Chapter: 外伝小話 年下組ルート編 青猿は知る「お前がッ、いつまでもそんなんだからッ、アイツが傷つくんだろうがっ!」 「分かってるよっ!……教えてくれよ。そこまで言うんだったら、教えてくれよッ。どうしたらアイツを守ってやれる?何をしたら…アイツを笑わせてやれるんだよっ!」 「言えば良いだろうがっ!好きだってッ!」 「言ってるんだよっ!何度も何度もっ!それこそアイツを好きだと気付いたランドセル背負ったガキの頃からっ!」 「なっ!?……マジかよ」「ハイ、カーット!!」監督の声が聞こえてボクとカンさん、二人で肩の力を抜く。 「これで今日の俺達の出番は終わりか?」 「恐らく?」 視線を監督のずっと後方にいる透馬兄に送ると、手でOKを作っている。 うん、あがって大丈夫そう。 「大丈夫そうだな。で?今日の読み合わせはお前の部屋でいいか?」 「はいっ」 ボク達は着替える為に楽屋へと戻った。 「俺は電話してから行くから先帰って待ってろ」 「解りました」 カンさんは帰る前にいつも娘さん達と奥さんに電話をしてから帰る。 それを知っているからボクは素直に先に家に帰る事にした。 勿論、透馬兄の送迎でだけど。 寮に到着して、自室へ帰る。陸は、SFの二人の所か。いつの間にあんなに意気投合したんだろう? アイドル対抗戦前にはバチバチ火花散らしてたのに。空は…確か今日は泊まりの収録だっけ? 手早く部屋着に着替えて、えっと台本と、あと簡単なおつまみ作っておこう。 カンさん、多分飲むだろうし。…見た目に騙されがちだけど、お酒飲んでる姿みたりすると…。 「立派なおっさん」 「……誰が立派なおっさんだ、こら」 「あれ?カンさん。もうお帰りに?」 「笑って誤魔化してんじゃねーぞ…おっ?今日のつまみも旨そうだな」 「鈴先輩直伝簡単おつまみなんで。絶対美味しいですっ!」 ミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出して。 ボクはそれを飲みながら、カンさんはお酒を飲みながら。 次の収録の為の打ち合わせをする。読み合わせを続けていくと、カンさんが少し休憩と言うのでボクも作ったおつまみを食べた。 「おい、海里。テレビつけるぞ」 「いいですよー」 ボクが許可を出そうが出すまいがテレビをつけるカンさん。『では次のニュースです』時間的にニュースが流れる時間だったみたいだ。 ボク達はぼーっとニュースを眺め
Last Updated: 2026-09-20
Chapter: 外伝小話 年下組ルート編 赤猿は気付く今日の収録は、山の八合目にある茶屋へ行っての食レポ収録。 アイドルの大会での宣言通り、オレは糸目と垂れ目…じゃなくってシュンとムクの三人で良く同じ番組に出演するようになった。 「………ぜー…はー…おま、マジかよ…」 「なんで、よりにも、よって、この番組選ぶ、んだよ」 「えっ?だってハイキングだぞっ?楽しいだろっ?」 「それはお前だけだってのっ、この体力バカっ」 「しかも、これは、ハイキングじゃなくて山登りって言うんだよ、馬鹿っ」 滅茶苦茶バカバカ言われた。 いや、オレが馬鹿だって事はちゃんと自覚はしてるんだぜ? けど、そんなに連呼しなくても良くね? 「ちょ、っと、マジで、休憩させろ」 「もう少し行けば、休憩茶屋あるらしいからそこまで頑張れっ」 「マジかー…」 二人のアイドルの先輩の背中を押して、山道を歩く。 オレ的にはまだ、何なら走れるくらいには体力残ってるんだけどな。 休憩茶屋に何とか辿り着いて、二人は店の中の座敷席に真っ直ぐ向かって行って、倒れた。 「陸実。ほら、茶と団子。