したジュニアが手勢を連れて威嚇するのがカイジョーの言う緒戦。 いまだにこちらの人口規模も把握していないぐらいだから、こちらが武装して門から出てくだけで、一戦も交えることなく勝てるだろう。 それを追い散らしたら男爵の軍が動く。 これが実質的緒戦になる。 これが正規兵で二、三十人ってのがジョーの見立てた人数だろう。 で、町の戦力組はその程度なら十中八九勝てると踏んでいる。 この見解はカイジョーだけでなくイラードもオギンも同意見のようで、男爵兵を侮っているわけではなさそうだ。「じゃあ、この件は後日細部を煮詰めるってことで……」 と、僕が締めて午後の議題へと移る。 人口増加によって減り続ける備蓄食料は、秋の収穫分を入れなくても今年中の対男爵戦分残っている計算が立っている。 ただ、戦が長引けば来年の夏を乗り切れるか怪しくなるとルダーが心配している。 開墾中の北側は、今の
Read more

問題は一つ解決すると二つ増える

 ひと汗かいたあと、日が暮れる前に館に戻った僕は、風呂を焚いて湯船につかる。「お館様お戻りですか?」 と声をかけてきたのはクレタだった。「今風呂」 と、声をかけると、風呂場に回ってくる。  いや、おまっ……ちょっと!?「あ、お館様」 僕は口まで湯船に沈めてアソコを隠す。  お前、今年十三歳だろ!  女の子だろ!  僕、今素っ裸で風呂入ってるよね?  ちょっとはそこら辺考えろよ。「相談なんですけどぉ」「……それ、今じゃなきゃダメ? 風呂上がってからじゃダメ?」「あー、じゃあ、待ってます」 ほっ。 …………。「何か?」「『何か?』じゃないよ。ここで待ってたってダメでしょ」 頭の上に「?」並べんじゃないよ。「……上がるまで囲炉裏の間で待ってなさい」「はーい……」 なんでそこ、しぶしぶなん?  クレタが風呂場から遠ざかったのを確認して、僕はあたふたと湯から上がって体を拭き、なんちゃって浴衣をはおって囲炉裏の間へ向かった。「で? 相談って何?」「回覧板の件なんですけど……」 去年あたりから僕は重要事項など通達を回覧板で行なっていた。  識字率の向上は、ただ覚えるんじゃダメで、必要だと思ってもらうためと、向こう三軒両隣、交流を図る目的で始めた。  始めたんだけど、反お館派がちっとも字を覚えてくれないのと、流入人口の増加で識字率は低止まり。  読めない人のためにクレタとカルホに一軒ずつ回ってもらっているため、ちっともご近所さんの交流促進に役立っていない。  その回覧板制度が、うまくいっていないってことだった。  うん、今、クレタには主に子供相手の読み書きの先生をお願いしているんだけど、回覧板回しているとそっちが全然できない状態なのね。  あ・ちなみに紙はまだ生産できていなくて皮紙も貴重品ということで、現在回覧板は本当に
Read more

町議会開会、空転なんかしないよ

 主の森騒ぎのごたごたで延期していたジョーとの首脳会談は、主に会いに行く前日に朝イチで開かれた。  今日は絶対長丁場になる。  出席者は全員覚悟の前である。  ちなみに僕とジョー以外の出席者は前世持ちのルダー。  町の行政を任せているイラード。  軍事を任せるつもりでジョーが連れてきたカイジョー。  明日も僕を護衛して森に同行する予定のオギンの四人。  場所はお館囲炉裏の間。  まずは冒頭、イラードによる町の現状とオギンによる森の主についての報告。  質疑応答も含めて、これだけでたっぷり午前中を使い切った。  昼飯はジョーの執事カーゲ・ストゥラーさん夫妻とザイーダに用意してもらったちょっと豪勢な肉料理。  提供はジョーのキャラバン。  町の家畜はまだ出荷できるほど整備されていない。  そして、食べながら会議の続きだ。  昼食中の議題は男爵対応。  一時間ほどの昼食時間で、ジョーが収穫前にキャラバンを町に戻すことに決まった。  これで町の人口は百三十人を優に越すことになる。  キャラバンはその性格上男性比率が高く、戦闘力の高いものが多い。  現状、地の利以外で男爵に勝てそうなのは一部個人の戦闘力くらいだからね。「秋までふた月あまり。比較的手の空いている今のうちに軍事調練をしたい」 という僕の提案はカイジョーの全面的支持を受け、承認される。  その際、志願の女性弓兵も導入することになった。「最悪、投石兵でいい。白兵戦になったら退却させる」 日本でも古来「飛礫」「印地打ち」と呼ばれ、有効な戦闘手段だった。  ラバナルの石の弾丸は魔法を使った投石と言える。  お手軽安価な武器だ。  野球のように投げても数十シャルは飛ばせるし、投石器を使えば有効射程距離百シャルに届くかもしれない。  女性でも遠くまで投擲できるだろう。  僕の前世の
Read more

