面白いのは、北アイルランドとの違い。ベルファストではユニオニストがオレンジマンのパレードを行うのに対し、ダブリンでは劇団が『The Plough and the Stars』を再演。独立の意味を問い直す機会になります。SNSでは#IrishIndependenceタグで、海外ディアスポラが故郷の写真を共有する光景も。祝い方のバリエーションこそが、この日の真の姿かもしれません。
ダブリンでは政府主催の式典が行われ、学校や公共機関は休日に。一方、セント・パトリックス・デーは宗教的起源を持ちつつ、今では緑の衣装やパレードで祝われる文化的祭典です。『The Wind That Shakes the Barley』のような映画が独立運動の歴史を伝えるように、祝い方も多層的で、パブでの伝統音楽セッションから、ディスカバリー・プログラムによる歴史再発見まで幅広いです。家族でシンボルカラーのトリコロールを飾り、レンズ豆とベーコンのシチューを囲むのも定番ですね。
アイルランド独立と北アイルランド問題は、歴史的に複雑に絡み合ったテーマだ。20世紀初頭のアイルランド独立戦争後、1921年の英愛条約で南部26州がアイルランド自由国として独立したが、北東部6州は英国領に残留した。この分割が現在まで続く対立の根源となっている。
北アイルランドにはプロテスタント系ユニオニスト(英国残留派)とカトリック系ナショナリスト(アイルランド統一派)が混在し、宗教的・政治的アイデンティティの衝突が『血の日曜日』事件のような悲劇を生んだ。1998年のベルファスト合意で和平プロセスが進んだものの、ブレグジット後の国境問題再燃など、解決にはまだ課題が残る。
この問題を理解するには、植民地支配の歴史から現代の文化摩擦まで、多層的な視点が必要だ。『In the Name of the Father』のような映画が描くように、個人の人生にも深い影を落としてきた問題である。