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Novels by 三木猫

乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも私、男性恐怖症なんですけど…。外伝!

乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも私、男性恐怖症なんですけど…。外伝!

現代日本風乙女ゲーム『輝け青春☆エイト学園高等部』通称『エイト学園』の世界に転生してしまった佐藤美鈴。男性恐怖症を持ちながらも何とか家族や友達、先生や後輩達に支えて貰いながら成長し高校もいざ卒業となり、乙女ゲームの時間が終わると思った、その時母親からある真実を知らされる。 美鈴は一つの道を選択した。けれど、もしその時の選択肢が違ったならば…。 この外伝は、美鈴が選ばなかったIF(もしも)のストーリーと結末である。 ※この物語は本編の最終章第三十話の続きから、他の攻略対象キャラクターを美鈴が選択した場合のifストーリーとなっております。
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Chapter: 第三十三話⑪ ※※※
休憩をしっかりと取って、私達はまた休憩室を出て坂を下り始めた。 お姉様達も一杯休憩をとったおかげか、テンション高く進んでいる。 どんどん階段と下り坂を降りて、だいぶ地上に近づいてきたんじゃないかな? って言うかここまで降ろされる? 登った分だけ下るのは解るけど、結構長い。 そして螺旋階段をぐるぐるし過ぎて、三半規管が悲鳴を上げている。気持ち悪ーい…うぅ。 また暫くぐるぐる降り続けて、やっと終点に辿り着いた。 まっ平らの道ーっ! 素晴らしいーっ! やっと真っ直ぐの道に辿り着いて。 私の三半規管が絶叫してたので、ちょこっとまた休んで。水分も取って。うん。オッケー。 で、真っ直ぐな廊下を進む。 そんなに長く歩く事なく、ドアが目の前に現れた。 『ここが最後のパズル部屋かな?』 『だといいね』 猪塚先輩の言葉に頷き、私達はドアを開けた。 私達が螺旋階段を下る前にいた部屋とほぼほぼ同じ。 ただ、一つだけ違うのは…。 『床が脆い?』 『脆い、と言うか、下に空洞がありそうだね。歩いた時の音が軽い』 私達はなるべく早めに奥へと進む。 何故なら奥の方は少し頑丈そうに見えたからだ。 素早く奥へ辿り着くと、案の定壁が光りだす。『ステージ6 ゲーム開始します』続きステージ番号を言われた事で、予想通りここが同じパズル部屋だと言う事が分かった。 分かったんだけど、何故か落ち着かない。 足下が脆い所為だろうか? 何か下に気配を感じると言うか…。 何とも言えない落ち着かない感に自分の肩を擦っていると。バキッ。バキバキバキッ!「な、何の音っ!?」 振り向くと、そこには。 『きゃあああっ!?』 『な、何あれっ!?』 『口っ!?』 『恐竜っ!?』 お姉様方が驚き叫ぶ。 私も猪塚先輩もお姉様方の様に飛び跳ねて叫びはしないものの驚き動きを止める。 床から巨大な鰐が大きな口を開けてこっちに向かってきていた。 大きく開かれた口は、バキンッ!!と音を立てて、床の一部を齧り摂った。 もっしゃもっしゃと咀嚼しているが、床の石はお気に召さなかったようでギロリと大きな目が私達を見ていた。 なんでこんなに大きい鰐が生息しているのか。 大きさで言えば、2m位はあるんじゃない? そんな大きい鰐が口を開けてこっちに向かってくるとか怖いに決まって
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-06
Chapter: 第三十三話⑩ ※※※
