炭治郎の旅路に影響を与えた煉獄さんの熱い性格と、冨岡先生のクールな外見とのコントラストが、『鬼滅の刃』のファンフィクションでよく描かれています。特に、煉獄が冨岡をtsugukoとして指導する設定では、尊敬と反発の微妙なバランスから恋愛感情が芽生える展開が興味深いです。二人の過去の傷や使命への忠誠心が、感情を抑圧する要因となり、葛藤を深めます。煉獄の陽気さが冨岡の心を開かせる過程や、逆に冨岡の沈黙が煉獄の不安を掻き立てる描写は、読者を引き込むのに十分な深さがあります。AO3では、『Flame and Water』という作品がこのテーマを巧みに扱い、剣術の稽古を通じた身体的な距離の接近と、心の距離の狭まりを繊細に表現しています。
冨岡義勇を主人公に据えたスローバーンな恋愛ものなら、AO3の『Still Waters Run Deep』が圧倒的におすすめ。'鬼滅の刃'の世界観を残しつつ、彼の無口さと深い感情のギャップが繊細に描かれている。特に、雪の日にヒロインと共有する静かな瞬間から、少しずつ心を開いていく過程がたまらない。鎹鴉の茶々入れ役も絶妙で、重すぎないユーモアが散りばめられている。
最終章近くで彼が刀を置き、畑仕事を手伝い始めるシーンは、戦い以外の生き方を選んだ義勇の成長が滲み出ていて、胸を打つ。作者の水に関するモチーフの使い込みも文学的で、ファンフィクションとは思えない完成度。続編が待ち遠しいほど中毒性がある。