بيت / ファンタジー / Lv1・Maxからのまちづくり / 第6話・望んでいたぼくらの小さな町

مشاركة

第6話・望んでいたぼくらの小さな町

مؤلف: 新矢識仁
last update تاريخ النشر: 2026-05-07 14:55:08

 正直、ショボい光景を覚悟して目を開けた。

 所詮はレベル1Maxのスキルだ、ボロ家の一軒でも立っていれば大ラッキーという気分で。

 ゆっくり開いた視線の先、眼の前にあるのは、門だった。

 衛兵がいてもおかしくないような、立派な門。

 左右を見れば、城壁と言ってもいい立派な塀。

 エアヴァクセンよりも立派な入り口だった。

「これ……は……?」

「おいおい、レベル1のもんじゃないぜこれは」

 盗賊団の皆さんも呆然と入口を見上げている。

 アナイナだけが、自分がやったわけでもないのに得意気に胸を張っていた。

「ほーら、やっぱり、お兄ちゃんじゃない」

 何だその威張り方は。

「い、いや、塀だけが立派だっていう可能性もある。中に入ってみないことにゃ」

 ヒロント団長の言葉に、アナイナを除いた全員が頷き、恐る恐る門をくぐる。

 恐らく身分などを改められる小部屋を抜けて、入った塀の中。

 中を見て、これまたアナイナを除いた全員が絶句した。

 門から奥に一直線に伸びる大通り。

 向かい合って並んで建つ、小さいけど立派な六軒の家。

 奥の方に食肉解体所。

 泉のあった場所には、屋根の付いた水汲み場がある。

 そして水汲み場の更に向こうに、倉庫や畑。少なくともここにいる全員が暮らしていけるだけの設備が整っていた。

「す……げえ……」

 ヴァダーさんの口は開いたまま。

「スキル学におけるレベル上限1の噂話を、昔、聞いたことがある」

 アパルさんが、呟いた。

「レベル上限が1なのは、それ以上上げる必要がないからの1なのだと……しかし、まさか、「まちづくり」とはいえ、ここまでの町ができるとは」

「でも小さいな」

 シエルさんの呟きに、フォローを入れてくれたのはヒロント団長だった。

「それは多分、今ここにいる全員が生きていけるだけの町、と思って作ったからじゃろう、そうじゃな、クレーくん?」

「あ、はい」

 人の住めない町が出来上がることも覚悟していたので、とりあえずここにいる七人が生きていける町、と望んだ。

「じゃあちょっと待て、エアヴァクセンのような千人規模の町を造ろうと思えば造れる、そういうことなのか?」

「いや、それは分かんない」

 やってみようと思ったこともないし。ていうかそもそも町が造れるとも思ってなかったし。

「これだけでも十分だろ」

 ヴァダーさんが町を見回して言った。

「人口七人の町でも、これだけで充分エアヴァクセンを超えている。家具や家財道具がなくても……」

 そして、一番手近の家のドアを開けた。

 その瞬間、空いたドアの向こうから光が放たれた。

「うお?」

 なんだなんだと一同が家の中に入る。

「これ……これは」

 ヴァダーさんの言葉が喉で詰まってる。大丈夫? 何か口の中にいれていてつっかえでもしたのか?

「これは……!」

 ヴァダーさん泣いてる? 何かあった?

