熱い吐息と共に吐かれた言葉は、切実な願いだった。 唇が濡れているのは、私のを舐めたからかな……と思ってしまって、オリヴィアは羞恥に顔が赤くなる。「駄目か?」 悲しそうな瞳にオリヴィアは肯定の意味を込めて瞼を閉じて小さく頷いた。そうすれば、彼の表情はたちまち明るくなって、尻尾と耳が見えそうだ。「少し……寂しいと思っていたんだ」 イアンが呟いた言葉を聞いて、自分と同じ気持ちを抱いていた事が嬉しく感じた。 唇にキスを落とされ、啄むように唇を食まれる。心地良いキスをされて、さっき抱いた寂しさはもう消えていた。 キスはオリヴィアが息を吸うと、イアンも同じように息を吸い、呼吸のタイミングを合わせてくれているようで息苦しさがなかった。(上手くなっているような……?) 初めてのキスより落ち着いていて、がっつくような素振りがない。どちらかと言えば、大人の余裕があるように感じた。(これも……本に……?) と、思いたいけれど……イアンはとてもカッコいい。十七歳の頃は今より筋肉はなかったけれど、顔に幼さがあって可愛かった。今はどうかと言うとガタイが良くて、男らしい顔をしている。彼とデートへ行くと、女性がチラチラとイアンを見ているような気がする。(イアンはモテるんだわ……キスも私が初めてって事ないもの) なんたって、王族だもの。それだけでモテたりするわ……。軍にも女性は居るし……。 ――イアンが童貞と知らないオリヴィアはモヤモヤして、可愛らしいヤキモチを焼いた。(私一筋って言っておきながら、他の女によそ見したのね) イアンからのキスを受けながら、居もしない女性へ嫉妬していると、腰から全身にピリッと電流が流れて、イアンの架空の彼女はオリヴィアの脳内から消えた。 気付けば指は三本に増えていた。
Última actualización : 2026-09-17 Leer más