戻るよりは進む。 私達は前へと進んでいたけれど、それらしい部屋やパズルが出来そうな行き止まりはなかった。 ちょっと広めのスペースに出たので、私達は一旦足を止めた。休憩も大事だからね。 皆で床に座る。 『パズル部屋ないですね』 『それっぽいのは無かったねー』 『じゃあ、やっぱり聞いた通り、前のパズル部屋なのかしら?』 『…それはありえないと思うんだけど…』 さっきも説明した通りあの場でやれることって限りがあると思うの。 だけどねー。こうも見つからないとそう考えてしまうのも解る。 …が、戻るって選択肢の可能性はゼロに等しい。と言うか戻ったらそれこそパズル部屋に閉じ込められてさよならだと思うの。 あの球体の部屋なんてあの装置を止めない限り、水で満杯だと思うし。 …そう言えば、あの部屋って上の階にあるんだよね? 水で一杯になったら当然下の方に流れて……あー…気にしないでおこう。 例え人がいたとしても逃げてるよ、うん。 『でも白鳥さん。これから先に進んでも上に行くだけですよ?もし逃げるのだとしたら、最悪どこかで下に降りる必要がある』 そりゃそうだ。 上に逃げたって逃げ道はない。 逃げるなら何処かで絶対に地上に出なければいけない。 それは解ってるんだけど…。 『…もう少し進んでみようよ。そこで何もなければ、パズル部屋を通らずに下に行く方法を探してみよう』 私が言うと皆は頷いてくれた。 それにホッとしつつ、暫しの休憩を入れて私達はまた歩き出した。 一本道の廊下をただ黙々と進む。 段々と廊下は狭くなり、螺旋状になっている坂道と階段を登りだす。 何となくだけど、ここの道の最後にパズルがある気がする。 そんな私の勘は当たった。 恐らくこの建物の最上階。 密室の空間に辿り着いた。 周囲は案の定何もなく、天井には穴が開いている。きっと今までの流れと同じであればあそこから何かが落ちてくる。 落ちてくる…んだろうけど今回の天井は割と近いな。今までは結構高い位置にあったのに。 今度はなんだろ。ブロック、球体と来たら次は? この部屋を形成している壁には防水性は感じられない。普通の石の壁だ。 って事は水関係ではないってこと。かと言って天井のこの近さだとブロックでもなさそう。 …想像がつかない。 結構数多くパズルはやってきたと思う
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-05
Chapter: 第三十三話⑨ ※※※
どうにかこうにか。 『んーっ!』 最後アウローラさんを引っ張り上げて、私達はどうにか観戦室に戻ってくる事が出来た。 水も恐らく調度いい高さで止まってる。 後は、猪塚先輩だっ。 私は急いで猪塚先輩のいる叩き割った窓の方へと駆け寄る。 すると、猪塚先輩も流石でちょうどこっちに飛び移ろうとしている瞬間だった。 「猪塚先輩っ」 私が名を呼ぶと猪塚先輩は直ぐに気付いてくれて観戦室に跳んできた。 『猪塚先輩っ。良かった、無事でっ』 『それはこっちのセリフですっ。白鳥さんこそ無事で良かった…』 手を伸ばそうとしたけど、流石の身体能力できっちり着地してくれる。 『どこも怪我はありませんか?』 『それはこっちのセリフだよ。何処も怪我してない?かぶれたりは?』 緑色の球体が色んな意味で危険そうだったから問うと、大丈夫だとハッキリ答えてくれた。 ホッと一安心。 さて、色々事情を知るにもまずはここから出ないと。 『マリアさん。ここから出るにはどうすればいいか解りますか?』 『この部屋からと言う意味なら、そちらから』 言って指さしたのは奥のドア。 『だけど』 『だけど?』 『この建物から出ると言う意味ならば、反対です』 言いながら指さしたのは、恐らく私を攫って来た時に入って来たドア。 『でもそっちは』 『白鳥総帥が以前やったブロックが落ちてくる場所、ありますよね?』 『うん』 『そちらの部屋をステージ10までクリアしたら脱出経路が現れます』 『それって…』 本当なの? と出かかった言葉を飲みこんだ。 マリアさんの目は真剣で嘘を言っている様には見えないからだ。 となると、騙されている可能性がある。 だって、あそこ手動でやってたんだよ? それをステージ10までって、下でゲームしてる人間も上でブロックを落としている人間も疲労困憊で死んでしまう。 『白鳥さん。彼女は何て?』 『あ、あぁ、そうか。あのね?』 マリアさんの言葉を私は猪塚先輩にイタリア語で通訳する。 良く考えたら他の三人も解らないか。 三人にも通訳するように声を少し大きめにして通訳すると、三人が首を傾げた。 『私が聞いたのと違うわ』 『私も』 『私も違う』 『…どゆこと?』 もっと情報を交換する必要がありそうだ。 『……女性が五人か。守り切れるか?