戦闘と食糧

「それならまともな射撃戦ができそうですね」 と、ザイーダが言う。  イラードはやっぱり少し気に入らないようだけど、なんだ、フェミニスト的観点なのか?  それとも、女は銃後派なのかね?「ズラカルト男爵の春現在の現有戦力は大体三百人。最大動員数六百人と見られています」 と、オギン。  そんなに?「だが、それは領内全体の話だ。他領との領境に守備兵は必要だろう」「ここを単なる田舎村と侮っているだろうし、せいぜい二、三十人で威嚇すれば大人しくなるくらいに思っているだろ」 カイジョーの意見にジョーが同意する。「違いない。お貴族様は外聞もお気になされる。村相手に初手から全力なんてなさらねぇよ」 敬語風だけど、見下した感満載な言動だな。「緒戦は戦闘にもならねぇ。二度目も十中八九勝てるだろう。問題は本気で攻めてくる三戦目だな」 僕もそう思う。  収穫後、徴税にくる役人(たぶんオルバックJr.)を追い返すのがこちらの初手だ。  一度取って返したジュニアが手勢を連れて威嚇するのがカイジョーの言う緒戦。  いまだにこちらの人口規模も把握していないぐらいだから、こちらが武装して門から出てくだけで、一戦も交えることなく勝てるだろう。  それを追い散らしたら男爵の軍が動く。  これが実質的緒戦になる。  これが正規兵で二、三十人ってのがジョーの見立てた人数だろう。  で、町の戦力組はその程度なら十中八九勝てると踏んでいる。  この見解はカイジョーだけでなくイラードもオギンも同意見のようで、男爵兵を侮っているわけではなさそうだ。「じゃあ、この件は後日細部を煮詰めるってことで……」
Read more

農業大臣

 これは領地経営の問題だ。  その都度、町をあげての防衛戦を余儀なくされる。  食糧生産は継戦能力の根幹だ。  日本は太平洋戦争中、南方戦線でひどい目に遭っている。  ニューギニア戦線など実に死者の九割が餓死という話があるくらいだ。  それを考えていると、籠城戦は町にとってジリ貧の悪手なんじゃないかと思い始めている。  進むも地獄、戻るも地獄とはこのことか。  進んで修羅の道に入るなんて、聞いてないよ!  神様ヘルプ! だよ。 それはいい。 僕は食料生産計画をルダーに一任する案を出す。「そんなに食料生産って重要なのですか?」 と、ピンと来ていないイラードに答えたのは、戦争経験者(ただし前世)のジョーだった。  必要性の詳細な説明をしてくれたんだけど、こりゃもうどう聞いても南方戦線に従軍していた経験談だべ。「当たり前のように食事を支給していただいていましたから、キャラバンではそんなこと全然気にしていませんでした」「嫌ってほど身に染みてるからな。食料だけは儲けを削ってでも確保していた」「俺も小さい頃、ひもじい思いをしたからよく判る。食うもの食ってないと腹に力が入らないんだ」 と、同じく(前世で)戦争体験のあるルダーがいうので、圧倒的に説得力がある。「冬の間に後背地の開墾をしたいところだけど、ここは山間地でもあって雪深い。防衛線の合間合間に開墾ってのは難しいだろうな」「合間は狩猟と雑木林の手入れだな」「ああ、それは俺も気になっていた。貴重な山林資源を村の復興のために随分と利用したんだろ?」 確かに。「牧畜の方は?」「クッカーの卵はもう売ってるだろ。配給するには数揃わないけどな。クッカーの食肉出荷は早くて三ヶ月後。こっちも配給品にするほどの数は無理だ。もっとも、各家庭で飼っているところもあるから、商品としては割に合わないかも。来年にはジップの乳が出荷できるくらいにはなると思う。肉はあと二年先かな?」 クッカーは復興前の僕ん家でも飼ってたからな。
Read more
PREV
1
...
161718192021
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status