「新メンバーの歓迎会をしよう」 研究会へ到着し、先に待っていた香月先輩から発せられたのは、そんな言葉だった。 見ると中央のテーブル上には、ペットボトル飲料やお菓子の類が並んでいた。 香月先輩が用意してくれたようだ。 お菓子類に目を輝かせた朝山先輩と神崎は、我先にと席へ着くと、好みのお菓子について談義を始めた。 香月先輩が俺を呼び出したのには、こういう理由があったらしい。 今日は研究活動ではなく、親睦を深めることが目的のようだ。 二人に続き、俺も席へと腰かける。 なんとなく、定位置というものが既に決まっているようだった。 俺の向かいに香月先輩、左手側に神崎、右手側に朝山先輩という形だった。「各自好きな飲み物は手に取ったかな? ではでは、岩倉君と怜菜の入会を祝して、乾杯といこう」 香月先輩の音頭に合わせ、四人でペットボトルを合わせる。 それが、歓迎会はじまりの合図となった。「あ、これ春季限定のやつだー。食べてみたかったんだよねー」「それ、私も気になってました」「おー、じゃあ二袋あるから二人で半分こしよー」「なんだ、二袋しかないのか。それは残念だ」「あ、小夜子も欲しい? じゃあ、はい。あーん」「え? ああ……あ、あーん」「おいし?」「うん……美味いな。だが、その、あーんといのは少し照れるんだが……」 女三人寄れば、姦しいという言葉がある。 その言葉通り、女性陣は和気あいあいとしていた。 大人しいイメージの神崎でさえ、好きなお菓子を前に、いつもよりかはテンションが高く見える。 適当なお菓子をつまみながらそんな事を考えていたら、神崎の目がこちらを向いた。 こいつがこの目をするのは、いつだって唐突だ。 俺の苦手な、あの目。「……何か言いたい事でもあるのか?」「別に。
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