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-04
Chapter: 第三十三話⑧ ※※※
穴を華麗に落ちて、ほい着地っ。 さて、お姉様方はっと。 視線を巡らせて、あ、いた。 私はゆっくりと歩いて座りこんで泣いているお姉様方に近寄った。 『やっぱり無理なのよ』 『私達にはこんなこと』 『お姉さん達。落ち込んでいる所悪いんだけど、ここにいると危ないよ?』 と注意しつつ私は唯一言葉が通じていないスペイン人のお姉さんの手を取ってその場を離れた。 多分意味は理解していないけど、残り三人のお姉さんも私と同じ方向に逃げて来た。 途端に天井から黄色と赤の球体がくっ付いて落ちてくる。 ずもんっ。 …ゲームの時の音はもう少し軽い音だった気がするんだけどなぁ。 やっぱり質量の都合上こうなるのかー。 『な、なんでっ…』 『なんでって、何が?』 『私達がこんな目に…』 『……うん。今そんな事言ってる余裕はないんじゃない?』 私はお姉様達を自分の背に庇い、次に落ちて来た緑と黄色の球体を蹴り飛ばし、黄色の球体と黄色の球体をくっつけた。 これは、もしかしなくても結構きつい奴だぞー? でも猪塚先輩だって頑張ってるんだから。 私が音を上げる訳にはいかないよね。 次に落ちて来たのは黄色と赤の球体。 黄色を少し角度を変えて蹴り飛ばして、最初に落ちて来た黄色と赤の球体が同時にくっつくようにする。 すると黄色の球体が消えて、赤と赤の球体がくっつく。 そして、私達がいる所の反対から。 『うわぁっ!?』 猪塚先輩の驚く声が聞こえた。 やっぱりね。対戦モードになってるんだ。 一体どんな変化が出たんだろう? 通常あの有名パズルゲームならば、お邪魔なぷよっとした物が落ちてくるんだけど。 もしそれが落ちて来たならば、上手い事回避してそれを踏み台にして、あの観戦場所まで退避出来るかなって思ってたんだけど。 …違う可能性もある。 ……猪塚先輩が一つ消すのを待ってみるか。 私は落ちてくる球体を2つまでくっつけて3つにならないように調整しつつ、猪塚先輩が球体を消すのを待った。 数分その状態で待機を続けていると、唐突に落ちてくる球体が四角いブロック状態に変化して落下して来た。 ズドンッ。 床凹むんじゃない?とまじまじと見たくなるくらいの音だった。 近寄って触って見る。固い。完全に石だ、これ。触っても熱くも冷たくもない。 叩くとコンコンと音もす
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-03
Chapter: 第三十三話⑦ ※※※
「お茶、のみ、まスか?」 『いえ、結構ですよ。それに無理に日本語で話さなくても私イタリア語話せますよ』 「……?」 あれ?私を担いでここに駆け込んだお姉さんが首を傾げてるよ? 私イタリア語使い方間違ってたかな?それとももしかしてお姉さんイタリア語話せない? 『イタリア語で大丈夫、だそうよ?』 もう一人のお姉さんが通訳してくれた。通訳してくれた言葉はスペイン語? 成程。お姉さんはスペインの人なんだね。 『スペイン語の方が良いですか?』 にっこり笑って言うと、 『『えっ!?』』 二人のお姉さんが振り返った。 『それからお茶は今はいりません。お水を飲んだので。そんな事よりも、何故私はここに連れて来られたのでしょう?』 にっこり再び。 笑顔で圧。 『えっと…?』 おう、スペイン語だけだと周りに伝わらないね。 私は座らされた椅子で姿勢を正して、周囲をぐるっと見回した。 全員で四人。一人リーダーっぽいブラウンのウェーブ髪を一纏めにしたボンキュッボンのお姉さん。 一人は私を担いだ黒髪ショートのスペイン語を話すお姉さん。 もう一人は、金色ストレート髪の細身のお姉さん。 そして最後に赤茶の腰まである髪を一本の三つ編みにしてる身長がちょっと低めのお姉さん。 以上の四人。皆共通して黒スーツに黒ネクタイ、黒手袋とSPを彷彿とさせる恰好をしている。黒のパンプスで走れる技術、凄いよね。 