自分の顔を両手で挟んでオリヴィアは叫び声を上げた。 鏡に映るオリヴィアは六歳の頃のオリヴィアだった。あんぐりと口をあけたまま、夢かと思って自分のお腹を抓ってみたが……痛い。と言ってもさっき顔を強打した時に夢ではないと立証済みである。 「うぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ???」 (好きな人と一つになったら、若返るって効果があるの?) 「こんな姿でイアンにキスしたら、イアンが捕まっちゃうわね……」 「──奥様」と扉をコンコンと叩く音でオリヴィアはピョンと跳ね上がった。慌てて寝台へ戻り、シーツへ潜る。 「叫び声が聞こえましたが、どうされました?」 「エレン……だ、大丈夫、ベッドから寝ぼけて落ちたの!」 メイドのエレンだ。心配そうな声音で扉の前に彼女は立っていた。 「ケガはされていませんか? 救急箱をお持ちしましょうか?」 「だ、大丈夫よ! 痛くないから……!」 と言えばエレンは「しかし……そんな叫び声ではありませんでした」と食い下がらない。 「あ、あ、あの、お腹がちょっとだけ、痛くて」 「ではお腹を温める物をお持ちしましょう」 まずい。 この姿を見られたら、誰か分からずに追い出されてしまう。 「そ、その、痛いって言うのは、病気じゃなくて、その、イアンと、昨夜、あれを、したからなの! あれっていうのは、交わりね!!」 他人に言うとなると恥ずかしく、全身カァーと赤くなってしまう。 「奥様のお身体を考えず激しめにされたんですね?」 信じられない、と軽蔑の声が上がってオリヴィアは心中でイアンに謝罪した。昨夜の彼はとても優しかった。誤解を解こうと口を開いたものの、それを告げるには少々ばかり遅かったようである。 「あんなデカい身体で向かってこられたら、お腹痛いで済む筈ありませんわ。そんな奥様を一人放って置いてお勤めに出て行かれるなんて夫失格です。身を清めるお風呂の準備と医者の手配を致します」 「医者!?」 (大袈裟じゃない!?) ドアの前を去ろうとするエレンをオリヴィアは呼び止めた。この姿でみんなの前に
Última actualización : 2026-09-24 Leer más