แชร์

第35話

ผู้เขียน: 藤永ゆいか
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-13 17:11:54

『今は……伊月くんと話したくないの』

彼にそう言ってから私は、家でも学校でも何となく伊月くんを避けるようになってしまっていた。

伊月くんの顔を見ると、『好きじゃない』と言われて傷ついたあの日のことが、頭を過ぎってしまって……胸が苦しくなるんだ。

「ねえ、陽菜。最近、伊月くんと話していないみたいだけど……もしかして、ケンカでもしたの?」

お母さんが眉尻を下げながら、聞いてきた。

「大丈夫。ただの兄妹喧嘩だよ」

余計な心配はかけさせたくなくて、私はお母さんに微笑んでみせる。

入籍した両親へのサプライズパーティーの日に、涙するお母さんと光佑さんを見て、二人の幸せを、家族の幸せを……絶対に守らなくちゃと思ったはずなのに。

これからはちゃんと、伊月くんの“妹”になると、決意したはずなのに。

お母さんを心配させて、どうするの。

伊月くんを避けたりして、これじゃあギクシャクしていた昔のあの頃に逆戻りだ。

やってることと言動がチグハグなことは、自分でも分かっているけれど。今の私には、こうすることしかできないんだ……。

**

伊月くんを避けるようになって1週間ほどが経った、ある日の放課後。

「陽菜ちゃん!」

耳慣れた明るい声がして振り向くと、亜嵐くんが。

「あれから、どう?元気?」

「まあ、ぼちぼちかな。あっ、この前はハンカチありがとうね」

「ううん。今度はハンカチじゃなく、俺の胸を貸そうか?」

おどけたように言いながら、両手を大きく広げてみせる亜嵐くん。

「ふふっ、ありがとう。気持ちだけもらっておくね」

「そう?まあ、陽菜ちゃんに胸を貸さずにすむほうが、俺としても良いんだけどね」

「え?」

「ううん。あっ、そうだ。今日、バスケ部の練習が休みなんだけど。良かったら、気分転換に一緒にカフェでも行かない?」

「カフェかあ」

バスケ部の練習が休みってことは、伊月くんも今日はいつもよりも早く家に帰ってくるってことだよね?

何となく気まずいし……。それに、亜嵐くんからのお誘いは、美化委員になったばかりの頃に、一度断ってしまったことがあったから。

せっかくのお誘いを、こう何度も断ったら申し訳ないよね。

「うん、いいね。行こう」

「やった!それじゃあさっそく、レッツゴー!」

こうして私は、亜嵐くんとカフェに行くことになった。

**

学校からしばらく歩いて、私たちは古民家カフェへとやって来た。

อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป
บทที่ถูกล็อก

บทล่าสุด

  • この度、元カレが義兄になりました   第36話

    ちょ、ちょっと待って。亜嵐くんが、私のことを好き?!突然の告白に、すぐには頭が追いつかない。「いきなりこんなことを言われても、困るよね?」「いや……」「最初は陽菜ちゃんのこと、ウサギみたいにちっちゃくて可愛い子だなぁくらいにしか思ってなかったんだけど」ウサギ……。「陽菜ちゃんは、美化委員の掃除も嫌な顔ひとつせずに頑張って。どんなことにも、真面目で一生懸命で。そんな君を見ているうちに、気づいたら好きになってた」……っ。まさか亜嵐くんが、私のことをそんなふうに思ってくれていたなんて。でも……こんなときでさえ、私の頭に浮かぶのは伊月くんの顔。「あの、亜嵐くん。私……」「いいよ、分かってるから」私が言おうとしたことを、亜嵐くんが優しく止めた。「陽菜ちゃんは……佐野のことが好きなんだよね?」亜嵐くんに、私はこくりと頷く。「私……伊月くんが、好き。今はお兄ちゃんだけど、私のことは好きじゃないって言われたけど……やっぱりすぐには、諦めきれなくて」声が震えて、目には涙が浮かぶ。「だから、亜嵐くんの気持ちには応えられないです」「いいよ。俺は全部分かったうえで、陽菜ちゃんに気持ちを伝えたんだから」「っ、ごめんなさい……」「謝らないでよ、陽菜ちゃん」亜嵐くんの顔は笑っているのに、何だか少し泣きそうに見えて。胸が締めつけられる。「俺の告白、聞いてくれてありがとうね」お礼を言いたいのは、こっちのほうだよ。私のことを好きになってくれたってだけで、嬉しいのに。「これからも、友達として変わらずよろしくね」「うん。こちらこそだよ」亜嵐くんが差し出してくれた手に、私も自分の手を重ねる。亜嵐くんは私にとって、これからもずっとずっと大切な友達だよ──。**中間テストが終わり、5月末。いよいよ、修学旅行当日がやって来た。集合場所の東京駅から新幹線に乗って、京都へと向かう私たち。2人掛けの席に羽衣と隣同士で座り、お菓子を交換したりおしゃべりをしているうちに、あっという間に京都駅に着いた。「着いたー!京都〜!」普段からテンションの高い亜嵐くんが、今日はいつも以上にハイテンションだ。「お腹空いたなあ。まずは、お昼ご飯食べに行く?」「せっかく京都に来たんだし、わたし湯豆腐が食べたいな」「湯豆腐か、いいねえー。俺は八つ橋食いたい!」亜嵐くんと