あいつらに持ってってやれー」 「師匠。サンキュー」 師匠がお茶と団子をお盆に乗せてくれたから、それを持ってオレも座敷席に上がった。 テーブルの上にお盆を置いて、どっかりと座りこむ。 「ほら、シュンもムクも。ぐったりしてないで食えって」 「食えるかっ」 「シュン。今更遅いかも知れないけど、一応サブカメラ回ってる事思い出せ」 「いや、マジでもう無理だって。陸実と一緒にするな」 「まぁ、どうせここは使われないだろうけどな」 とか言いながらも二人はもそもそと動き出し、壁に背を預けてお茶を持った。 「食レポだけはしとかないとな」 「おら、陸実も笑え」 「おうっ」 メインカメラが動いた途端、アイドルな笑顔を使うこいつらは本当にプロだと思う。 そして、食った団子。みたらし団子だったんだけど、滅茶苦茶美味かった。 食レポ、収録終わり、二人からまた力が抜けきった。 「陸実。ほら、これ」 「え?何ですか?」 「姫ちゃんから差し入れのお握り」 「やったっ!」 ぽいぽいっと投げられた三個のお握りをしっかりキャッチして、さっき渡されたお茶をお代わりして美鈴センパイ手作りのお握りを早速食べる。 「お前、良く食えるな」 「ふぉーふぇふか?」 「
Last Updated: 2026-09-19
Chapter: 第三十二話⑥ ※※※あれから一ヶ月が経過した。私は今、華菜ちゃんと逢坂くんの三人でテレビの前に待機している。本当は空良くんの様子を見つつ、静かに田舎に帰ろうかとも思ってたんだけど、奏輔お兄ちゃんがしっかりと鴇お兄ちゃん達と情報共有をしてくれたおかげで私は今も尚ここでこうしている。そして、何で私達がテレビの前にいるかと言うと。奏輔お兄ちゃんが、『結構良い感じに仕上がった。空良があんなにやる気に満ちた姿はレアやで』って言うので、これは見なきゃとなりこうして待機している訳です。アイドル番組とかあんまり見ないけど、これは対抗戦らしいので普通のアイドル番組とはちょっと違うっぽい。男子の部、女子の部で別れていて、その中でも競う競技が別れている。ダンス、演技力、トーク力、あとは歌とか。他にも様々な部門があるらしい。アイドル個人の実力を魅せる場、って奴みたい。女子の部にはユメも出るらしくて、全力で応援する為にスピーカーを購入しましたっ!だってちゃんと聞きたいじゃないっ!もしも、ユメの番の時少しでも機材故障とかされたら私ユメのモンペになる自信がある!即クレーム出しちゃうっ!……いや、しないけどね。クレームの対応って本当大変なんだよ…、本当に大変で…。「美鈴ちゃん?」「クレーム対応って地獄だよね…」「いきなりどうした、白鳥。目が虚ろだぞ?」「うへへへへ…」「駄目だな、こりゃ」どう言う意味かしら、逢坂くん?すっかりこの前、白鳥財閥店舗に視察に行った時、クレームオジサンに遭遇してバイトの女子高生が責められて彼女の代わりにクレーム対応したのを思い出しちゃったよ。えっと、なんだっけ。そうそうアイドルの対抗番組の話だよね。あー、っと?誰が何に出場するんだっけ?確か、ユメと空良くん、それからあの女子アイドル二人は歌の部。陸実くんはダンス、それから海里くんは演技の部、だったかな?そういえば審査の方法をちゃんと見てなかったっけ?テレビを見ると番組が始まり、審査員の紹介と審査の説明をしている。審査員には各十点ずつ持ち票があるのか。で投票点数が一番多い人が優勝。審査員には有名事務所の社長とか番組のスポンサー、後はアイドルでデビューして今はマルチタレントとして活躍している人とかがいるみたい。勿論その道のプロ的な人も一人いて、更には視聴者も得票数に入るようだ。視聴者票が一番多い
