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◇レセプションパーティー 76

ผู้เขียน: 設樂理沙
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-18 06:12:44

76

 友人の星野から電話で聞いた話では今回のパーティーは商社に勤める

柿谷さんからの紹介らしかった。

 柿谷さんも私たちと同じ大学だったけれどグループが違っていた人だ。

 在学中に少し親しくしていたみたいで、たまたま最近繁華街で出会って

立ち話もなんだからとお茶して近況を話し合ってるうちに……ということ

らしい。

 学生時代からの友人星野は自分とは違い堅実にずっと同じ職場で

頑張っている。

 医科大で正社員として勤務している。

 昨今大学の事務員というのもほとんどが時給の契約社員とか

日給の派遣社員がほとんどらしいから流石新卒で入社して頑張ってるだけ

あるよね、星野は。

 私も当初は正規雇用の銀行員だったのにさ、なんでこうなっちゃったん

だろうなんて思う日もあったわ。

 でも伴侶を見付けるなら大手企業への派遣入社も悪くはないよね。

 実際、私は研究員のエリート捕まえたもん。

 ここはひとつ星野が良い男性《ひと》と出会えるよう協力を惜しまない

つもり。星野ぉ~、あんたいい友だち持ったね~。

          ◇ ◇ ◇ ◇

 金曜日の夜に彼女から再度連絡があり、私たちが参加するのは

レセプションパーティーで開催時間は17:00からと聞く。

 ホテルのチェックインの時間に合わせて行くことに決めた。

 夜は少し肌寒くなるかもしれないからとふたりともスプリングコートを

羽織って行くことにしたのでフォーマルなドレスの見せあいっこは

ホテルにチェックインしてからになった。

 星野はほどよいマキシ丈でウエストにゴムが入っているネイビー色の

シンプルだけど華やかさも併せ持つドレス。

 ハイネックマキシドレスで襟元のビジューがパールでドレスと相まって

彼女の印象に華やかさをプラスしている。

「星野、いいじゃない、そのドレスと襟元のパールのネックレス、

むちゃくちゃいいわ。きっといい男性《ひと》見つかるね」

「ふふっ、サンキュー。そう言ってもらうと心丈夫だわ」

 私はというと、今回クローゼットを覗いて黒のにするか今着ている

ペールブルーにするか迷ったけれど、透明感があって袖がシースルーの透け

たレース生地になっている清楚系デザインの丈短めドレスにした。

 私もネックレスはパールだ。

 ふたりでしばし、互いのドレスを褒め合いパーティーに向
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    105「お待たせしました、掛居です」「休日でお休みのところ、ごめんなさいね」「いえ、大丈夫です。自宅訪問の件ですが行けます。 伺う時間とサポート内容、場所、それから滞在時間の目安など教えていただけますか」「有難いわ、助かります。 詳細は後からメールで送るわね。 掛居さんに担当してもらうのは相原さんなの。 場所は……」 私は『相原』という名前を聞いた途端、頭やら耳の機能が停止してしまったようで、芦田さんの話してる言葉が何も入ってこなかった。 いゃあ~、人を差別するというか、この場合自分の好き嫌いで選別してはいけないこととは分かっているものの、先月の彼とのエレベーターでの出来事を思えば、どんな顔をしてサポートに入れるというのだ。「もしもし?」「あの、芦田さん、できれば他の人と……つまり芦田さんが訪問する予定のお宅と替わっていただけないでしょうか」「……」「掛居さんは私が受け持つ人とは面識がないし、というのもあるし、ちょっと恥ずかしいんだけど言っちゃうわね。 私、独身でしょ、だから男性のお宅へ伺ってサポートっていうのは恥ずかしくて」 それを言うなら私も独身、しかも花も恥じらう? まだ20代ですってば。「あ、掛居さんも独身だけど相馬さんとも親しくしているって聞いてるし、男性に耐性あるんじゃないかと思って」 そんなこと誰に聞いたんですかぁ~、保育所勤務なのにぃ~、噂って怖いぃ~。「付き合ってるのよね?」「いえ、付き合ってません」 えっ、私ってばそんなことになってるの、知らなかったー。 相馬さんは知ってるのかしら。「でも親しくしてるのはほんとよね?」「個人的に親しくしてないつもりですが……。 そうですね、彼の仕事を手伝ってるので職場では親しくさせてもらってます」

