きれいに眉を上げたオリヴィア。 イアンはそんなオリヴィアを見つめ──これは夢ではないか、と思った。 イアンはオリヴィアに「愛の告白」をし慣れているものの、言われ慣れてはいない。なんせ、一度たりともオリヴィアから、イアンの告白への答えを貰った事がないからだ。それでも毎日欠かさず伝えていたのは、オリヴィアへの気持ちを信じてもらう為でもある。 虚勢を張って「好きになって貰わなくても構わない」と思っていたものの、奥底では「あわよくば好きになって欲しい」という感情に蓋をして過ごしてきた。そんな男がいざ、オリヴィアから好意を示されると──頭の中がバグった。「あ……アイスクリーム? アップルパイ? 足湯? アイスティー、アーモンド……アーモンド! 五文字だ! アルコール! 五文字!」 イアンは枕を抱いた腕に力を込めた。枕が当初の原型を留めていなくて、オリヴィアはつい枕に視線を向けてしまう。しかし、突然イアンが『あ』のつく単語を大声で連呼したので、ギョッとしてイアンに視線を戻した。「アーモンド! アルコール!」 何故だかすっきりした表情を浮かべるイアンにオリヴィアはただただ呆れ、自分の心の温度が下がって行くのが分かる。 自分を見るオリヴィアの目が徐々に据わって行く事にイアンは知る由もなく「アーモンド」「アルコール」をひたすら連呼していた。「いい加減にして! イアンは毎朝毎晩、私にアーモンドとかアルコールとか言わないでしょ!」 オリヴィアは勢いづけてイアンが腕に抱いていた枕を奪った。イアンは咄嗟の行動に動けず下半身を隠していた枕が取り上げられてしまう。今度はオリヴィアの腕の中へ収まった枕を恨ましそうに目で追った。「私を揶揄っているの?」「か、揶揄ってなんて……ただ、本当にあの言葉なのか信じられなくて」「私を信じないの?」 拗ねた口調で返されてイアンは首を横に振った。 いつだって、オリヴィアを信じている。オリヴィアが言う事は絶対で、彼女が自分に「死」を求めるよ
Última actualización : 2026-08-30 Leer más