今日のウィリアム様との予定はシャロン公爵邸内にあるガラスドームの園庭を共に散策する、というものだった。「やぁ、レイラ」今日も今日とて嫌々ウィリアム様の前に現れた私に、ウィリアム様はとても嬉しそうに柔らかく微笑む。…本当に意味がわからない。私のことが嫌いなはずなのにどうしてそんな顔ができるのだろうか。「こんにちは、ウィリアム様」「こんにちは、レイラ。今日は散策にうってつけの日だね」「そうですね」ウィリアム様がガラス越しの空にほんの少しだけ視線を向けたので、私も同じように空に視線を向ける。ここは園庭とはいえ、ガラスドームの中なので、外の天気の影響を一切受けない。外がどんなに寒くてもここだけは暖かいのだ。しかし温度の影響は受けないが、美しさについては違った。晴れている方が、ドーム内に太陽の光が降り注ぎ、ここをより一層美しく輝かせるのだ。今日の天気は晴れだった。園庭を輝かせる太陽の光が降り注ぐ今日はウィリアム様の言う通り、散策するにはうってつけの日なのだ。簡単な挨拶を済ませた私たちはいつものように他愛のない会話をしながら、散策を始めた。「今日のスタイリングも全部セオドアが?」「はい、そうです」「ふふ、相変わらず仲のいい姉弟だね」「…まぁ、はい。たった1人の弟ですし」「でも実際に血は繋がっていないよね?」「…私とはそうですね」クスクスとどこか楽しそうに笑うウィリアム様に気まずくて曖昧な返事をしてしまう。ウィリアム様はこうしてたまにレイラ様としてではなく、私を私として扱う時がある。そしてここにいる私はいつでもレイラ様だったので、その度に私は戸惑った。苦笑いを浮かべる私と優しい微笑みを浮かべるウィリアム様。表向きは一応、にこやかな私たちだが、もちろん私の心はにこやかなものではなかった。ウィリアム様はいつも何かしらの嫌がらせを突然してくる。今日も私に何をしてくるかわからない。警戒するに越したことはない。「レイラ、こっち」心の中でウィリアム様のことをずっと警戒していると、ウィリアム様はそんな私の手を引き、狭い木々の隙間を歩き始めた。ウィリアム様が進む方向には人1人分のスペースしかなく、複雑に変わる方向によって、自分が今歩いてきた道でさえもよくわからなくなる。そんな道なき道をウィリアム様と歩き続けること数分。突然、私た
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