  • この度、元カレが義兄になりました   第35話

    『今は……伊月くんと話したくないの』彼にそう言ってから私は、家でも学校でも何となく伊月くんを避けるようになってしまっていた。伊月くんの顔を見ると、『好きじゃない』と言われて傷ついたあの日のことが、頭を過ぎってしまって……胸が苦しくなるんだ。「ねえ、陽菜。最近、伊月くんと話していないみたいだけど……もしかして、ケンカでもしたの?」お母さんが眉尻を下げながら、聞いてきた。「大丈夫。ただの兄妹喧嘩だよ」余計な心配はかけさせたくなくて、私はお母さんに微笑んでみせる。入籍した両親へのサプライズパーティーの日に、涙するお母さんと光佑さんを見て、二人の幸せを、家族の幸せを……絶対に守らなくちゃと思ったはずなのに。これからはちゃんと、伊月くんの“妹”になると、決意したはずなのに。お母さんを心配させて、どうするの。伊月くんを避けたりして、これじゃあギクシャクしていた昔のあの頃に逆戻りだ。やってることと言動がチグハグなことは、自分でも分かっているけれど。今の私には、こうすることしかできないんだ……。**伊月くんを避けるようになって1週間ほどが経った、ある日の放課後。「陽菜ちゃん!」耳慣れた明るい声がして振り向くと、亜嵐くんが。「あれから、どう?元気?」「まあ、ぼちぼちかな。あっ、この前はハンカチありがとうね」「ううん。今度はハンカチじゃなく、俺の胸を貸そうか?」おどけたように言いながら、両手を大きく広げてみせる亜嵐くん。「ふふっ、ありがとう。気持ちだけもらっておくね」「そう?まあ、陽菜ちゃんに胸を貸さずにすむほうが、俺としても良いんだけどね」「え?」「ううん。あっ、そうだ。今日、バスケ部の練習が休みなんだけど。良かったら、気分転換に一緒にカフェでも行かない?」「カフェかあ」バスケ部の練習が休みってことは、伊月くんも今日はいつもよりも早く家に帰ってくるってことだよね?何となく気まずいし……。それに、亜嵐くんからのお誘いは、美化委員になったばかりの頃に、一度断ってしまったことがあったから。せっかくのお誘いを、こう何度も断ったら申し訳ないよね。「うん、いいね。行こう」「やった!それじゃあさっそく、レッツゴー!」こうして私は、亜嵐くんとカフェに行くことになった。**学校からしばらく歩いて、私たちは古民家カフェへとやって来た。平

