――自分より大きな、そして重たいものに潰されるという経験をしたことがある人はそういない。 自慢じゃないけど俺はある。それも二度もだ。 一度目は終電で帰った会社からの帰り道――俺は唯一の日常の癒しだった乙女ゲーアプリへ夢中になっていたときだ。 男なのに乙女ゲーをやっているというのも人に聞かれたくはない話だが、理由があった。 世界観はファンタジー……なのにライブなどのアイドル要素があって、なぜか歌唱力やダンス力が戦闘ステータスにも関わるという奇抜な学園乙女ゲー。 そんなゲームにとある要因でドハマりした俺の視線は、スマホの画面のみに注がれていた。 いや、たぶん、そうじゃなくてもそれは起こったと思う。 ――ぶっとい鉄骨が真上から落ちてきて、俺に直撃したのだ。 建設現場のある道だったから、そこから落ちてきたんだろうなぁ。 なんでそんなことになったのか知らないけど、痛みを感じる余裕もなく即死した俺はそうして現代日本での生を終えることになる。 けれど、俺という存在は終わらなかった。 その次に自分が日本という国で社畜をやっていたと思い出すのは、かなり時間と場所が飛ぶ。 体感時間にしてみれば五年三ヵ月ちょい。しかも場所は別世界……いや、異世界か。 俺は騎士の家で養子として引き取られた少女へと転生していたのだ。愛称をウィナ――【ウィナフレッド・ディカーニカ】として。 そして、五歳のときに両親が仕えている公爵家へを訪れる。 そこで出会った同い年の少女を見て、俺は全てを思い出した。 彼女は【フィロメニア・ノア・ラウィーリア】。 俺が死ぬ直前にプレイしていた。乙女ゲーの悪役令嬢だった。 ◇ ◇ ◇ ――さぁ、二人ともお庭で遊んできなさい。 そう言われて、俺はフィロメニアの遊び相手として連れてこられたのだと察した。 仏
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-24 อ่านเพิ่มเติม