Last Updated: 2026-09-18
Chapter: 第三十二話⑤ 三猿の成長~緑の言わ猿編~(申護持空良の場合)どの文字の犯人を捕らえるか。 二行目の女子感がある文字の犯人が一番探しやすいかな、と思ったんだけど。 女子だし。女子でアッフェを恨んでるって中々ないと思うんだよね~。 ……派手に振られでもして逆恨み、的な? なくはないと思うんだけどさ。う~ん……ユメに聞いた方が早い気もするけど…。 「……姫さん?」 「?、あれ?奏輔お兄ちゃん?」 「何してるん?」 「え?ズタボロにされたあの子達の制服を繕ってる」 「繕うって、あの惨状はもう買った方早ない?」 「んー…そうなんだけど。あの子達悲しそうな顔してたから。明子さんに買って貰った制服だろうしね。戻せるだけ戻しておいてあげようかな、って」 「成程な。けどな、姫さん」 「なぁに?奏輔お兄ちゃん」 「あいつらももう高校生なんだから、アップリケはやめてやってや」 「ふみぃっ!?可愛くないっ!?このお猿さんっ!?」 「いや可愛いか可愛くないかで言われると可愛いけども。そのアップリケが通じるのは流石に小学生までちゃうか?」 「……なんと言う…」 しょんぼりと肩を落とす。 なんてことなの…。アップリケ刺繍がダメなんて…。折角昔に作ったアップリケの活躍の場があると思ったのに…。 因みにこれ皆分あるんだよね。皆をモデルにして作ってるから。樹先輩の龍のアップリケを作るのどんなに苦労した事か…。鱗がある生き物は大変なんだからっ。 ……話がそれた。 取りあえず、私と奏輔お兄ちゃんはあの子達に新しい制服を用意して、仕事が終わるのを待ちそのまま寮へと送り届けた。 私がアップリケを縫ってしまった制服は、私が預かり捨てるのも勿体ないので縫いぐるみのお洋服としてリメイクして渡す事に決めた。そして翌日。 彼らを迎えに行った陸実くんの部屋で事件は起こった。 陸実くんが意識を失った状態で水を出しっぱなしにされた密室状態のバスルームに放置されたのだ。 大地お兄ちゃんが駆けつけて、陸実くんは事なきを得たけれど…。 陸実くんは病院へ大地お兄ちゃんが連れて行ってくれた。 私達がここに来た時、入れ違いで海里くんが何かを叫んで出て行って、慌てて私も追い掛けようとしたけれど、透馬お兄ちゃんが任せろと言ってくれたから私はその場にとどまる事にした。 水浸しの陸実くんの部屋に入ると、そこには空良くんがいて。ほっぺが赤いんだけ
Last Updated: 2026-09-17
Chapter: 第三十二話④ ※※※「…なんでボクの家にお前がいるんだっ!」 「そもそもここお前の家じゃねぇし」 そう。ここは海里くんの家ではないし、寮の部屋でもない。 もっと言うなら、そもそも家でもない。 私が急遽取った旅館の一室でございます。 ホテルでも良かったんだけど、環さんの強い希望で旅館になった。 そして…何故私まで…? 「透馬お兄ちゃん、詳しく」 「いや、俺も解らない。むしろ何でここにいるんだ、俺達…」 「……ねー」 仲良く湯呑に入れたお茶を飲んでいる場合じゃないってのは解ってるんだけどね。 海里くんと環さんが一色触発状態でほっとく訳にも…ね。 「とにかく落ち着けよ。猿じゃあるまいし」 ……うーん。 なんか楽しそうだな~、環さん。 ちょっと見守ってようかな。 「この俺がわざわざ収録終わりの眠りこけてるお前を運んで来てやったんだろうが。感謝しろっての」 「感謝ってっ!」 「あ、それはちゃんと感謝しようね。海里くん。いつも思ってたけど、所構わず寝ちゃ駄目だよ?もう有名人だって自覚しようね」 「えっ!?