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1 ずっと一緒に

作者: けいこ
last update 最終更新日: 2025-08-26 08:45:56

我がペンションは、3人のイケメン君達の企画の良さ、料理の美味しさ、お部屋の綺麗さ、お風呂の気持ち良さ、そして、私達のおもてなしが評価され、いくつかの雑誌のランキングで上位に入れてもらうまでになった。

オープンからまだ日が浅いのに、自分のペンションがランキングに入るなんて信じられないことだ。

まさしく3人とお義母さんのおかげだと思う。

丁寧な対応、様々なサービスに徹して、お客様の信頼も勝ち取ることができて、リピーターとして再度予約を入れてくれる方も増えてきた。

それに伴って、いつしか大きな利益が出せるようになり、ペンションをオープンして1年後の今、経営もずいぶん安定してきた。

いつも支えてくれているみんなの人生も大きく変化していて、それぞれ地に足をつけて頑張っている。

楽団のコンサートもこなしながら、ペンションの経営とピアノ演奏……本当に勢力的な祥太君。

優しくコミュニケーション能力が高い祥太君は、お客様への対応もピカイチで、1番お客様から写真撮影をお願いされている。

祥太君みたいなイケメンピアニストは、唯一無二。ファンの人達も、予約がなかなか取れなくても、長い間待って会いに来てくれている。

「祥太君!やっと会えたわぁ。5ヶ月も待ったんです、本当に嬉しい。毎回コンサートにも行ってます。チケット、死にものぐるいでゲットしてます」

「ありがとうございます。木村様に会えてこちらこそ嬉しいです。いつもコンサートにも来てくれて、本当にありがとうございます」

「コンサートでのピアノ演奏が私の心の支えです。今日は生演奏を聴かせてもらえるのを楽しみにしてます。もういつ死んでもいいわ」

「木村様。死んでしまったら、会えなくなります。それは寂しいので……お元気で長生きして、私の演奏を聞いて下さいね。本当に……感謝しています」

「祥太……君……」

1人の人間をこんなにも幸せにできるなんて、やはり祥太君と、祥太君のピアノ演奏は最高に素敵だ。

それに、お父様もコンサートを見てくれたようで、祥太君のピアノを聴いて泣いていたそうだ。

今までどれほど努力してきたか……それが報われて本当に良かった。お父様も、立派な祥太君の姿を見て心から安心されたと思う。

あと、祥太君は、今でも時々、私だけのためにピアノを弾いてくれる。

それがとても嬉しくて楽しみだった。

祥太君を、独り占めできる演奏会。

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