『The Lord of the Rings』的な“長い旅路”のモチーフや、多種多様な種族や職業がパーティを形成する感覚は明確に息づいている。勇者・仲間・導師といった役割分担をあえてぎこちなく描くことで、英雄譚の神聖さが滑稽に転じるのだ。私は往年のファンタジー小説を読みふけった時期があり、その眼で見ると、この作品は“壮大な物語”をわざと縮めたり反転させたりすることで笑いを作っていると感じる。
冒険の設計図という観点から分解してみると、'The Legend of Zelda'的なダンジョン設計とテーブルトークRPGの遊び方が織り込まれているのがわかる。ダンジョンの鍵や仕掛け、アイテムを使って進むパズル要素はゼルダの流儀そのもので、それを舞台のコメディに落とし込むことで手触りの良いパロディになっている。