でもね。 私もね。こう…総帥生活も結構長い事してきて、しかも前世からこっち襲われる回数の方が普通に過ごす日数より多いんじゃないか?と言う生活を送ってきた身としてはね? 『…もう一度問いましょうか。何故、私はここに連れて来られたのでしょう?』 イタリア語でハッキリと。 にっこりと微笑みながら問う。 笑顔で圧っ! 棗お兄ちゃんの得意技っ!どやっ!! …鴇お兄ちゃんもやってるか。葵お兄ちゃんもしてる?…棗お兄ちゃんの得意技改め白鳥家の秘奥義っ!!どやっ!! 『……お答えしかねます』 おや?リーダーなお姉さんが、圧返ししてきたぞ? ふふふ…でも弱い弱い。私に圧返ししたいのであればママ位の迫力を持ってこないと。 『お答しかねます、かぁ…。私にはそれを知る権利もない、と?』 『……』 『……舐められたものだわ。私を白鳥の総帥と知った上で、貴女方の上司
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-02
Chapter: 第三十三話⑥ ※※※(猪塚視点)
楽園とはきっとここの事を言うんだろう…。 僕は今幸せの過剰摂取で死ねる。 なんであんなに白鳥さんは可愛いんだっ! 綺麗で可愛くて、見上げてくる顔が可愛くて、それでいて可愛くてっ! 声なんて鈴が鳴ってるみたいで、それでいて可愛くてっ! 僕が頑張ってる事にいつも真っ先に気付いてくれて、それでいて可愛くてっっ! どんな人にも優しくて天使みたいで、それでいて可愛くてっっ!!!問1 白鳥さんを何時間飲まず食わずで見ていられますか?『息絶えても目は開き続けるっ!!』くわっ!! と目をカッ開いた。 『って、あれ?なんで僕床に倒れてるんだ?』 しかもうつ伏せで。更に言うなら多分顔面強打したのかな?鼻が痛い。 体を起こして周囲を見渡す。 『白鳥さん?』 あれ? 白鳥さんは一体何処に? タオルや着替えた服がバラバラに落ちている。 えっとこれはどう言う状況だ? ちょっと記憶を整理しよう。 確か、白鳥さんが僕の体を拭こうとしてくれて中に入って来て…? ちょっと待てよ? もしかしてそれが既に幻か? 実は白鳥さんはずっと外にいた? いやいや。待て待て。 それはない。だってここに白鳥さんが持っていた服があるじゃないかっ! じゃあ、僕の体を拭いてくれようとしたのは本当って事っ!? 『………しあわせだー…』 天井を見上げ喜びに拳を握る。 一頻り幸せをちゃんと噛み締めてから、僕はハッと気付いた。 『待ってくれ。あれが幻じゃないのなら、どうして白鳥さんはここにいないんだっ?』 ドアを開けて外を見るが白鳥さんはそこにいない。 『幸せに浸ってる場合じゃないじゃないかっ!待て。思い出せ。白鳥さんは一体何処にっ』 記憶を辿る。 あの時、白鳥さんがここに来て体を拭く拭かないの攻防戦があって、で、僕が興奮に耐え切れず鼻血を出した。 で、白鳥さんが、か、体を貸すと言ってくれて、で、僕の興奮がMAXに到達して倒れそうになったのを白鳥さんが胸でうけ、と、めて…。 ふかふかのふわふわで…ごふぉっ! 幸せで吐血が出来るなんて…だが悔いはないっ! ………いや、あるって。 白鳥さんがいないこの状況に悔いしかない。 あの時薄れかけた意識の中で、笛の音と回収って声が聞こえた気がする。 あの声は、何処か聞き覚えがある。あの声は、確か…。 脳裏に過った
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-08-01
乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。

乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。