 ぼくも家の中を覗いてみる。

 そこには、素朴だけどしっかりした造りの机や椅子、ベッド、タンスなどが揃っていた。と言うか、生活必需品と思われるものは全部揃っていた。

「俺の……俺の望んでいた家だ……」

 ぐすっと鼻をすすってそれを薄汚れた服の袖で拭うヴァダーさん。

「俺が、いつかこんな家に暮らしたいと思っていた……家具も、何もかも、そのままだ……!」

「ぇえ?」

 四人が外に向かって駆け出し、思い思いの家のドアを開ける。

 歓声とも悲鳴とも取れる声が辺りに響き渡った。

「オレの……オレの家……!」

「そうじゃ、こんな家に住みたかった……!」

「ああ、全面の本棚まで……!」

「ボクがエアヴァクセンで作ろうと思っていた家、そのもの……!」

「お兄ちゃん、わたしたちも入ってみようよ、ね?」

 自然に残った六軒目の家に入る……と同時に、部屋の中が発光。

 そして、目の前には、今朝ぼくが失ったぼくの家がそのまま蘇っていた。

「ほら、あの町長の言うことなんてアテにならないのよ。お兄ちゃん、エアヴァクセンの家の通り……ううん、それ以上に素敵なお家を建ててくれたじゃない!」

「ちょっと、ちょっと待って」

 興奮するアナイナを抑えて、眉間にしわ寄せて考える。

 えーとだ。

 スキル学には詳しくないんでよくわからないけど、ぼくのスキル「まちづくり」は、ぼくが考えただけでなく、その「まち」に住む人の希望とかなんとかも反映できるってこと?

 いや、アパルさんがスキル学のこと言ってたから聞いてみよう。

「お兄ちゃん? 何かあるのかもだけど、今は後からにした方がいいよ?」

 相変わらず分かりにくい言葉回しでアナイナがぼくを止めた。

「なんだよ」

「みんな、理想のお家で幸せいっぱい。多分誰もお話してる余裕はないんじゃないかな」

 そう言えば。

 ヒロント団長は家の入口に座り込んだままオイオイと泣いているし、アパルさんはそれまで生活の拠点だった洞窟と家を行き来し始めた。多分、これまで持っていた本を家に移動させてるんだろう。ヴァダーさんは家から出てこないし。マンジェさんも洞窟の外に干していた干し肉なんかを必死で移動させてる。シエルさんは上手く動かないと言っていた右手を突き上げて雄叫びあげてるし。

「……とりあえず、みんなが落ち着くまで待とう」

「うん、それがいいと思う」

استمر في قراءة هذا الكتاب مجانا
امسح الكود لتنزيل التطبيق

أحدث فصل

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第11話・町に必要なのは

    「これで、町長はお兄ちゃん。名前もグランディールに決まった」 アナイナは満足そうに言って、みんなを見回した。「これから、どうする?」「住民を集めるんじゃないの?」「いや、必要なものがある」「えー?」 自分の考えを反対されるのに慣れていないアナイナが。割って入って来たアパルさんに口を尖らせる。「何よ」「町の売りだよ」「空飛ぶ町ってのじゃダメなの?」「そうじゃない。ただ空を飛ぶだけじゃ、町の売りにはならないんだ」「なんでー?」「だって、不便なところもあるだろう? 今のところ、下に降りるにはグランディールを下ろしてやらないといけないし、上り下りする時にいちいち動かさなければいけない」「あ、そっか」 納得するしかない言葉を言われて、うん、とアナイナが頷く。「その不便さを背負ってでもこの町に引っ越してきたいという、こう、背中を押す何かがなければ、人は来ない」「じゃあ、みんなが来たいと思う素敵な何かを考えなきゃならないの?」「そう」 さすがのアナイナもこの難問にいつもの適当な答えを出せず、悩んでしまう。「売りはさておいて、人を呼ぶとして足りないものは?」 ヴァダーさんの言葉に、ヒロント長老苦笑い。「足りないものばかりだねえ」「食い物で足りないのは?」「肉。それと、種」 ヴァダーさんの言葉にマンジェさんが即答する。「これまでは森の中だったから獣は狩り放題だったけど、今は違う。鳥を狩る道具もない。あと、畑があって、だん、もとい、長老の「豊作」があっても、植える種がなきゃ穀物や野菜は育たない」「肉や種は買い入れるしかない、そして買うだけの金がない、と」「そういうことだ。ボクの食獣もまず獣がなければ使えない」「獣は「まちづくり」の中に入らないの?」「町民が自動で増えたりしてないから入らないんだろう」 アナイナの単純な疑問とアパルさんの明快な答え。「町民を招き入れる広さはどうなるんだい?」「それは「まちづくり」の中に入るだろう。最初に我々七人が住める町を町長が祈って出てきたのがこれだ、一人入れてみないと分からないが、恐らくは広がるかと」 シエルさんの疑問にこれまたアパルさんが切り返す。「あと、単純に人手が足りない」 これまたマンジェさん。「七人暮らせるだけの畑があったとしても、畑作に関わる人間が少なければ人は養えな

