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ステータスオープン!アデリナにまさかのチート能力が?

Author: Kaya
last update Last Updated: 2025-07-01 05:30:00

 あとは離婚後の悠々自適な生活のために、この小説の世界も勉強する事にした。

 一番のネックになってる、クブルク国の情勢とか、周辺国との関係とか。

 調べると確かに状況は芳しくなかった。

 本当にクブルクは弱小国で、軍事力、国防力といったものが他国と比べてかなり劣っている。

 確かに、アデリナの母国の加護がなければ、簡単に侵略されてしまうだろう。

 

 とにかく。何かこう、円満にローランドを納得させるような、決定打がないかな。

 とりあえず母国の父親に離婚と加護継続について手紙を送っといたけど(母国の言葉は自然と書けるという不思議)。

 まあ私にとっては全く知らない人なんだけどね。

 今日は天気が良かった。

 見栄えが良くなってきた庭園で、午後からのティータイムをホイットニーと一緒に楽しむ事に。

 

 「アデリナ様、お疲れでは?

 そろそろ休憩をされませんか?」

 「そうね。せっかくのティータイムに勉強なんて……」

 結局はテーブルの上で本を片手に勉強していると、ホイットニーが紅茶とお茶菓子を大きなワゴンに乗せて運んできた。

 この王宮で作られるタルトやケーキは、どれも美味しくて最高!

 「また離婚について勉強か?」

 出た…………!!

 「ローランド!あ、じゃない、陛下!?」

 そう。あの日以降。

 午後になると、こうやってローランドが度々ティータイムに顔を出しに来るようになってしまったのだ!

 本当に何なの?仕事は?暇なの?

 「……また今朝も食事に来なかったな。

 一体いつまで続けるつもりだ?」

 相変わらず不貞腐れたような顔をして、背後には似たような態度のランドルフを伴っている。

 今日も無駄にイケメンな顔と、完璧なスタイルが眩しい。

 本日のファッションは黒がベースか。
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