現代日本風乙女ゲーム『輝け青春☆エイト学園高等部』通称『エイト学園』の世界に転生してしまった佐藤美鈴。 これから沢山のイケメンとの出会いがあると美鈴は震えあがっていた。 それは嬉しいから、ではなく。 美鈴がとある理由から『男性恐怖症』を持っていたからだった。 美鈴は転生を理解した瞬間から、イケメン達との出会いを避けるべく奮闘する。だが、その結果は散々で…。 とは言え、美鈴だってただただ指を咥えている訳ではない。 まずは自分に出来る事からやっていこうっ! と自分の運命を変えるべく一歩を足を踏み出す。 これは様々な出会いと経験を経て、大きな愛を『思い出す』美鈴の成長ストーリーである。
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Chapter: 小話58 後日談その5(前世の自分へと思いを馳せる)
「…報告は以上です」 「…分かった。ここにある内容が全てか?社員の総意って事で間違いないな?」 「は、はい…」 目の前の若い男は社長でも何でもない。なのに何故この場に、白鳥財閥の総帥代理の前にいるのか。 少し考えれば解ることだ。こいつが今持って来たのは報告書だ。多額の負債を出してしまった案件の。 「君は…これで良いのか?」 「…え?」 渡された報告書を机に投げて、椅子の背もたれにゆったりと背を預けた。 「会社の上司が失敗した事を、新人である菅原、君が全ての責任を負ってこれからの人生を棒に振っても良いのか?」 「そ、れは…」 じっと言葉の続きを待つ。だが、やはり新人で若い男は俯き言葉を発する事はなかった。 …当然と言えば当然だ。自分の所の上司より遥か上の上司に会ってる訳だしな。しかもその理由が謝罪と報告。だがこいつは仕事を辞めるではなくきちんと謝罪に来た。それだけ根性があるって事だ。失うには勿体ない新人だ。 俺は言葉を失ったそいつの代わりに言葉を繋ぐ。 「この事案は君の様な新人が請けもてる案件ではない。そんな事は上の人間が一目見れば解る。もし解らないとでも思われていたのなら、…随分舐めた真似をしてくれるな」 「ち、ちがっ」 「分かっている。これは君がやれる上司への復讐だったんだろう?」 「え…?」 ゆっくりとそいつは青褪めた顔を俺へ向けた。 「君の様な人間は貴重だ。失うのは惜しいからな。一つ、君に頼みがある」 「頼み?」 「そうだ。それが出来たなら君をうちで引き抜こう」 「やりますっ!!」 一も二もなく頷くそいつに頷き返す。 「私は一体何をすれば…」 「…君の所の上司を連れて来い。何を言って誤魔化しても俺の立場を利用してでも良い。ここへ連れて来い。…出来るな?」 コクリと頷き、直ぐに踵を返して勢いよく部屋を出て行った。 多分、やり遂げるだろう。自分に失敗の責任を全て押し付けた上司に恨みはあれど同情はないだろうからな。それに、部下に自分の失敗を全て押し付ける様な輩は部下を率いて上に立つ資格はない。 自分でやり返さないと、恨みだけ残り続けるしな。 …さて。菅原を配属させる場所を選んで置かないと、だな。 今、何時だ? …………………23時? ちょっと待て?ちょっと待てよ? 今日は何日だ…? ………カレンダー
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-29
Chapter: 小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)後編
「次に貴方を見たのは、これまた私が学生の時よ」そう言って、男の視線は俺から、透馬達に流された。透馬、奏輔、大地の視線が冷えて行く。きっと俺も同じ目になっているだろう。※※※(乙女の独白そ・の・2はぁと)何事も、調査と言うのは必要不可欠な物。あの人の事を知りたければ、自分の足で動かなきゃっ☆そう。その為に私は今ここに、エイト学園にいるのだからっ!もうっ、聞いてよっ。ほんっとうに大変だったのよっ。ここの制服手に入れるのっ。何でも愛しの鴇様が入学してからエイト学園の制服を手に入れて不法侵入する輩が増えてんですってっ!だから、正規の生徒手帳がないと店では売ってくれないのらしいのっ!おかげでオークションで愛しの鴇様の制服を落札する為に30万も使っちゃったわっ!!