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第10話・町長と町名

     門まで行った、その光景。 塀で囲まれた部分と、門のすぐ外。 さっくりと切り取られたようになって、その先に地面がない。(まさか?!) その、まさかだった。 恐る恐る切り取られた先を見下ろすと、下には緑のもこもこ。森だ。 つまり……浮いている!「うっそ、本当に……」 盗賊団の皆さんも、ぼくと同じ思いだったらしい。「本当に空を飛ぶとは……」「嘘だろおい……」「なんで……」 呆然とした声が空に流れていく。 真下の山肌に洞窟が見えることから、今はこの町は真上に浮いているようだ。 それだけでとんでもない話だ。 しかも、それがぼく一人のスキルで。 レベル1、Maxの力で。SSランクの町に相応しくないと追い出された力で。 町長に見せてやりたいと思ってたら、風景が流れ出した。 この方向は……。「わ、ストップ、ストップ!」 明らかにエアヴァクセンへ向かい出したので、慌てて声に出して止める。 風景が流れなくなったのを確認して、ぼくは胸をなでおろす。「よかった~……焦った~……」「クレーくんの思った通りに移動することも出来るんだ……」「すごいな。世界中を回ることだって可能だ」「えー、なんで? なんでやめるの?」 アナイナが不満げに声をあげた。「町長に見せびらかすチャンスなのに」「今行ったら空の飛べる人たちに乗り込まれて町を奪われて終わりだよ」 アパルさんもうんうんと頷く。「捨てて逃げて、もっといい町を造ればいいじゃない」「クレー君が造って動かせると知れば、町長がクレー君を確保に動く。それこそ神殿の御神体のように扱われ、奴以外の誰にも会えないよう閉じ込められて町を操ることを強制されるだろう。場合によっては人を操るスキルの持ち主で……」「分かった。うん。お兄ちゃんをエアヴァクセンに行かせちゃいけない」 アパルさんの説明でやっとアナイナが納得してくれた。 アナイナが納得するなんて、さすがはアパルさん、勉強好き。説得が上手い。「あのさ」 ぼくは恐る恐る声をあげた。「一つ、いい?」「勿論」「本当に、町にしない?」 アナイナ以外全員年上、町から追い出されて苦労した人たちを前にこれを言うのは度胸が要った。でもぼくは言った。「この町はランク外。だから、紹介状もランク確認もいらない

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第9話・ならこっちから行けばいい

     ほっとしたぼくの耳に届いてきたのは、雄叫び。 なんだ、何があった? 何かあった? 服を着替える暇も惜しく飛び出すと、町はそのままで、並んだ六軒の家の一軒で、ヴァダーさんが雄叫んでいた。「ヴァダーさん?!」「家が……家が消えていない! 町も消えていない!」 ……そうだね、ヴァダーさん、ぼく以上に心配していたからね。目が覚めたら夢だとか消えてたとか。「さて、これからどうしよう」 変な場所に町を造っちゃったなあ……。 森の奥深く、野獣や魔獣が平気で出る場所。エアヴァクセンに気付かれない土地。他の町との交流しようがない僻地。 確かに畑があって獣を捕らえて捌く場所があって水も豊かな町になっているけど、見た目だけ。住人七人は正直町とは言えない。村ですらない。寄合だ。「う~ん」「どうしたの?」「いや、色々と」 この返事はアナイナのお気に召さなかったらしい。グイっと耳を引っ張られる。「痛い」「お兄ちゃん、わたしに言えないこと考えてたの?」「いや、そうじゃなくて」 言っても仕方のないことを考えてたんだけど。 アナイナは納得せず更に耳を引っ張る。身長差があるから結構痛い。「アナイナ、痛い、痛い」「じゃあ言ってよ。わたしに内緒で何悩んでるの」「言っても仕方ないから……」「言ってみなきゃわからないでしょ?」 家の前でわーわーやっていると、ヴァダーさんの雄叫びで起き出した人たちも集まってきた。「どうしたんだね?」「ヒロント団長」「お兄ちゃんが考え事があるのになんでわたしを頼ってくれないのかって言ってたの」「頼れないんだよ……」「この町に、何か問題でも?」 久しぶりにベッドで寝たというマンジェさんが不機嫌そうに言う。「いや……場所が、良くないんじゃないかと」「場所?」「他の町とも離れてるし、人がなかなか来れないところだし……」「ああ、そうだな」 シエルさんも難しい顔をする。「町と言うには人口もないし増える予定もないし……。一目この町を見れば、是非とも住みたいという人が出てくるんだろうがなあ……この素晴らしい町……」「最低でも五十人。町と名乗るにはあと四十人近い人間がいるが、追放者を呼び込むにしても街道からも遠い……」 アパルさんが唸る。「いっそ、町ごと持ち歩ければいいんだけど」 ぽつりと呟いたぼくの言葉に、アナイ