  • この度、元カレが義兄になりました   第34話

    伊月くんの口から『好きじゃない』という言葉を聞いて、これからはちゃんと彼の“妹”になろうと決意した私。だけど……。「……ごちそうさまでした」「あら。陽菜、もういいの?」失恋した日の夜。夕飯が喉を通らず残してしまった私に、お母さんが心配そうに声をかけてくる。「残しちゃってごめんね。ちょっと、食欲がなくて……」「陽菜ちゃん、もしかしてこの前みたいに風邪とか?大丈夫かい?」「えっと、実は……夕飯の前に、新発売のお菓子を待ちきれずに食べちゃって……」光佑さんに聞かれて、ついそんな嘘をついてしまった。伊月くんに振られたからだなんて、本当のことは口が裂けても言えないから。「もう、陽菜ったら。ご飯の前にお菓子は食べたらダメだって、小さい頃からお母さんいつもあなたに言ってたでしょう?」「ごめんなさい!次からは、気をつけるから」謝ると、私は急いで自分の部屋へと向かう。そして、部屋のベッドに思いきりダイブした。「はぁ……っ」口から無意識に、ため息がこぼれる。失恋したからといって、その相手が同じ家に住む『家族』だと、嫌でも顔を合わせないといけないのが辛い。──コンコン。「はい?」「……」部屋のドアをノックする音がして返事をするも、応答がない。もしかして、空耳だったのかな?「そうだ。亜嵐くんに貸してもらったハンカチ、洗濯しないと」思い出した私がハンカチを手に、部屋のドアを開けると。──ガチャッ。「え?」「陽菜。話があるんだけど……」すぐ目の前には、伊月くんが立っていた。「あのさ、陽菜が夕飯のときから元気がないのって……もしかして、俺のせいか?」「……っ」俺のせい?って。伊月くんは、どうしてそんなことを聞くの?そりゃあ食欲がなかったのは、伊月くんに『好きじゃない』って言われたのが原因だけど……本当のことなんて、言えるわけないじゃない。「伊月くんのせいじゃないよ。ちょっと学校で、嫌なことがあっただけで……」ハンカチを洗濯するため、伊月くんの横を通り過ぎようとしたら。「!」伊月くんに、腕を掴まれてしまった。「今朝のことだけど……俺は、実の母親みたいに、今の家族を壊したくなかったんだよ」え?実のお母さんみたいにって、一体どういうこと?「だから俺は、陽菜を……家族を、傷つけたくなくて」傷つけたくなかったって言うけど、私はもう

  • この度、元カレが義兄になりました   第33話

    「はぁ、はぁ……っ」私は教室を飛びだし、無我夢中で廊下を走る。『俺は……菊池さんのこと、好きじゃない』さっきの伊月くんの言葉が、まるで鋭利なナイフのように心臓に深く突き刺さって苦しい。伊月くん、私のこと好きじゃないって……。雨の日の相合傘も、ケーキ屋さんで頭をポンポンと優しく撫でてくれたのも……全部、義兄として?私たちは中学の頃に別れたから、伊月くんが私のことを好きじゃないのは、当たり前のことなのに。それ以前に今、私と伊月くんは兄妹なんだから。自分が彼の恋愛対象じゃないことは、もうとっくに分かっていたはずなのに……。いざ『好きじゃない』って伊月くんの口からハッキリ言われると、こんなにも辛いなんて……。私の目には、じわりと涙が滲む。それからもひたすら走り続け、気づいたら私は学校の屋上まで来てしまっていた。真っ青な空がどこまでも広がり、少しひんやりとした風が私の頬をくすぐる。「……っうう」涙が次から次へと溢れてきて止まらず、私はその場にしゃがみこむ。お母さんが光佑さんと再婚することになって、伊月くんと同居するようになって。中学の頃に別れてからギクシャクしていた伊月くんとの距離も、少しずつ縮まっていって。女の子にはそっけない伊月くんが、私には優しくしてくれるから。もしかしたら……って、期待してしまっていたのかもしれない。「……ははっ。ほんとバカだなあ、私」ひとり、自嘲したそのとき。「陽菜ちゃん!」聞き覚えのある声がし、慌てて目元の涙を拭って振り返ると……。そこには、肩で息をした亜嵐くんが立っていた。「ねえ、陽菜ちゃん。大丈夫?」「だっ、大丈夫だよ」ニコッと笑ってみせるけど、また涙がこぼれそうになる。「嘘だ。陽菜ちゃん、泣いてたんでしょう?」亜嵐くんの親指が私の目尻にそっと触れて、鼓動が小さく跳ねた。「俺、陽菜ちゃんの笑顔は好きだけど……自分が悲しいときは、無理して笑わなくて良いんだよ」親指を離すと、亜嵐くんが私にハンカチを渡してくれる。「これ、使ってないから。泣きたいときは、思う存分に泣けば良い」「っ、亜嵐……くん……」弱っていた私の心に、彼の言葉が優しく響く。「俺、屋上の扉の外に立って、誰も来ないように見張ってるから」私にふわりと微笑むと、亜嵐くんは屋上から出ていった。亜嵐くんの姿が完全に見えなくな

