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誕生日ケーキが届いた日、私は離婚を決めた

誕生日ケーキが届いた日、私は離婚を決めた

16歳の誕生日。私は自分へのご褒美に、一番おいしいケーキを買ったんだ。 でもその日、ケーキに手をつける前に、喧嘩ばかりしていた両親は私の目の前で離婚届に判を押した。 だから結婚した日、私は夫の松田宏樹(まつだ ひろき)に、「もし離婚したくなったら、誕生日ケーキを贈ってくれればわかるからね」と言った。 宏樹は私を抱きしめて、「安心して。もう、うちで『誕生日』なんて言葉は二度と出てこないから」と言ってくれた。 7年後、宏樹の誕生日に、若い新入社員が内緒で誕生パーティーを企画した。しかし、宏樹は、彼女の顔をひっぱたいて、会社から追い出してしまった。 あの日、私はこの人を選んで本当に良かったって、心の底から思ったんだ。 そして3ヶ月後、私の誕生日に、追い出されたはずの若い新入社員が、いつの間にか夫の秘書になっているのを、私はその時初めて気づいた。 彼女は、私のところにわざわざ特別な誕生日ケーキを届けてきた。 私が電話で宏樹に問いただすと、彼はただ冷たくこう言った。「遥も良かれと思ってやったことなんだ。水を差すようなことはするなよ」 私は一瞬、言葉を失って、そのまま電話を切った。 やっぱり、両親は間違っていなかったんだ。誕生日ケーキっていうのは、離婚届と一緒に味わうものなんだって、私はやっとわかった。
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月の色が霞んでいく

月の色が霞んでいく

レース中、ヘッドセットから恋人の北村辰朗(きたむら たつろう)がこれまで聞いたことのないほど叫ぶ声が響いた。「減速しろ!左の前輪がバーストする!」 自分ではマシンの調子は良いと感じていたが、小林美月(こばやし みつき)はそれでも彼を信じ、アクセルを緩めた。 次の瞬間、彼の幼なじみである隈元芽依(くまもと めい)が美月にぶつかり、コース外へ弾き飛ばして追い抜き、優勝をさらった。 美月は左耳を失聴し、レーサーとしてのキャリアを絶たれた。 偶然、辰朗が友人と話しているのを耳にした。 そこで美月は、命を落としかねなかったあの事故が彼の計算通りだったと知った。 彼のすべての深い愛情は、芽依のために道を敷くものだったのだ。 「美月は今回は重傷だし、もう二度とサーキットには戻れないだろうな?その人生はおしまいだ」 「俺が彼女と結婚する」 辰朗はこともなげに言った。 「北村夫人の座を補償として与えるさ。北村家が養ってやる」 辰朗の声には、施しのような哀れみが滲んでいた。 「結婚後、貴婦人になった美月は、安心して家にとどまれるさ。そして、良妻賢母として日々を送れば、それで十分だ。そうなれば、芽依のレーサー人生にもう障害はない」 美月は完全に心が砕け、泣きながら父の小林明雄(こばやし あけお)に電話をかけた。 「政略結婚、受け入れるわ」 辰朗、今回は、もうあなたはいらない。
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結婚七年、もう彼を捨てる

結婚七年、もう彼を捨てる

七度目の結婚記念日。私はたった一人で食卓に向かい合っていた。 スマホがふいに光を放った。ロック画面には、未読のメッセージが二件。 一件は夫、遠野圭(とおのけい)から。【今夜は会社で残業だ】と。 もう一件は匿名メッセージで、【圭さん、マジでエグいって。奥様、メンタル大丈夫そ?】と、添付されていたのは、男女が熱くキスを交わす写真だった。 記念日のために用意したケーキの蝋燭を吹き消し、私は気だるく目を閉じた。 【離婚しましょう】そう、彼に送った。
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婚約を先延ばしにした彼氏を捨て、私は大富豪と結婚した

婚約を先延ばしにした彼氏を捨て、私は大富豪と結婚した

10度目の結婚の日取りが決まった翌日、陸川淳一は私を押しのけ、彼の養妹に情熱的なキスを贈った。 舞台から降りてきた野鹿佳織に、彼は真紅のバラを差し出し、耳元で囁くように言った。 「僕のプリンセス。この命は一生、君だけのために捧げるよ」 周囲の歓声が高まる中、私はその輪の外に静かに立っていた。 熱狂する人々の中で、私だけが冷静だった。一瞬たりともその場に留まる理由が見つからず、私は何も言わず背を向け、その場を去った。 5年もの間、期待と失望を繰り返してきたこの婚約。そのすべてに、私はついにこの瞬間、決定的な別れを告げたのだ。
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幼なじみを選んで花嫁を失った男