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第8話・スキル学

    「えっと。アパル、さん?」 綺麗に焼けた焼き魚の身を歯でむしり取りながら、アパルさんは「ん?」と言う顔をした。「スキル学を、勉強してらっしゃったんですか?」「んん? んん、まあ。「法律」なんてスキルのせいか、色々学ぶことが楽しくてね。盗賊に身を落としても勉学だけは捨てられなかった」 身を噛んで飲み込んでから、アパルさんは頷いた。そう言えば宴会前、洞窟から大量の本を家に移動させていた。どうやってあれだけの本を持って出られたのかちょっと不思議な気がする。 それはさておこう。今欲しい情報はそれじゃない。「スキル学って、どんなことを勉強するんですか? 確か「スキル学におけるレベルか上限1の噂話を、昔、聞いたことがある」とか仰ってましたね。レベル上限が1の法則。それ以上上げる必要がないからの1なんだって……」「ああ。スキル学の古い文献でそう言われている……。でも、多分、君の欲しい答えは、私が学んだスキル学にはないと思う」 目を丸くしたぼくに、ほろ酔い状態のアパルさんは苦笑した。「スキル学は、スキルについて研究するものだけど、スキルで何ができるかの実験などではないんだ。伝説や伝承を集めて、どんなスキルがあってどんな風に役立ったか、過去のことを調べる学問なんだ」「過去……」 ぼくは、スキル学はエアヴァクセンがやっているように、スキルの持ち主を集めてどんなことができるのか試す学問だと思っていた。だから、アパルさんの手を借りれば、この意味不明のスキルを理解できると思っていた。 だけど、違うらしい。 本来のスキル学は過去のデータを集めるものらしい。「だから、君が君のスキルとレベルで何ができるか、と言う未来を予測することはできない。実践してみないことには」「実践……」 アパルさんは器の酒を空けて、袖で口元を拭う。「その実践については、まったくもって悔しいことにエアヴァクセンが世界一なんだよ。あの町長は町を富ませ、SSSランクになることを悲願としている。だからこそ、スキルの成長研究に金を注ぎこんでいるんだ」 ……その町長に見限られたんだから、ぼくも相当なもんだろうなあ。「少しでも分かること、ありますか?」「そうだねえ……」 アパルさんは木の器を傾けながら唸る。「スキルとは、この世界を創り上げる精霊神が、気に入った人間に与えると伝承ではある。それ

