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町議会開会、空転なんかしないよ

Auteur: 結城慎二
last update Date de publication: 2026-08-24 18:00:23

 主の森騒ぎのごたごたで延期していたジョーとの首脳会談は、主に会いに行く前日に朝イチで開かれた。

 今日は絶対長丁場になる。

 出席者は全員覚悟の前である。

 ちなみに僕とジョー以外の出席者は前世持ちのルダー。

 町の行政を任せているイラード。

 軍事を任せるつもりでジョーが連れてきたカイジョー。

 明日も僕を護衛して森に同行する予定のオギンの四人。

 場所はお館囲炉裏の間。

 まずは冒頭、イラードによる町の現状とオギンによる森の主ラバナルについての報告。

 質疑応答も含めて、これだけでたっぷり午前中を使い切った。

 昼飯はジョーの執事カーゲ・ストゥラーさん夫妻とザイーダに用意してもらったちょっと豪勢な肉料理。

 提供はジョーのキャラバン。

 町の家畜はまだ出荷できるほど整備されていない。

 そして、食べながら会議の続きだ。

 昼食中の議題は男爵対応。

 一時間ほどの昼食時間で、ジョーが収穫前にキ
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  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    調印を前に

     そうか。  てことは五年くらい前に盗賊に襲われて以降も頻繁にモンスターに襲われてたりするわけだ。  そりゃあ逃げ出したくもなるか。  それにしたって、いくら文明水準的に未熟で人の命が軽いからと言っても、この世界の田舎村は防衛意識低すぎないか?  これじゃまるで日本の中世だべや。  モンスターも存在する世界なんだからもうちょっと改善の余地というか対策があってもいいと思うんだけど。  そんなことを思っているうちにホルス車は村長の家に到着し、村長に迎えられ招かれた家でとどこおりなく手続きが終了してささやかな晩餐へと続く。  ここら辺りは特段語ることもないよな。  コロニーの中心である町がこちらに帰順するのに衛星の一つでしかない村ひとつが抵抗するなんて選択肢はないさ。  翌日午前中に村の様子を視察して町へ戻り、一晩代官館に泊まって第二中の村へ。  こちらも第一中の村ほど荒れてはいなかったけれど、人口流出で寂れた感が拭えなかった。  そして改めてチカマックとの会談が行われた。  五日ぶりの会談は互いに事前折衝をしたルビレルとオギン、少し硬さのあるサイと飄々としたノサウスが同席している。  もちろん、サラも一緒だ。「──双方に異論のないこれらの案件はこのままでよろしいですか?」 街道整備をメインに懸案事項の大半が問題なく合意となった。  まぁ、それほど多岐に渡る議題があったわけじゃない。  そこはそれ、しょせん地方の農村運営だ。「いいでしょう」 僕からの提案が大半だったのもあるし、合意しているんだから異論はない。「では、合意に至っていない議題と懸案事項の話し合いに移りましょう」「難色をしめしているのは再開発の件となんでしたっけ?」 と、すっとぼけて見せるがもちろん事前にルビレルから話は聞いている。  身分と財産保証だ。  この国は封建国家なので当然身分制度があり、国王を頂点にした貴族階級と同等の立場にある聖職者階級、その下に農民階級、自由の民がいる。  自由の民というのはキャラバンを

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    荒廃の現実

     朝、僕らを乗せたホルス車が一台、町を出発する。  御者にチロー、車の中には僕とサラ、そしてサラの世話係カルホ。  護衛としてルビンスとサビーがホルスに騎乗してついている。  前日、先触れとして第一中の村にキャラとホタルが、第二中の村にコチョウとキキョウがそれぞれ出立している。  僕らは前日、町の様子をノサウスに案内されて視察していた。  残してきたルビレルを中心に今日から事前交渉が開始される予定だ。  その間に二つの村を正式に傘下に組み入れるため、僕らは移動中というわけだ。  予定では先に第一中の村へ。  町から村までは半日の距離だ。  第一中の村と第二中の村を直接つなぐ道はないので、明日いったん町に戻ってきて改めて第二中の村へ移動する。  村同士というのはそれほど交流がなく、村の中でほとんどが完結してるということだろう。  最奥の村と言われていた僕の故郷もキャラバンが時折来るくらいで生活用品のほとんどは自給自足だった。  道は決してよくはなくても半日の旅程で着く距離の道中は特になにも起こることはなく、村に到着した。  村はぱっと見でも荒れた感じがする。  規模としては五、六十人規模の村だと思うんだけど空き家も多く、集落人口で四十人くらいじゃないだろうか。  ここでもキャラが出迎えてくれる。  村長の家までの間にキャラに村の現状を尋ねると、「ここは第三中の村同様モンスターに襲われやすいこともあって逃げ出す村人も多かったようです」 との返答。「じゃあ、うちの町にもこの村から移住してきた人、結構いるのか?」 その質問に答えたのはカルホだ。「たしか、アニーちゃんたちがこの村の出身だよ」

