組織の核を理解するには、やはり決定権を握る顔ぶれから押さえるのが手っ取り早い。まず名前がはっきりしている中心人物はケール・ローレンツ(Keel Lorenz)で、彼は
ゼーレの議長格として団体の意思決定を取りまとめる立場にいる。表面上は冷静で学究的、国際的な影響力を持つ人物として描かれていて、『新世紀エヴァンゲリオン』の物語における最重要駆動力の一つだ。彼が最終的な方向性を提示し、秘匿された計画を推進する様子は作品中でも繰り返し描かれている。
次に、議長を支える評議会そのものについて触れておきたい。ゼーレは単独のリーダーだけで動くわけではなく、複数の代表者が集まる狭い評議体として機能する。個別の名前が明確に出ないことが多い彼らだが、資金提供、情報統制、政治的圧力、そして『人類補完計画』の実行方針を巡る合議といった実務を担っている。外部には「黒いモノリス」や仮面のような象徴で示されることが多く、匿名性を保ちながらも深い影響力を行使するのが特徴だ。
現場の具体的役割に関してはさらに層がある。評議会レベルでの意思決定を現実に落とし込むため、ゼーレは工作員や情報担当、科学的監督者を通じてNERVや他の組織に介入する。MAGIやエヴァンゲリオン、死海文書などの資源や知見を用いて計画を進め、時には軍事的手段や秘密兵器の運用にも踏み込む。個人的には、こうした“見えない支配者”たちが舞台裏で歯車を回している構図がいちばんゾクゾクする。彼らの目的は単に権力の掌握にとどまらず、人類の進化や統合といった壮絶なスケールの理想を達成することにあると受け取れる。