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第7話・炎の舞

     盗賊団の皆さんが感動と号泣と荷運びを終えたところで、ぼくとアナイナがいる家にやってきた。 手に手に、焼けた魚だの炙った干し肉だの多分酒が入った壺だのを持っている。「……えーと?」「飲もう!」「えーと」 シエルさんの端的な言葉に悩んでしまったぼくに、ヒロント団長が笑いかけた。「儂らだけの町を造ってくれたお礼と、儂らのこれからを祝って、宴会をしようと言う話になった。主役は君だ。来てくれるかな?」「そ……」「喜んで!」 ぼくより先にアナイナが返事した。「アナイナ……」「こういう時はね、盛大にお祝いするのがいいの! みんなもそれを願ってるの! 何がどうあってもこの町を造ったお兄ちゃんがこの宴会の主役なの! お兄ちゃんがいないとお祝いにならないの!」「そういうことだよ、クレーくん」 ヒロント団長が大きく頷いた。「何のお返しにもならんが、せめて感謝させてくれ。エアヴァクセンから出てきたばかりの君らの舌には合わんかも知れんが、今儂らにできる精一杯で感謝させておくれ」「……じゃあ……うん、お邪魔じゃなければ……」「おいおい、妹さんも言っただろう、君が主役だと」 主役……ねえ。 ぼくは結構地味な子供だった。エアヴァクセンでは同年代の子供を集めて一緒に教育するけど、その中でもかなり目立たない方にランクインしていた。集団行動で町の外へ見学に行った時に、ちょっと用足しに行った隙に忘れられてみんな帰ってしまって、両親が慌てて迎えに来たことがある。 主役なんて、なったことない。 でも……一応この宴会は、ぼくの「まちづくり」に感謝してってことなんだから、ぼくが主役になるのかなあ。「行こ、お兄ちゃん!」 アナイナが手を引っ張って、盗賊団の皆さんがぼくを担ぎ上げて、わっしょいわっしょいと町の広場へ向かった。 宴会は、本当に素朴なものだった。 町の広場に火を焚いて、そこで肉や魚を炙りながら食べる。食料を持たされなかったぼくには半日ぶりの食事で、「食獣」のマンジェさんが美味しくしてくれている。 盗賊団……と言っても反エアヴァクセンを掲げたこの人たちは、話に聞く盗賊団と違って、移転者狙いでも旅をするのに必要な金と荷物は残すらしい。つまり、森の奥に金銀財宝を積み上げてさらってきた女を侍らせて……と町から離れて贅沢三昧、とは縁がない人たち。 狩った野獣や

  • Lv1・Maxからのまちづくり   第6話・望んでいたぼくらの小さな町

     正直、ショボい光景を覚悟して目を開けた。 所詮はレベル1Maxのスキルだ、ボロ家の一軒でも立っていれば大ラッキーという気分で。 ゆっくり開いた視線の先、眼の前にあるのは、門だった。 衛兵がいてもおかしくないような、立派な門。 左右を見れば、城壁と言ってもいい立派な塀。 エアヴァクセンよりも立派な入り口だった。「これ……は……?」「おいおい、レベル1のもんじゃないぜこれは」 盗賊団の皆さんも呆然と入口を見上げている。 アナイナだけが、自分がやったわけでもないのに得意気に胸を張っていた。「ほーら、やっぱり、お兄ちゃんじゃない」 何だその威張り方は。「い、いや、塀だけが立派だっていう可能性もある。中に入ってみないことにゃ」 ヒロント団長の言葉に、アナイナを除いた全員が頷き、恐る恐る門をくぐる。 恐らく身分などを改められる小部屋を抜けて、入った塀の中。 中を見て、これまたアナイナを除いた全員が絶句した。 門から奥に一直線に伸びる大通り。 向かい合って並んで建つ、小さいけど立派な六軒の家。 奥の方に食肉解体所。 泉のあった場所には、屋根の付いた水汲み場がある。 そして水汲み場の更に向こうに、倉庫や畑。少なくともここにいる全員が暮らしていけるだけの設備が整っていた。「す……げえ……」 ヴァダーさんの口は開いたまま。「スキル学におけるレベル上限1の噂話を、昔、聞いたことがある」 アパルさんが、呟いた。「レベル上限が1なのは、それ以上上げる必要がないからの1なのだと……しかし、まさか、「まちづくり」とはいえ、ここまでの町ができるとは」「でも小さいな」 シエルさんの呟きに、フォローを入れてくれたのはヒロント団長だった。「それは多分、今ここにいる全員が生きていけるだけの町、と思って作ったからじゃろう、そうじゃな、クレーくん?」「あ、はい」 人の住めない町が出来上がることも覚悟していたので、とりあえずここにいる七人が生きていける町、と望んだ。「じゃあちょっと待て、エアヴァクセンのような千人規模の町を造ろうと思えば造れる、そういうことなのか?」「いや、それは分かんない」 やってみようと思ったこともないし。ていうかそもそも町が造れるとも思ってなかったし。「これだけでも十分だろ」 ヴァダーさんが町を見回して言った。「人

فصول أخرى
استكشاف وقراءة روايات جيدة مجانية
الوصول المجاني إلى عدد كبير من الروايات الجيدة على تطبيق GoodNovel. تنزيل الكتب التي تحبها وقراءتها كلما وأينما أردت
اقرأ الكتب مجانا في التطبيق
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status