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第6話

Autor: 雪中の手紙
京奈は深呼吸をして、胸の奥で渦巻く怒りを無理やり押さえ込み、この突如として巻き起こったメディアの嵐に正面から立ち向かう。

「私の作品はすべて、私自身が独自にデザインしたオリジナルのものです。いわれのない告発については、一切認めるつもりはありません!」彼女の毅然とした声が、力強く響き渡る。

「プライベートな感情の問題については、私の個人的な事柄であり、今回の個展とは関係ありません。お答えする必要はないと考えます」

彼女はカメラのレンズを真っ直ぐに見据え、一歩も引かなかった。ただ、ギュッと握りしめた手のひらだけが、血の気を失って真っ白になっていた。

記者たちは顔を見合わせ、明らかにその回答に不満を抱いた様子で、次々と声を荒らげた。「青柳さん、それなら証拠を出してください!」

祐吏が手を振って警備員に指示を出し、彼らを入り口の外へと力ずくで押し留めた。京奈はその隙に控え室へと逃げ込んで、肩で息をした。

アシスタントがSNS上の彩緒の投稿を開き、怒りをぶちまけるように言った。「青柳さん、これ、明らかに意図的な嫌がらせですよ!今日の記者たちも、絶対に彼女が手配したんです!」

京奈は深く息を吐きながら、ネット上に溢れるコメントに黙々と目を通していった。

突然、1つの動画がポップアップで表示された。千輝のインタビュー映像だった。

映像の中の彼は、平然とでたらめを口にしていた。

「今回の個展は本来、彩緒のものです。当然、それらの作品も彩緒のものです。京奈に関しては、彼女が海外にいた数年間、私との連絡はほとんどありませんでした。今回の騒動はただの痴話喧嘩です。京奈のわがままな振る舞いを、どうか皆様には大目に見てもらえるようお願いいたします」

一瞬、京奈は雷に打たれたような衝撃を受けた。この言葉は彼が公の場で彼女の盗作を勝手に認めたも同然だった。悪意に満ちたコメントが怒涛のように押し寄せ、彼女を飲み込んでいく。

【マジで芸術界の恥だな!】

【人の作品をぱくるなんて、恥知らず!】

誹謗中傷が鋭い刃のように彼女の心へと突き刺さる。祐吏が彼女の手からスマートフォンをサッと取り上げた。「もう見るな。俺が解決してやる」

彼女は首を横に振り、毅然とした口調で答えた。「いいえ、結構よ。自分でできるから」

ネットの言葉は確かに胸を抉ったが、海外にいたこの数年間、京奈はもっと過酷な苦労だって味わってきた。

今、何よりも彼女の心を冷え切らせているのは千輝の裏切りだった。

「個展は予定通り続けてちょうだい。写真を撮りたければ、好きに撮らせて」アシスタントにそう指示を出すと、京奈はすぐにタクシーを拾って自宅へと向かった。

家にはたくさんのデザイン画が残してある。自分の潔白を証明するには、それで十分だった。

ドアを押し開けると、そこには千輝と、彼の両親が揃ってソファに座っていた。

京奈は湧き上がる不快感を無理やり押し隠し、千輝の両親に挨拶をした。「和彦さん、由美子さん。こんにちは」

井垣和彦(いがき かずひこ)は冷たく鼻を鳴らし、井垣由美子(いがき ゆみこ)はため息をついた。「京奈、私たちはあなたのことを小さい頃からずっと見守ってきたのよ。それなのに、自分がしでかした盗作騒動が井垣家にどれほど悪影響を及ぼしているか分かっているの?」

その言葉を聞き、2人がここへ責任追及に来たのだと瞬時に理解した。

京奈は静かな口調で答えた。「私は盗作などしていません」

由美子は眉をひそめた。「事ここに至って、まだ言い逃れをする気?千輝があなたを庇うために、うちが長年築いてきた名声まで捨てたというのに!」

京奈は顔を向けて千輝を見据え、冷たく笑った。「千輝、真相が何なのか、あなた自身が一番よく分かっているはずよ!」

千輝が怒りを露わにして怒鳴りつけた。「京奈、いい加減にしろ!お前がマスコミの前で彩緒に謝罪さえすれば、すべて丸く収まるんだぞ!お前は、月末の俺たちの結婚式まで台無しにする気か?」

――丸く収まる?その上、私が彩緒に謝れですって?

京奈はただ呆れ果て、滑稽の極みだとさえ感じた。

彼女は背を向けて自室へ戻り、引き出しの中からデザイン画の束をすべて持ち出してきた。「これは、私がこの数年間描きためてきたデザインの原案です。私の潔白を証明するにはこれで十分です」

そして千輝の両親へ向けて深く頭を下げると、決然とした口調で言い放った。「和彦さん、由美子さん。私の方から、千輝との婚約を破棄させていただきます」

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