こつこつと貯めてた手術代がパーよ、パーっ!ほんっとうに大変だったわぁ。不法侵入とかそう言う輩がいるから、最近の日本は犯罪者が増えて来てるのよっ!節度って大事よねっ!さ、てと。今は怒りを横に置いといて。愛しの鴇様には顔がわれてるから、バッチリ化粧と髪も染め上げて来たわ。これで絶対バレないは・ずっ☆まずは愛しの鴇様が登校してくるのを発見しないとっ☆待ってて、愛しの鴇様~☆校門の前で愛しの鴇様が来るのを待機。勿論、物陰から観察よっ。真正面からなんて恥ずかしくて出来ないわっ、きゃっ☆「なぁ、鴇。今日、姫に会いに行っていいか?」「あ、オレも行くー」「なら、俺も便乗させて貰うわ」「…お前らなぁ。そう言いながら毎日家にくるな、鬱陶しい」きゃあああああああっ!!!!なになになんなのっ!?あの神々しい集団はっ!!愛しの鴇様の周りにも神の御使いが三人もっ!!やだっ!!素敵ぃーっ!!校門側の大木の影に隠れていた私の所まで光を放つなんてっ!?目に焼き付けるのよっ!!この美しさを忘れないうちにっ!!ふー…ふー…。素敵…素敵よぉ…。愛しの鴇様が呆れながらも小さな笑みを浮かべてるわぁ。あぁ、愛しの鴇様の隣にいる紫髪の彼。彼もまたいいわぁ。着崩してる制服から見えるシルバーが溜まらないわ。その後ろを付いてくる、体育会系の彼。彼もいいっ。茶色の短髪も男臭くて堪らないけれど、それよりも体っ!体よっ!肉体美っ!美しい筋肉っ!あぁ、堪らないっ!更にその体育会系の彼の横にいる、繊細な美人もいいわっ!男の子な
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-28
Chapter: 小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)前編
「それじゃ、皆揃ったな。乾杯!」『かんぱ~いっ!!』それぞれがグラスを片手に声を上げた。金山達が使っているバーを今日は貸切、今は二つのテーブルで二つのグループで盛り上がっていた。「やっと日本に帰って来れたよ。葵兄も棗兄も久しぶり!」「優兎。随分頑張っているみたいだね。どこぞのアホと違って」「おい、葵。そのどこぞのアホってのは俺の事か?」「龍也以外誰がいるって言うのさ。大体、何しれっと鈴ちゃんに会いに来てるんだよ、図々しい」「あの時は仕事にちょっと余裕が出来たからだなぁ!」「樹先輩!白鳥さん見ませんでしたかっ!?」「あ?今日は女の参加はなしだろ?だったよな?棗」「そうだね」「は、話が違うじゃないですかっ!棗先輩っ」「お前がいつまでも鈴を狙ってるから、その措置に決まってるだろっ!!」「……相変わらず、姦しいけど、帰って来た気がするなー…」優兎が遠い目をして、双子と御曹司たちに挟まれて呟いている。安心しろ、優兎。こっちはこっちで悲惨だぞ。「だから、こっちより海里にはこっちの指輪のが似合うだろ」「じゃあ、こっちにしようかな…透馬兄、これだよね?」「なんで今そっちを選んだっ!」「………奏輔様。新しいお酒です」「いつの間に空良は俺の舎弟化したんやろなぁ…。でも、ほんっと、あの姉貴たちを見た後だと心洗われるわー…」「っしゃあっ!!じゃあ、五番勝負っすよっ!師匠っ!!」「陸実ー、オレに勝とうなんて十年早いー」「腕相撲から勝負だーっ!!」ほらな、地獄だろ?ぐったりしている優兎の視線が俺とかち合った。抜け出そうと言っている。俺も素直に頷いて、そこからするりと抜けて優兎と二人、カウンター席に座った。目の前にグラスでウィスキーのロックが並ぶ。「あー…落ち着いたー…」「あいつら、何であの歳でなおあそこまで騒げるんだか…」優兎と二人まったりと会話をする。一時期、優兎は美鈴の件で怒鳴ってしまった俺に引け目を感じていたらしいが、俺は全く気にしていないからか優兎も割り切って普通に戻っていた。「真っ直ぐここに来たんだろう?美鈴には明日会うのか?」「美鈴ちゃん、今、里帰りしてるんでしょ?じゃあ、明日僕も帰るから今日中に会える、かな?」「この飲み会が今日中に終わるか?日付越えるだろ、どう考えても。会うのは明日の朝だな」「それは、確か
