ズキズキと熱を持って脈打つ右手首を、長袖のブラウスの袖口でしっかりと隠し、私は自分の名前が書かれたメイク台の前の椅子に腰を下ろした。 するとすぐに、衣装担当の若い女性スタッフが、ハンガーにかけられた衣装を両手に抱えて小走りで私のもとへとやってきた。 「次はこのドレスに着替えてください」 彼女が朗らかな笑顔と共に差し出してきたのは、次のパーティーシーンで着用するための、淡いブルーのイブニングドレスだった。 シルクのような滑らかな生地と、上品なレースがあしらわれた素晴らしいデザイン。けれど、そのドレスの形状を目にした瞬間、私の全身の血液がサッと冷え切っていくのを感じた。 「これ…」 そのドレスは、肩から腕にかけてのラインを美しく見せるための、ノースリーブのデザインだった。 完全に油断していた。ドラマの舞台は冬だから、当然衣装も長袖だと思っていた。 これに着替えれば、両腕は完全に露出してしまう。私は、自分の右手首を覆い隠している長袖のブラウスの生地を握りしめた。 「どうかされましたか」 手首に痣があるから着られませんなどと言えるはずがない。 私は乾ききった唇を舌で湿らせ、必死に頬の筋肉を引き攣らせて、何でもないことのように首を横に振った。 「いえ」 短くそう答えるのが精一杯だった。私は震える両手を伸ばし、衣装スタッフから逃げるようにしてその淡いブルーのドレスを受け取った。 足取り重く、メイクルームの奥にあるカーテンで仕切られた着替え用のフィッティングスペースへと向かった。 カーテンを引き、一人きりの空間になった瞬間、張り詰めていた息が大きく漏れる。 震える指先でブラウスのボタンを外し、ゆっくりと袖を脱ぐと、痛々しい痣がくっきりと浮かび上がっていた。 「あの
최신 업데이트 : 2026-10-06 더 보기