あ、はい…」 「じゃあ、海里くんと環さんもお茶飲む?淹れるよ?」 「俺は酒の方がいいなぁ」 「この後お仕事ないんだったら構いませんよ~?ご飯食べに行く~?この旅館、飲食スペースあるらしいからさ。この部屋のお向かいがそうらしいよ?」 「あ、あのっ、鈴先輩っ」 「ご飯食べながら環さんに話を聞いたらいいよ~」 「だな。そうするか」 透馬お兄ちゃんが湯呑を置いて席を立ち、それにならって私も立つ。 環さんが暴れる海里くんをあっさりと小脇に抱えて一緒に部屋を出た。 目の前にある飲食スペースには机と椅子が四脚。 私と透馬お兄ちゃんが並んで座り、向かいには環さんと海里くんが座った。 丁度食事の時間だった事もあり、仲居さんが食事をお持ちしますと一言告げて廊下との境にある仕切りを閉めてくれた。 「鈴先輩。本当に聞いても良いでしょうか」 「どうぞー。好きに問い詰めてー」 許可を出した途端、海里くんはくるっと首を環さんの方へと向け立ち上がった。 何を言うのかな?と。私達は海里くんの行動を見ていたのだけど。 しゅるるぅと座り込んでしまった。 「何だ?何も言わないのか?」 環さんがニヤニヤと海里くんを煽る。 「………言う必要がなくなったので」 「
Last Updated: 2026-09-16
Chapter: 第三十二話③ 三猿の成長~青い見猿編~(申護持海里の場合)どの文字の犯人を探し当てるか。私は三行目の幼い感じの文字を書いた判別つきやすいかなって考え、その文字の人間を探すと判断した。まずは事務所に戻って、この文字を書いたのが誰なのかを調べる必要があった。そもそも莉良さんの事務所ってあんまり幼い子がいるイメージがないんだよね。あの子達やユメが年若い方の部類に入るって言う認識でいた。それはどうやら真珠さんや透馬お兄ちゃんもそうだったらしくて。透馬お兄ちゃんの運転で事務所に戻ったら案の定結果は私達の知る結果と大差なかった。「でもあれ、正直幼稚園児とか小学生の文字だよね?」「まぁ、文字だけ見るとそうかもしれねぇけど。文字が下手な大人なんて多々いるだろ」「あー、それは確かにー」そっちの線で調べた方が良いかもしれない。莉良さんに文字が下手で何書いているか読めない人って事務所含めどのくらいいる?と問うと数人の名前が上がって来た。その人物の名前だけメモを取って。事務所を出て透馬お兄ちゃんの車の中でスマホで画像検索をする。「……あ」「どうした?姫」「この人だけ見覚えがある」「どいつだ?」「このアイドルグループ縁舞(えんぶ)のリーダー」「どれどれ…あぁ、こいつか?」この前ナンパして来た人達の中にいたな~。って言うか、今縁舞で検索したら画像に出て来た五人。あの時ナンパして来た五人と一緒だわ。……アイドルって職業してるのにナンパってってどうなのよ。そう言えばこの人達面談受けなかったな。成程。前の社長に縁がある人達って訳ね。縁舞、サイン、で検索したら出て来ないかな?筆跡を確認する為に試しにサインを検索したら結構な数が出て来て。リーダーであるカンって人の文字が恐ろしいほど下手くそで、しかもあの紙の文字にそっくりだった。「……もう確定なんじゃない?」「だな。現場を取り押さえた方が早そうだから暫く泳がせとくか」「そうしよっかー」「って所で今日はもう送るからな」「うん。透馬お兄ちゃん、ご飯食べてく?作るよ?」「あー、寄りたい所だけど、鴇とちょっと約束あるんだよな」「そうなの?じゃあ鴇お兄ちゃん、ご飯いらないのかな?」「連絡して聞いてみたらどうだ?」「ふみ。そうする」なんていつも通りに過ごした日の、翌日の朝。事件は起こった。念の為にと、海里くん達の寮へと寄ったんだけど。「……陸っ!
