月を杯に、群山を友に「三浦先生、決めました。先生の薬学研究所に入って、薬学の研究を続けます」
三浦敬一(みうらけいいち)先生は微笑んで言った。「君の旦那さん、あんなに君のことを愛してるのに、君が海外に行って学術研究を続けるのを許すのかい?」
「これは私自身の意志です。彼とは関係ありません」
「そうか。じゃあ、いつ来られる?」
「1週間後です」
「わかった。じゃあ君が来るのを待ってるよ」
「そうだ、三浦先生。先生がこの前開発していた記憶喪失の薬、あれ、まだ治験バイトが足りないんですよね?」
三浦先生の声が急に厳しくなった。「君、それはどういう意味だ?」
「その薬、送ってもらえますか?私が試してみます」