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-27
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』⑤)
片手にどうにか双子の娘達を抱え込み、ペンでまず俺の名前を書いた。「今佳織母さんに説明したのは俺の意思が生まれた一番最古の前世だ」「ふむふむ」「で、俺はここからまた、この世界に転生した」矢印を下に引いて俺の次の前世の記憶と書く。「そして、ここからリョウイチさんの干渉が始まる。そこまでは干渉ではなく見守りの状態だった。そして、なんでここでリョウイチさんの干渉が入ったのか。それは恐らく佳織母さん達の前世が繋がったからだ」もっと言うなら、佳織母さんにリョウイチさんが惚れたから、って事だろう。「けど今はリョウイチさんの視点ではなく俺の視点で話す。その次に真っ先に修正されたのは佳織母さんの立ち位置だ。それまで横暴だった佳織母さんはその修正により、佳織母さんの魂修正が入った。要はさっき佳織母さんが言った子供を大事にする要素だな。勿論他にもこまごまとあるだろうが、リョウイチさんが一番直しやすかった所から入ったんだろう」俺の名前の下に佳織母さん修正済みと書いた。「で、ここでリョウイチさんのミスが一つある」「…都貴静流、かしら?」「その通り。アイツが違う体に転生して、美鈴を狙い始めたんだ。その時はもう佳織母さんの修正が済んだ後。もっと言うなら、暫く他の世界を経由して来た後なんだよ」都貴静流の名前を佳織母さんの横に書く。「予想外の動きにリョウイチさんは次から次へと修正を繰り返した。数えきれないくらい修正したんだろうな。修正は沢山あった。暫く双子が生まれない時もあったし、優兎が転校してこず親に愛される、それこそ、所謂攻略対象者達と美鈴がくっ付いた時もあった。面白いのがそのどの世界軸でも俺は死んでいたって事だな」「そうだったの?」「あぁ。何度も死んださ。美鈴を想いながらな。何度も何度も修正を見て来たし、その数の多さの証拠があの都貴静流の転生体の多さだ」何度も何度も転生を繰り返し、発生した出来事を最初は何かしらでまとめていたが、最終的に佳織母さんに知らせる意味も込めて乙女ゲームと言う形をとったのだろう。「俺達は前世の記憶と言う形で混じり合ったが、本来人間の生は、命が終わった時点でリセットされねばならない。けれど、前世で繋がってしまったために新たな芽として生まれていた命が一つの大木として育ってしまった」「生の本流が出来上がってしまったのね」「そうだ。そして
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-26
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』④)
「ごほッ…」俺に届く筈の手は届かなく、美鈴はその場に崩れ落ちる。都貴静流の手には、赤く滴る血が流れるサバイバルナイフがあった…。「きゅ、救急車っ!!」優兎が兎の可愛い鞄から電話を取り出し、119番にかけている。「あ、あはは…白鳥さんッ、なんて、なんて美しいんだっ…」都貴静流がサバイバルナイフを空にかざして恍惚に呟く。「もう一度…もう一度その血を魅せてくれ…あぁ、堪らない…」「気持ち悪いんだよっ!!てめぇはっ!!」力の限りそいつの顔面を殴り付け、地面にそいつが座りこんだ隙に美鈴を抱き起す。口元から血を流す美鈴の顔はどんどん血の気を失って行く。「…ぉ…き…」「喋るなっ!今、病院に連れてってやるからっ!」「…さ、む、ぃ…」慌てて着ていたジャケットを脱いで美鈴の背中の刺し傷を塞ぐようにきつく巻きつける。「……ぉ…ぃ…どぉ、…こ…?」「美鈴っ!大丈夫だっ!俺はここにいるっ!」遠くから救急車のサイレンが聞こえて来た。俺は美鈴を乗せるべく抱き上げ立ち上がり、少しでも早く救急車に乗せれるようにと走った。