Last Updated: 2026-09-15
Chapter: 小話58 後日談その5(前世の自分へと思いを馳せる)「…報告は以上です」 「…分かった。ここにある内容が全てか?社員の総意って事で間違いないな?」 「は、はい…」 目の前の若い男は社長でも何でもない。なのに何故この場に、白鳥財閥の総帥代理の前にいるのか。 少し考えれば解ることだ。こいつが今持って来たのは報告書だ。多額の負債を出してしまった案件の。 「君は…これで良いのか?」 「…え?」 渡された報告書を机に投げて、椅子の背もたれにゆったりと背を預けた。 「会社の上司が失敗した事を、新人である菅原、君が全ての責任を負ってこれからの人生を棒に振っても良いのか?」 「そ、れは…」 じっと言葉の続きを待つ。だが、やはり新人で若い男は俯き言葉を発する事はなかった。 …当然と言えば当然だ。自分の所の上司より遥か上の上司に会ってる訳だしな。しかもその理由が謝罪と報告。だがこいつは仕事を辞めるではなくきちんと謝罪に来た。それだけ根性があるって事だ。失うには勿体ない新人だ。 俺は言葉を失ったそいつの代わりに言葉を繋ぐ。 「この事案は君の様な新人が請けもてる案件ではない。そんな事は上の人間が一目見れば解る。もし解らないとでも思われていたのなら、…随分舐めた真似をしてくれるな」 「ち、ちがっ」 「分かっている。これは君がやれる上司への復讐だったんだろう?」 「え…?」 ゆっくりとそいつは青褪めた顔を俺へ向けた。 「君の様な人間は貴重だ。失うのは惜しいからな。一つ、君に頼みがある」 「頼み?」 「そうだ。それが出来たなら君をうちで引き抜こう」 「やりますっ!!」 一も二もなく頷くそいつに頷き返す。 「私は一体何をすれば…」 「…君の所の上司を連れて来い。何を言って誤魔化しても俺の立場を利用してでも良い。ここへ連れて来い。…出来るな?」 コクリと頷き、直ぐに踵を返して勢いよく部屋を出て行った。 多分、やり遂げるだろう。自分に失敗の責任を全て押し付けた上司に恨みはあれど同情はないだろうからな。それに、部下に自分の失敗を全て押し付ける様な輩は部下を率いて上に立つ資格はない。 自分でやり返さないと、恨みだけ残り続けるしな。 …さて。菅原を配属させる場所を選んで置かないと、だな。 今、何時だ? …………………23時? ちょっと待て?ちょっと待てよ? 今日は何日だ…? ………カレンダー
Last Updated: 2026-04-29
Chapter: 小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)後編「次に貴方を見たのは、これまた私が学生の時よ」そう言って、男の視線は俺から、透馬達に流された。透馬、奏輔、大地の視線が冷えて行く。きっと俺も同じ目になっているだろう。※※※(乙女の独白そ・の・2はぁと)何事も、調査と言うのは必要不可欠な物。あの人の事を知りたければ、自分の足で動かなきゃっ☆そう。その為に私は今ここに、エイト学園にいるのだからっ!もうっ、聞いてよっ。ほんっとうに大変だったのよっ。ここの制服手に入れるのっ。何でも愛しの鴇様が入学してからエイト学園の制服を手に入れて不法侵入する輩が増えてんですってっ!だから、正規の生徒手帳がないと店では売ってくれないのらしいのっ!おかげでオークションで愛しの鴇様の制服を落札する為に30万も使っちゃったわっ!!こつこつと貯めてた手術代がパーよ、パーっ!ほんっとうに大変だったわぁ。不法侵入とかそう言う輩がいるから、最近の日本は犯罪者が増えて来てるのよっ!節度って大事よねっ!さ、てと。今は怒りを横に置いといて。愛しの鴇様には顔がわれてるから、バッチリ化粧と髪も染め上げて来たわ。