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    「なるほど。では、こちらからいくつか質問させてもらいましょうか」「なんでしょう?」「今の王国の現状をどう思っておられますか?」 質問への返答は冷静かつ的確な情報分析の開陳だった。  公式のルートから得られる情報はやっぱり羨ましいほど鮮度が高い。  とは言え、おおむね僕の考えと変わらない。「では、単刀直入にお聞きしますが、オルバックいや、ズラカルト男爵でそのような情勢を乗り切れるとお思いですか?」「……なるほど、危機意識も領土的野心もない男爵では早晩いずれかの勢力に飲み込まれるでしょうな。しかし、田舎の農村にそのような政治的情勢など無関係ではありませんかな?」 ……判ってないのは所詮支配階級ってことなのか?  ちょっとムカつく。  僕は感情的になるのを抑えるためにゆっくりと二度呼吸し、意識的に話すスピードを抑えて説明をする。  徴税のこと、徴兵のこと。  いずれ戦果が無辜の民に及ぶことを。「──という分析のもと、自己決定権の確立を目指してまずはオグマリー区を支配下に収め、独立を宣言する所存です」「はぁ、まあすでに独立宣言はなされているも同様ですが、あなたの考え方は理解できました。オルバック家現当主はまだ有能な方ですが、次期当主のご子息は臣下の身でいうのもはばかりながら大変残念なお方です。キンショー殿はそれを憂慮し先々をかんがみてあなたの提案を受け入れたのでしょう。いえ、私もこの件は悪くないご提案だと思っていました。ただ……」 と、長い間を取って僕を正面から見据える。「あなたの野心がどれほどなのか? どれほど先を考えての行動なのか。反旗を翻す以上、それなりの勝算を担保したくてね」「で? どちらを勝ち馬と見ましたか?」「そうですね、男爵までは届くんじゃありませんか? 少なくともオグマリー区制圧の勝ち筋は見えているのでしょう?」 よし!

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    「で、僕のステータスはどうやったら確認できるの?」「なにそれ、美味しいの?」 え?「うそうそ、そんな便利機能現実世界にあるわけないじゃない」 だよねー。「数値が知りたいなら体力測定とかIQ検査でもしてみる?」「それって実際あてになるの?」「参考程度には」 だめじゃん、そんなの。「まぁまぁ。ホラ、そろそろ準備始めなきゃまた木の上で寝ることになるよ」 リリムに言われて気がついた。  お日様がだいぶ西に傾いているらしく、僕の影

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    「じゃあ次は概要ね」 と、リリムは言う。「世界の概要は現世の知識があるから割愛ね」 あらま。「あなたは転生の際にDNAってやつに細工されていてね、神様曰く人よりちょっと優秀になってるそうよ」 え? ちょっと?「そこはとても優秀になってんじゃないの? テンプレ的に」「いくら世界に干渉できる環境にある神様だってそんなことホイホイしたら世の中のバランスが狂っちゃうでしょう?」「異世界転生は世界のバランスを崩さないのか?」「崩すわよ。それなりに。そもそも

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    さゔぁいぶ-後篇-

     村に戻った僕は村人の埋葬をする。  人の死には慣れている。  現世の僕が、だけど。  この世界は前世の世界と違って文明水準が高くない。  当然医療水準も高くない。  田舎だからってのはあるかもしれない。  大きな街はもしかしたらすごく発展しているのかもしれない。  魔法のある世界だから、当然治癒魔法もあるはずだ。  でもそれがどれくらいの効果があるかもわからない。  だからこの村はよく人が死んだ。  子供は特によく死んだ。  僕にも姉と妹がいたらしい。  妹の方はかす

  • 僕だってチートがあれば苦労なんてしていない    さゔぁいぶ-前篇-

     僕は十五歳の朝を木の枝の上で迎えた。  この世界の元服、つまり成人の儀式が行われる日だ。  確かに一生忘れられない日にはなったけど……切ない。  あまりにも切ない。  秋とはいえ、昼頃になればそれなりに暖かくなる。  今日は天気もいいので昼頃にはむしろ汗ばむほどの陽気になった。  慎重にあたりの気配を確認しつつ、木から降り集落に戻ると、まだプスプスとくすぶっている焼け跡の中を歩く。  あたり一面、嫌な臭いが立ち込めているのは、村人の焼けた臭いだろう。  昨日から何も食べてないのに込み上げてくる胃液を吐き出し

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