目の前に救急車が止まり、隊員の人が出した担架に美鈴を乗せて、美鈴が救急車の中に運び込まれ、救急車はそのまま走り去っていく。救急車を見送っていた、その時。ドスッ―――。再び鈍い音が聞こえた。今度は俺の脇腹から。「邪魔…邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔なんだよぉぉぉぉぉぉっ!!」「それ、は、こっちのセリフだっ!!」痛みはあった。けど、今はそれすらも凌駕する怒りが俺を支配していた。殴り返して、争って、最終的に都貴静流の持っていたナイフが都貴静流の胸に突き刺さり、そいつは倒れた。見届けて、俺は血が流れる体を引きずって車に乗り込み、家へと帰った。ソファに座りこみ、止まらない血を手で抑えながらテレビを点ける。『先程速報が入りました。○○大学で起きた殺傷事件で男に刺された女子生徒白鳥美鈴さんが先程亡くなりました』…知っていた。あの状態から美鈴が息を吹き返す訳がないと。知っていたのに、まだ、何処かで…生きていてくれているんじゃないか、と。「………美鈴…。今、俺も逝く…」瞳から溢れる涙を拭う力すら消えた俺は、そのまま闇に落ちた…。※※※こうして俺が美鈴と恋仲になりホストを辞めて幸せになると誓ったその時に、都貴静流に美鈴は殺さ、そして俺もまた殺さ
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-25
Chapter: 小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』③)
美鈴に惚れた自覚を持って、それからまた一ヶ月後。「わ、私、鴇お兄ちゃんが好きっ」そろそろ来るだろうと思ってたが、予想外に早い美鈴から告白に俺は心の中でガッツポーズをした。俺らしくない?知るか。嬉しい時は喜ぶものだろう。「俺もだ、美鈴。愛してる」美鈴をきつく抱きしめると、美鈴はまた嬉しそうに笑った。この時の俺達は幸せの絶頂でいつまでもこの幸せは続くのだと、そう思っていた。ある日、俺は親父の勤めている会社へと美鈴とこれからも一緒に、あわよくば結婚する事を伝えに向かっていた。「…兄さん」「何故ここに?」声がして前を向くと、そこには双子の弟の葵と棗がいた。二人共俺と同じ血が流れているはずなのに、どちらも立派に大学へ通い、同時にアルバイトもこなしているようだった。「葵に棗?それはこっちのセリフだ。お前達は何故ここにいる?」「…白鳥の姓を抜けようと思いまして」「しがみつく価値のない家なので」「成程な」「兄さんは?」「似たようなもんだ」「そうですか。なら一緒に行きますか」葵の方から誘ってくるなんて珍しい事もあるものだ。俺はそうそうに白鳥家を出て行った。双子のこいつらがいることを知っていたのに。だから嫌われている筈なんだがな。何故こんな対応なのか解らずに。それでも断るのも気が引けて俺は双子の弟達と一緒に歩きだした。いや、歩き出そうとした。急に俺の携帯が着信を告げた。かけて来た相手を確認すると、そこには『美鈴』と表示されており、俺は慌てて電話に出た。「美鈴?どうした?」『鴇っ。どうしよっ。怖いっ』何時もの勝気な声ではなく、どこかに隠れでもしているのかか細く震えた声だった。即緊急事態だと理解する。「今、どこにいるっ?」『大学、の、空き教室の、ロッカー、の中…ッ』「解ったっ。いいかっ、電話、切るなよっ」『うん、…うんっ』俺が急ぎ来た道を引き返そうとした時、葵と棗が何故か引き止めた。「急いでるんだっ」「解っています。美鈴とは兄さんが保護した僕達の妹ですよね、義理の」「そうだっ」「オレ達も、妹に目を向ける余裕がなかったからね。少しばかり、手を貸させてよ」そう言って、双子は何処かに電話をかけている。「僕達の知り合いが義妹と同じ大学に通ってる。探して守って貰うよ」「…大丈夫なのか?」「それなりに強いよ。大丈夫」
ปรับปรุงล่าสุด: 2026-04-24
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