朱色にはさまざまな表情があって、選び方で印象が大きく変わる。まずは自分がどんな「朱色」を欲しているかを言葉にしてみるといい。鮮やかで華やかな朱、少しオレンジ寄りの柔らかい朱、深みのある臙脂に近い朱など、色味の幅を分けて考えると試着の基準が定まりやすい。
次に生地感と用途を意識する。フォーマルであれば光沢のある正絹、街着や普段着なら木綿やポリエステルでも扱いやすい。柄の入り方も大事で、柄が大きいと存在感が強くなる。帯はあえて渋めの色で引き締めるか、反対に明るい柄で遊ぶかで印象が変わる。
最後に、自分の顔映りと写真写りをチェックしておくことを勧める。自然光と室内光で見え方が変わるので、鏡だけでなくスマホの写真も参考にすると失敗が減る。『源氏物語』の描写のように、布の色が持つ物語性を楽しみながら選ぶと満足度が高いと感じるよ。