これで絶対バレないは・ずっ☆まずは愛しの鴇様が登校してくるのを発見しないとっ☆待ってて、愛しの鴇様~☆校門の前で愛しの鴇様が来るのを待機。勿論、物陰から観察よっ。真正面からなんて恥ずかしくて出来ないわっ、きゃっ☆「なぁ、鴇。今日、姫に会いに行っていいか?」「あ、オレも行くー」「なら、俺も便乗させて貰うわ」「…お前らなぁ。そう言いながら毎日家にくるな、鬱陶しい」きゃあああああああっ!!!!なになになんなのっ!?あの神々しい集団はっ!!愛しの鴇様の周りにも神の御使いが三人もっ!!やだっ!!素敵ぃーっ!!校門側の大木の影に隠れていた私の所まで光を放つなんてっ!?目に焼き付けるのよっ!!この美しさを忘れないうちにっ!!ふー…ふー…。素敵…素敵よぉ…。愛しの鴇様が呆れながらも小さな笑みを浮かべてるわぁ。あぁ、愛しの鴇様の隣にいる紫髪の彼。彼もまたいいわぁ。着崩してる制服から見えるシルバーが溜まらないわ。その後ろを付いてくる、体育会系の彼。彼もいいっ。茶色の短髪も男臭くて堪らないけれど、それよりも体っ!体よっ!肉体美っ!美しい筋肉っ!あぁ、堪らないっ!更にその体育会系の彼の横にいる、繊細な美人もいいわっ!男の子な
Last Updated: 2026-04-28
Chapter: 小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)前編「それじゃ、皆揃ったな。乾杯!」『かんぱ~いっ!!』それぞれがグラスを片手に声を上げた。金山達が使っているバーを今日は貸切、今は二つのテーブルで二つのグループで盛り上がっていた。「やっと日本に帰って来れたよ。葵兄も棗兄も久しぶり!」「優兎。随分頑張っているみたいだね。どこぞのアホと違って」「おい、葵。そのどこぞのアホってのは俺の事か?」「龍也以外誰がいるって言うのさ。大体、何しれっと鈴ちゃんに会いに来てるんだよ、図々しい」「あの時は仕事にちょっと余裕が出来たからだなぁ!」「樹先輩!白鳥さん見ませんでしたかっ!?」「あ?今日は女の参加はなしだろ?だったよな?棗」「そうだね」「は、話が違うじゃないですかっ!棗先輩っ」「お前がいつまでも鈴を狙ってるから、その措置に決まってるだろっ!!」「……相変わらず、姦しいけど、帰って来た気がするなー…」優兎が遠い目をして、双子と御曹司たちに挟まれて呟いている。安心しろ、優兎。こっちはこっちで悲惨だぞ。「だから、こっちより海里にはこっちの指輪のが似合うだろ」「じゃあ、こっちにしようかな…透馬兄、これだよね?」「なんで今そっちを選んだっ!」「………奏輔様。新しいお酒です」「いつの間に空良は俺の舎弟化したんやろなぁ…。でも、ほんっと、あの姉貴たちを見た後だと心洗われるわー…」「っしゃあっ!!じゃあ、五番勝負っすよっ!師匠っ!!」「陸実ー、オレに勝とうなんて十年早いー」「腕相撲から勝負だーっ!!」ほらな、地獄だろ?ぐったりしている優兎の視線が俺とかち合った。抜け出そうと言っている。俺も素直に頷いて、そこからするりと抜けて優兎と二人、カウンター席に座った。目の前にグラスでウィスキーのロックが並ぶ。「あー…落ち着いたー…」「あいつら、何であの歳でなおあそこまで騒げるんだか…」優兎と二人まったりと会話をする。一時期、優兎は美鈴の件で怒鳴ってしまった俺に引け目を感じていたらしいが、俺は全く気にしていないからか優兎も割り切って普通に戻っていた。「真っ直ぐここに来たんだろう?美鈴には明日会うのか?」「美鈴ちゃん、今、里帰りしてるんでしょ?じゃあ、明日僕も帰るから今日中に会える、かな?」「この飲み会が今日中に終わるか?日付越えるだろ、どう考えても。会うのは明日の朝だな」「それは、確か
Last Updated: 2026-04-27