  • 『特別なひと』― ダーリン❦ダーリン ―❦   ◇突然の嵐 104

    104    夜間保育に係わるようになって3ヶ月目、秋も一段と深まり時に寒さが身に染みる季節になってきた。 あぁ、仕方がない、重い腰を上げる時がやってきたのだ。 本格的に冬物の衣類を収納ケースから取り出し、クローゼットに吊るさないとなぁ~などと花が休日の予定をぼぉ~っと考えながらまったりと寝起きのミルクティーで身体を暖めているところへ、芦田からの1通のメールが届く。 三居建設(株)の子育て支援はほんとに手厚い支援体制になっていて、子たちの親が病気になった時には保育士の手を必要としている場合、自宅訪問をしてサポートしてくれるのだとか。 芦田さんからの連絡はうちの会社ではそのような環境が整っていることの説明と今回正規雇用の保育士2人に対してHelp要請が3件入ってしまい、大変申し訳ないが可能な限り3人目のサポートに入ってほしいというものだった。 メールを読んだなら芦田さんまで電話してほしいと書かれてある。 サポート支援のことなんて今初めて聞いた。 おじいちゃんは知っているだろうか。 誰がこんなすごい制度を提案し作ったのだろう。 素晴らし過ぎるぅ~。 だけどしばし待たれよ。 私って元々保育所にいない人材でしょ。 今までは今回のようなシチュエーションはなく、無事上手く仕事が回っていたのかしら。 自分がサポーターとして社員のお宅へ出張って行けるのか行けないのか……迫られているというのにそんなふうな今まではどうしていたのだろう、なんてことばかり考えが過るのだった。 気が付くと15分ほど経過していた。 いけないっ……私は急いで芦田さんに電話を掛けた。

  • 『特別なひと』― ダーリン❦ダーリン ―❦   ◇遠くどこまでも遠い距離感 103

    103 目の前の女は俺の問い掛けには答えず、涙をためた目を見開いて穴の開くほどじっと俺を見ている。 ここで俺は大人げないことをしている自分の所業に気が付き、恥ずかしくなった。 そうだ、なんでこんなに彼女のことを構うんだ。 相馬の彼女だというのに。 自分の愚行にどっと疲れを覚えた。 ボタンから俺の指が離れ扉が開いた途端、スルリと彼女は俺の前からすり抜けて行った。相原清史郎《あいはらせいしろう》は周りから見られているイメージとは180℃違っていてウブで自分に自信のない人間だった。 そんな彼は女性に対しては中身重視。 好きになった相手とは絶対遊びで付き合えない。 相原は当初、相馬付のサポーターとして担当に着任した若くてそこそこ可愛い女子社員を見るにつけ、ご多分に洩れず多少の羨ましさを感じていた。 しかし、来る派遣社員、派遣社員、二人共長続きせずあれよあれよという間に辞めてしまい、女子社員と一緒に仕事をするというのは予想以上に難しいものなのだという認識を強くした。 彼女たちが辞めていった理由として周囲から漏れ伝わってきたのはモテ男相馬に恋心を抱いて玉砕したから、というものだった。 それ故、おばさん《おじさん》気質で周囲と同じようについ3番目に着任した掛居花の言動、つまり様子をそれとなく気にするようになっていた。 そんなふうに野次馬根性で気にかけていた女性《ひと》が娘の保育所に現れたものだからつい、興味を覚えたのだ。全く繋がりのなかった立場から細い糸で彼女と繋がれたのだから多少気持ちが浮ついてもしようがないだろう。  これは日常会話くらい話せるようにならなくてはと声を掛けるも、滑ってばかりのようで掛居から余り良い反応を得られず、普通に話せる間柄になるのには万里の長城(北海道から沖縄まで日本列島をぐるりと囲む距離)ほどもの距離があるのを感じ、寂しく思った。 そしてスマートに成り切れない自分に対して臍《ほぞ》を嚙む思いだった。

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