  • この度、元カレが義兄になりました   第32話

    【伊月side】入籍した両親への、サプライズパーティーの翌日。登校すると、なぜか教室内がザワザワしていた。「あっ、佐野くん!」そして俺は、森本をはじめとするクラスの女子たちに囲まれてしまった。朝から何なんだよ、いったい……。「ねえ、佐野くん。昨日、菊池さんと一緒に街にいたんでしょう?」「えっ?」どうしてそのことを、森本が知って……。「佐野くんと菊池さんが、二人で一緒にお花屋さんやケーキ屋さんで買い物してたらしいじゃない!」まさか昨日の……学校の誰かに見られていたのか?「二人は中学の頃に、付き合ってたって聞いたんだけど……まさか佐野くん、今も菊池さんのことが好きとかじゃないよね?」森本に尋ねられ、心臓がドキンと音を立てる。「俺は……」改めて陽菜を好きかどうか聞かれたら、もちろん俺は、今でも陽菜のことが好きだ。だけど……本当の気持ちなんて、言えるわけがない。昨日のサプライズパーティーで涙ながらに喜んでくれた、父さんや翔子さんの顔が頭に浮かぶ。父さんのあんなに嬉しそうな顔は、久しぶりに見たな。ふと、昨日の父さんの顔を思い出し、俺の頬が微かに持ち上がった。陽菜は、妹だから。俺が陽菜を好きだなんて言って、実の母親みたいに、家族を壊すわけにはいかないんだ。父さんの笑顔を……家族みんなの幸せを、守らないと。俺は拳をギュッと握りしめ、森本たちのほうを真っ直ぐ見据える。「俺は……菊池さんのことは、好きじゃない」俺はキッパリと言い切った。「俺と菊池さんの親が、仲良くて。それで、昨日は彼女と一緒に買い物をしていただけだから」再婚したんだから、互いの親同士仲が良いっていうのは本当のことだし。嘘じゃないよな。チラッと視線を横にやったとき、離れたところに立っている陽菜と目が合って……。「!」陽菜はほんの一瞬、顔を歪めると、走って教室を出ていった。「陽菜!」俺も咄嗟に廊下へ出て、陽菜のあとを追いかけようとしたが……。「っ!」後ろから誰かに、腕を掴まれてしまった。「追いかけてどうするんだよ」「長谷川……」俺の後ろに立っていたのは、同じバスケ部の長谷川亜嵐だった。「離せよ」俺は、長谷川を軽く睨む。「陽菜ちゃんは佐野にとって、元カノである前に……今は妹なんだろ?」「ああ、そうだ。陽菜は、俺の妹で……大切な家族だ」「だった

  • この度、元カレが義兄になりました   第31話

    買い物を終え、私たちは家に帰ってきた。伊月くんと協力してリビングを飾りつけ、料理を作って……急いでパーティーの準備をした。「ただいまー」ちょうど準備をし終えたとき、玄関からお母さんたちの声が。「陽菜、伊月くん……」「せーのっ」パンパンッ!パーンッ!!お母さんたちがリビングに入ってきたのと同時に、私と伊月くんは一斉にクラッカーを鳴らした。リビングには、ひらひらと紙吹雪が舞う。「父さん」「お母さん」「「入籍、おめでとう!!」」笑顔の私たちを見たお母さんは、口元を手で覆い、光佑さんは「まさか、二人がこんなことをしてくれるなんて……」と、目を潤ませている。お母さんと光佑さんにソファに座ってもらうと、私と伊月くんで花束とケーキを出す。「父さん、翔子さんを幸せにしろよ」「ああ、もちろんだ」伊月くんがケーキを切りながら言うと、光佑さんが力強く頷く。「このお花も料理も、二人で頑張って用意してくれたのね……ありがとう。こんなふうに二人に祝ってもらえて、すごく幸せだわ」オレンジのバラの花束を手に、お母さんが涙をこぼす。「もう、お母さんったら大袈裟だよ」そう言いながらも、私も胸がじんわりと熱くなる。今日、伊月くんと一緒に準備した時間も楽しかったし。お母さんたちに喜んでもらえて、本当に良かった。そして、涙するお母さんと光佑さんを見ていたら、二人の幸せを……家族の幸せを絶対に守らなくちゃいけないのだと、私は改めて思った。**パーティーの翌朝。学校に着いた私が教室に入ると、クラスメイトの視線が一斉にこちらへと集まるのが分かった。えっ、何?それに、教室がいつもより騒がしいような……。「あっ、陽菜!大変だよ!」私を見つけた羽衣が、慌ててこちらに駆け寄ってくる。「羽衣、大変って一体どうしたの?」「実は……陽菜と佐野くんが付き合ってるんじゃないかって、学校中の噂になってるんだよ」心臓がドクンと音を立てる。「つ、付き合ってるって、どうしてそんな……」「昨日、陽菜と佐野くんが街で一緒にいるところを誰かが見ていたみたいで……」うそ。昨日、お花屋さんやケーキ屋さんで買い物をするところを学校の人に見られていたの?「ちょっと、菊池さん!」戸惑っていると、クラスメイトの女子数人が私の机を取り囲んだ。伊月くんファンとして有名な、リーダー格の森本さ

บทอื่นๆ
สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status