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』⑤)片手にどうにか双子の娘達を抱え込み、ペンでまず俺の名前を書いた。「今佳織母さんに説明したのは俺の意思が生まれた一番最古の前世だ」「ふむふむ」「で、俺はここからまた、この世界に転生した」矢印を下に引いて俺の次の前世の記憶と書く。「そして、ここからリョウイチさんの干渉が始まる。そこまでは干渉ではなく見守りの状態だった。そして、なんでここでリョウイチさんの干渉が入ったのか。それは恐らく佳織母さん達の前世が繋がったからだ」もっと言うなら、佳織母さんにリョウイチさんが惚れたから、って事だろう。「けど今はリョウイチさんの視点ではなく俺の視点で話す。その次に真っ先に修正されたのは佳織母さんの立ち位置だ。それまで横暴だった佳織母さんはその修正により、佳織母さんの魂修正が入った。要はさっき佳織母さんが言った子供を大事にする要素だな。勿論他にもこまごまとあるだろうが、リョウイチさんが一番直しやすかった所から入ったんだろう」俺の名前の下に佳織母さん修正済みと書いた。「で、ここでリョウイチさんのミスが一つある」「…都貴静流、かしら?」「その通り。アイツが違う体に転生して、美鈴を狙い始めたんだ。その時はもう佳織母さんの修正が済んだ後。もっと言うなら、暫く他の世界を経由して来た後なんだよ」都貴静流の名前を佳織母さんの横に書く。「予想外の動きにリョウイチさんは次から次へと修正を繰り返した。数えきれないくらい修正したんだろうな。修正は沢山あった。暫く双子が生まれない時もあったし、優兎が転校してこず親に愛される、それこそ、所謂攻略対象者達と美鈴がくっ付いた時もあった。面白いのがそのどの世界軸でも俺は死んでいたって事だな」「そうだったの?」「あぁ。何度も死んださ。美鈴を想いながらな。何度も何度も修正を見て来たし、その数の多さの証拠があの都貴静流の転生体の多さだ」何度も何度も転生を繰り返し、発生した出来事を最初は何かしらでまとめていたが、最終的に佳織母さんに知らせる意味も込めて乙女ゲームと言う形をとったのだろう。「俺達は前世の記憶と言う形で混じり合ったが、本来人間の生は、命が終わった時点でリセットされねばならない。けれど、前世で繋がってしまったために新たな芽として生まれていた命が一つの大木として育ってしまった」「生の本流が出来上がってしまったのね」「そうだ。そして
Last Updated: 2026-04-26
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』④)「ごほッ…」俺に届く筈の手は届かなく、美鈴はその場に崩れ落ちる。都貴静流の手には、赤く滴る血が流れるサバイバルナイフがあった…。「きゅ、救急車っ!!」優兎が兎の可愛い鞄から電話を取り出し、119番にかけている。「あ、あはは…白鳥さんッ、なんて、なんて美しいんだっ…」都貴静流がサバイバルナイフを空にかざして恍惚に呟く。「もう一度…もう一度その血を魅せてくれ…あぁ、堪らない…」「気持ち悪いんだよっ!!てめぇはっ!!」力の限りそいつの顔面を殴り付け、地面にそいつが座りこんだ隙に美鈴を抱き起す。口元から血を流す美鈴の顔はどんどん血の気を失って行く。「…ぉ…き…」「喋るなっ!今、病院に連れてってやるからっ!」「…さ、む、ぃ…」慌てて着ていたジャケットを脱いで美鈴の背中の刺し傷を塞ぐようにきつく巻きつける。「……ぉ…ぃ…どぉ、…こ…?」「美鈴っ!大丈夫だっ!俺はここにいるっ!」遠くから救急車のサイレンが聞こえて来た。俺は美鈴を乗せるべく抱き上げ立ち上がり、少しでも早く救急車に乗せれるようにと走った。目の前に救急車が止まり、隊員の人が出した担架に美鈴を乗せて、美鈴が救急車の中に運び込まれ、救急車はそのまま走り去っていく。