結婚七年、夫が七日間浮気を宣言
結婚して七年目。夫の居安浩史(いやす ひろし)が私に贈った記念日のプレゼントは、離婚届だった。そして、七日後に結婚届を再提出するって。
理由は、彼が会社で自分より七歳年下の女性インターン、外島朝香(そとじま あさか)に目をつけたからだ。
彼は朝香と、わずか七日間だけの「正式な交際」を楽しみたかったのだ。
初日、二人はプライベートシアターを丸ごと貸し切り、入口から座席まで大騒ぎした。
二日目、海辺で花火を打ち上げ、夜空に咲いた光が首都A市の半分を照らした。
五日目、朝香が私の主催した美術展に乱入し、報道陣全員の前で涙ながらに、私が彼女の恋を邪魔したと訴えた。
その晩、【新進女性画家が愛のために不倫した】というニュースが一気にトレンド入りし、コメント欄には18万件もの酷評が殺到した。
六日目、浩史は朝香の代わりに私に謝り、罰として彼女に三日間の買い物禁止を言い渡した。
七日目、ようやく自分の過ちに気づいた浩史は、翌日の復縁を促すために99回も電話をかけてきた。
私は一言「わかった」と答え、助手に荷物の預け入れを指示した。
だが彼は知らない。七日前、私はすでに海外研修の計画を立てていたことを。
――もう、彼の遊びに付き合うつもりはない。