略奪愛の末路、さよなら、ゴミ共
結婚して十年目。夫の高木辰哉(たかぎ たつや)と息子の高木陸斗(たかぎ りくと)が私、江口寧々(えぐち ねね)に対してアレルギー反応を起こし始めた。
私がそばに寄るだけで、辰哉は激しくえずき、陸斗は引きつけを起こして痙攣した。
すべてのバス用品を買い替え、一日に十回も体を洗い、肌を血がにじむほどこすり洗いしても、何一つ好転しなかった。
少しでも二人が楽になればと、私は自ら家を出た。
深夜、防護服に身を包んでこっそりと戻り、二人の寝顔をそっと確認する。そんな日々を送るしかなかった。
それなのに、彼らの拒絶反応は日に日に激しさを増していく。
結局、面会は週に一度、わずか三分間だけになった。
私は信じていた。この妥協は一時的なもので、いつか二人が元通りになる日が来ると。
だが出張を控えたある日、忘れ物を取りに家へ戻ると、キャミソール姿で私の寝室から出てくる妹の江口柚葉(えぐち ゆずは)に出くわした。
陸斗は嬉しそうに柚葉に抱きつき、甘えた声を出す。
「柚葉さん、起きたんだね!いつになったら、僕の本当のママになってくれるの?」
辰哉は愛おしそうに陸斗の頭を撫で、ため息をついた。
「焦るなよ。寧々を狂うまで追い詰めれば、あいつは勝手に消えていくさ。
そうすれば俺は財産を守れるし、ずっとお前や柚葉と一緒にいられるからな」