救急車を見送っていた、その時。ドスッ―――。再び鈍い音が聞こえた。今度は俺の脇腹から。「邪魔…邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔なんだよぉぉぉぉぉぉっ!!」「それ、は、こっちのセリフだっ!!」痛みはあった。けど、今はそれすらも凌駕する怒りが俺を支配していた。殴り返して、争って、最終的に都貴静流の持っていたナイフが都貴静流の胸に突き刺さり、そいつは倒れた。見届けて、俺は血が流れる体を引きずって車に乗り込み、家へと帰った。ソファに座りこみ、止まらない血を手で抑えながらテレビを点ける。『先程速報が入りました。○○大学で起きた殺傷事件で男に刺された女子生徒白鳥美鈴さんが先程亡くなりました』…知っていた。あの状態から美鈴が息を吹き返す訳がないと。知っていたのに、まだ、何処かで…生きていてくれているんじゃないか、と。「………美鈴…。今、俺も逝く…」瞳から溢れる涙を拭う力すら消えた俺は、そのまま闇に落ちた…。※※※こうして俺が美鈴と恋仲になりホストを辞めて幸せになると誓ったその時に、都貴静流に美鈴は殺さ、そして俺もまた殺さ
Last Updated: 2026-04-25
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』③)美鈴に惚れた自覚を持って、それからまた一ヶ月後。「わ、私、鴇お兄ちゃんが好きっ」そろそろ来るだろうと思ってたが、予想外に早い美鈴から告白に俺は心の中でガッツポーズをした。俺らしくない?知るか。嬉しい時は喜ぶものだろう。「俺もだ、美鈴。愛してる」美鈴をきつく抱きしめると、美鈴はまた嬉しそうに笑った。この時の俺達は幸せの絶頂でいつまでもこの幸せは続くのだと、そう思っていた。ある日、俺は親父の勤めている会社へと美鈴とこれからも一緒に、あわよくば結婚する事を伝えに向かっていた。「…兄さん」「何故ここに?」声がして前を向くと、そこには双子の弟の葵と棗がいた。二人共俺と同じ血が流れているはずなのに、どちらも立派に大学へ通い、同時にアルバイトもこなしているようだった。「葵に棗?それはこっちのセリフだ。お前達は何故ここにいる?」「…白鳥の姓を抜けようと思いまして」「しがみつく価値のない家なので」「成程な」「兄さんは?」「似たようなもんだ」「そうですか。なら一緒に行きますか」葵の方から誘ってくるなんて珍しい事もあるものだ。俺はそうそうに白鳥家を出て行った。双子のこいつらがいることを知っていたのに。だから嫌われている筈なんだがな。何故こんな対応なのか解らずに。それでも断るのも気が引けて俺は双子の弟達と一緒に歩きだした。いや、歩き出そうとした。急に俺の携帯が着信を告げた。かけて来た相手を確認すると、そこには『美鈴』と表示されており、俺は慌てて電話に出た。「美鈴?どうした?」『鴇っ。どうしよっ。怖いっ』何時もの勝気な声ではなく、どこかに隠れでもしているのかか細く震えた声だった。即緊急事態だと理解する。「今、どこにいるっ?」『大学、の、空き教室の、ロッカー、の中…ッ』「解ったっ。いいかっ、電話、切るなよっ」『うん、…うんっ』俺が急ぎ来た道を引き返そうとした時、葵と棗が何故か引き止めた。「急いでるんだっ」「解っています。美鈴とは兄さんが保護した僕達の妹ですよね、義理の」「そうだっ」「オレ達も、妹に目を向ける余裕がなかったからね。少しばかり、手を貸させてよ」そう言って、双子は何処かに電話をかけている。「僕達の知り合いが義妹と同じ大学に通ってる。探して守って貰うよ」「…大丈夫なのか?」「それなりに強いよ。大丈夫」
Last Updated: 2026-04-24