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1-14.元廓の爆心地(2/3)

ผู้เขียน: 夜野たけりゅぬ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-19 11:00:28

 ヤオマン探しにも飽きて眼下に目をやると、広い庭と大きなお屋敷ばかりの高級住宅街が広がっていだ。元廓という地名からも分かるとおり、ここは江戸の初めまで遊郭があった場所だ。街道一の妓楼、阿波の鳴門屋が中心となって栄えたが、名妓夕霧太夫に邪な想いを寄せた男らに焼き討ちにあって町ごと焼亡した。いわゆる夕霧大火だ。遊郭自体は、その後今の辻沢駅周辺に再建されたが、阿波の鳴門屋も夕霧太夫も辻沢の人々の記憶から遠くなって今に至る。って冬凪から聞いた。

 そんな中にかなり広い円形の空き地が目に付いた。周囲は虎柄の工事用フェンスで囲われていて雑草が伸び放題だった。

「爆心地です」

 びっくりした。さっきの和装の女性がお茶菓子を乗せたお盆を手に真後ろに立っていた。

「失礼いたしました。驚かせてしまいましたね。私、前園家でメイド頭をしております。高倉と申します」

 高倉さんは和装だから年配の方かと思ったけど、こうしてお顔をよく見るとミユキ母さんと同じくらいのようだ。にしても綺麗な人。焚き染めなのかお着物から雨上がりの木の芽のような香りがしている。

「あれが爆心地の一つなんですね」

 冬凪が辻沢には爆心地が二つあると言っていた。一つは六道辻に。もう一つは元廓に。それぞれ辻沢建設オーナー千福邸跡とヤオマン前会長前園邸跡だ。つまり今見えているのは、ヤオマン前会長が爆殺された現場ということになる。なるほど放置なままなわけだ。

「奥様はそれはそれはお塞ぎになられまして」

 それはそうだろう。旦那が殺されたとなっては。

「いいえ、それはどうでもよかったのです。お塞ぎになられた原因というのは、20年前の四月に亡くなられた調由香里様のことでございます」

 え? 今あたしってば声に出して言った?

「いいえ、日香里奥様と調由香里様とは、幼い頃からの大の親友だったのでございます」

 なんか会話の流れが変な感じする。きっと高倉さんってば、相手かまわず話したいことを話すタイプの人なんだ。そうだ、そういうことにしよう。

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