幼なじみを選んで花嫁を失った男

結婚式当日、恋人は公然と式を放り出し、未婚のまま子どもを妊った幼なじみの出産に立ち会った。 参列者たちの嘲るような視線を浴びながら、私はベールを外し、彼に問いただすため病院へ向かった。 そこで目にしたのは、幼なじみが産んだばかりの赤ん坊を抱きしめ、愛おしそうに見つめる神谷辰也(かみや たつや)の姿だった。 幼なじみの西村彩花(にしむら あやか)がわざとらしく問いかける。 「辰也さん、今日は結婚式でしょ?私の出産に付き添って……藤原結(ふじわら ゆい)が怒ったらどうするの?」 「結婚式なんていつだってやり直せる。でも出産は一度きりだ。病院に一人きりにしておけない。これからは俺がこの子の父親になる。お前たち母子を絶対に誰にも傷つけさせない」 ――後日、私が別の人と式を挙げようとした時、辰也は狂ったように会場へ乱入し、もう一度だけチャンスをくれと縋りついた。
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遥かなる距離、残り愛の温もり

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私が再び産科医として働き始めてから、最初に担当することになった胎児エコーは、自分の夫とその昔の恋人の子どもだった。 資料の配偶者欄には、夫と同じ「三上重人」という名前が記されている。 重人が大城菜月の膨らんだお腹に耳を当て、胎児の心音を聞いている写真を見た瞬間、私の瞳孔は一瞬で縮んだ。 そして菜月の後ろに立つあの子は、紛れもなく幼い頃の私そのものではないか! でもあの時、重人は私の子供が死産だったと言ったはずだ! 「おめでとう、重人さん。菜月さん、妊娠したよね。でもさ、当時君が、結菜は死んだって小栗に嘘ついて、実際は菜月さんに預けたんだろ。今さらどうする気なんすか」 「そのまま育てればいい。三上家は金に困らない」重人の声は淡々としていた。「菜月は昔、祖母を助けるために体を張って、その結果もう妊娠しづらい。だから柚希に産ませた。菜月に子どもを返すために必要だっただけだ」
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将軍の位牌と結婚した後

将軍の位牌と結婚した後

将軍の家に嫁いだ後、私はこの家に誰もいないことを知った。 使用人を除いては。 陰気な祠堂には位牌が並んでいて、執事は低くため息をついた。「男女老若、皆戦場で命を落としました」 私は花嫁を整えながら言った。「それでは......私を迎えたのは、どなたですか?」 その瞬間、ひとつの位牌が倒れた。
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川沿いに降り注ぐ霜如く

川沿いに降り注ぐ霜如く

和真の幼なじみが再び彼の助手席に乗ったとき、私は何も言わず、静かに後部座席へと移動し、彼の親友である景の隣に座った。 車が揺れるたび、私の膝は隣の男の引き締まった太腿に触れた。 わざと離さずにいると、彼も動かなかった。 途中、サービスエリアに立ち寄った際、幼なじみは和真にトイレへ付き添うようせがんだ。 車のドアが閉まった瞬間、景は私のうなじを掴み、唇を重ねてきた。 唇を奪われ、理性が溶けていく中で、ふと頭をよぎる。 男を疑い、男を理解し、男になる。 まさに、真理だ。
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行き過ぎた愛

行き過ぎた愛

朝倉隼人(あさくらはやと)と一緒に同窓会に参加したら、みんなに聞かれた。 「ねえ、結婚はいつなの?」 「まだ決めてない」 「10月1日」 私たちは同時に口を開いた。彼はびっくりしたように顔を上げて、私をじっと見た。目に浮かんでいたのは困惑と苛立ち。 彼の視線を無視して、私は顔をそらしながら真面目に説明した。 「10月1日に結婚するよ。よかったら来てね」 彼が何を聞きたいのかは、わかってる。付き合って8年、一度も結婚の話なんて出たことがなかった。 「結婚のこと、もう少し考えようって言ってただろ?そんな風に結婚を迫って、楽しいのかよ?」 彼は私を人目のつかない隅に引っ張っていき、顔を真っ赤にして怒鳴った。私は彼の手を振り払って冷たく言う。 「あんたが待ちたいなら勝手に待てば?私は私で、結婚するだけ」 彼はもうとっくに私に飽きて、若い女の子を見つけて浮かれていた。うまく隠しているつもりだったけど、バレバレだよ。 幸いなことに、私が結婚する相手は――彼じゃない。
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長い夜の末には明るい未来がある

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時田清子(ときた きよこ)は姉の失明した元カレを丸三年間も献身的に世話してきた。だが彼が視力を取り戻して真っ先にしたことは、彼女を海外へ追いやることだった。 「十日後のA国行きの航空券だ。今回は海外に出たら、二度と戻ってくるな!」 オフィスで、黒木文夫(くろき ふみお)は椅子にもたれかかり、細長い指で航空券を清子の前に差し出した。 清子はそれを受け取ると、指先をわずかに震わせた。 つい数日前まで、目の前のこの男は、彼女を強く抱きしめ、髪を口づけながら約束していた。「三年間も俺の面倒を見てくれた。もし俺の目が治ったら、きっと失ったったものを全て取り返し、君を豪族で一番幸せせな女性にして見せる」 しかし今、彼は彼女に万里を跨ぐ片道の切符を一枚突きつけただけで、余計な言葉もかけようとしなかった。
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