泥人形師の哀歌
私は太っていて不細工。それなのに、高校時代に私をいじめていた学園の王子様と結婚した。
彼が私を嫁に選んだ理由は、私が持つ泥人形作りの技術が目当てだった。欲深くその才能を手に入れるために、私を家に迎え入れたのだ。
結婚後、私は稼いだお金をすべて夫に渡し、彼は仕事もせず家で怠けながら、愛人とベッドでいちゃついている。私はそんな二人のそばで、おとなしくお茶を差し出して跪く。
同窓会の席で、彼は得意げに言った。
「見ろよ。犬のしつけってこうやるもんだ」
私はそっとその愛人に目を向ける。彼女の黒い瞳に、不気味な笑みを浮かべながら。
彼は知らない。
その美女の顔だって、私が作ったものなのだから。