月落ち星沈み、人は去りぬ
素直な佐藤結衣(さとうゆい)は、加藤翔太(かとうしょうた)の甘い言葉に誘われ、人目のない雑木林で関係を持ってしまった。
その後、二人は欲望に堕ち、頻繁に肉体関係を持つようになる。
ある日、翔太はますます常軌を逸し、結衣を彼女の父親のオフィスに連れ込み、そこで関係を持った。
その瞬間、結衣は彼の優しそうな瞳の奥には、実は陰の企みが隠されていたことに気づいた。
「誇りにしている娘が俺の恋人になったと知ったら、佐藤涼介(さとうりょうすけ)はどんな顔するんだろうな?彼が高橋美咲(たかはしみさき)をうつ病寸前まで追い込んだ報いとして、今度は自分の娘が売女呼ばわりされる気分を味わわせてやる!」
結衣の、一目惚れだと思っていたものは、翔太が初恋の恨みを晴らすために、わざと仕掛けた罠でしかなかったことを理解した。
この時、結衣はすっかり心を痛め、父に申し出て、ドイツへの留学を願い出た。