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言えない、その我儘 7

ผู้เขียน: 花室 芽苳
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-25 21:37:38

 嘘つき、か。拗ねたような顔でそう言う梨ヶ瀬《なしがせ》さんは、ちょっとだけ可愛く見える。だからと言って、この表情に騙されたりはしませんけどね。

 本気だというのなら、梨ヶ瀬さんも鷹尾《たかお》さんみたいになりふり構わない所を見せればいい。そうすれば少しは考えてあげなくもない。

 それに……

「梨ヶ瀬さんには、そんな風に一人の女を追いかけるのは似合わない気がします。もっと軽く上手に付き合える女性にしてはどうですか?」

 素直に自分が思っていることを言ったつもりだった。美人で梨ヶ瀬さんに合わせてくれる、そんな素敵な人がいるはずだと。

 なのに胸の奥がちくりと痛み、私はその感覚に気付かないふりをする。

「俺は似合う、似合わないで恋をするつもりはないんだ。その相手を好きか、そうではないか……普通はそうじゃないの?」

 至極まっとうな言葉で返されて、こっちが返答に困ってしまった。私は梨ヶ瀬さんが素敵な男性で自分とは釣り合わないから、そうやって自分とは感覚が違うんだと決めつけていた。

 それに気付かれ、一気に恥ずかしくなる。

「そう、ですね。私もそうです。変な言い方をしてごめんなさい……」

 さっきの発言を反省して素直に謝ると、梨ヶ瀬さんは微笑んで自分のトレーにあったコーヒーゼリーを私のトレーに乗せる。何なのかと思って彼を見ると……

「横井《よこい》さんが素直に謝ることが出来たご褒美、ね?」

 と、頭を撫でるような仕草をしてみせる。

 あえて触れないのは、周りで私たちを睨んでいる女子社員に気を使ってくれたのかもしれない。

「こんな時に子ども扱いしないでください、私は真面目に謝っているんです」

「じゃあ恋人扱いさせてくれる?」

 私の言葉をそうやって逆手に取るのは止めて欲しい。拗ねた私の態度を可愛いとでも言いたげな、梨ヶ瀬さんの視線が鬱陶しくてたまらない。

「それはもっとお断りです」

 だいたい私達は恋人同士でもないですし?

 告白に近い言葉は何度か聞かされたけど、付き合ってくれとは言われてない。まあ、梨ヶ瀬さんに付き合って欲しいと言われてもキッパリと断るって決めているが。

 そんな私たちの会話をハラハラとした様子で見守っている鷹尾さんと眞杉《ますぎ》さんには申し訳ないと思うのだが、梨ヶ瀬さんとのやり取りはまだ終わりそうにない。

「さっきは喜んでOKしますって、ハッキリ言った
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