Home / BL / crisis / 47.*****

Share

47.*****

Author: よつば 綴
last update Last Updated: 2025-07-04 17:00:00

「芯····」

 芯の名前を零し、ハッと我に返る。

「へぇ····。俺に突っ込まれてんのに芯クン呼んじゃうんだぁ。妬けるなぁ」

 僕のお尻に爪を食い込ませ、力一杯鷲掴んで開く。直後、最奥まで一突きに貫かれ、一瞬意識をやった。

「おっ··、あっぶな」

 後ろに倒れそうになった僕を、奏斗さんが受け止めてくれた。なんだか今日は、奏斗さんの態度がおかしい。

 優しすぎて怖い。さっきの話だって、到底信じられないものばかりだった。

 けれど、もしも真実なのだとしたら、僕がこれまで味わい抱えてきた苦しみは何だったのだろう。ふと、虚無感に駆られる。

 あぁ、そうか。これは、僕たちを手っ取り早く堕とす為の作戦なのだろう。芯がなかなか堕ちないものだから、焦っているのかもしれない。

 僕を先に陥落させようという魂胆なのだろう。身体で堕ちきらないから心を砕きにきたワケだ。それを甘いと思える余裕。芯のおかげだろう。大丈夫、もう絆されたりしない。

 所謂、押してダメなら····というやつなのだろうか。今更、僕にそんなものが通用すると思われているのなら、甚だ腹立たしい。

 それなのに、身体が逆らう事を許さない。脳が、脊髄が、奏斗さんの言葉や一挙手一投足に反応してしまう。無論、僕の心とは裏腹に。

 いや、既に心さえ腐っているのかもしれない。口先だけで、芯への愛を盾に、どうにかこうにか凌いでいるだけ。

 まさか、あの頃とは違う奏斗さんに、醜悪な期待を抱いているのだろうか。そんなものは認めない。

 それに、どうしても拭えないのは芯への支配欲だ。奏斗さんが僕と芯を求めるのと同じように、僕は芯を求めている。それは未だ歪んでいて、それでいて純粋に愛を知りたいと足掻く。

 奏斗さんと2人で芯を可愛がっている時、心の底から愉しいと思っていた。そんな穢れた僕は、芯に相応しくないのかもしれない。

 芯を大切にした
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • crisis   50.*****

     芯から飛び出てくる言葉の真意が分からない。もしも、ここで答えを間違えると、全てが崩れ去ってしまうのだろうか。「僕は····」 正しい言葉を選ばなければ。芯を傷つけないように、奏斗さんを怒らせないように。 けれど、どれだけ思考を巡らせても正解は見つからない。きっと、そんなモノはないのだろう。それを理解しているからこそ、言葉を発せずに息が詰まるんだ。 段々と俯き、テーブルに並ぶ食器をただ見つめる。そうして僕が答えを思案していると、背後に来た芯が僕の頭をふわっと抱き締めた。「先生、大丈夫だよ。素直になれって言ったの気にしてんだろ? 簡単に言ってごめん。覚えてねぇんだけどさ、酔っててもアレが俺の本心だと思うんだ。だから··、な? やってみて先生が嫌だって思ったらやめりゃいーじゃん」 ポロッと涙が零れた。芯の深い優しさに、僕は甘えっぱなしでいいのだろうか。もし選択を間違えたとしても、芯は許してくれるだろうか。 張り詰めていた心が、ぐずぐずに解けてゆく気がした。「俺さ、先生の気持ちが知りてぇの。何でもいいから、先生が思ってる事教えてよ」 言っていいのだろうか。けれど、言わなければ何も変わらない。そもそもこれを受け入れてもらえないのなら、この先を共に過ごす事も難しいだろう。 勇気、それがどれほど莫大なエネルギーを消耗するか、僕はよく知っている。僕自身がこれ以上のダメージに耐えられるか、不安しかない。 しかし、逃げるわけにもいかない。どうしよう、心がボロボロと崩れていきそうだ。怖い。 震えが込み上げた時、僕を抱き締める腕にギュッと力が込められた。大丈夫、芯ならどんな僕だって受け入れてくれる。芯の温もりが、そう思わせてくれた。「僕は、奏斗さんと2人で、芯を··イジメるのが楽しかった。僕たちに堕ちていく芯が、可愛くて愛おしくて堪らなかった」「うん、それで?」「奏斗さんが、僕の知らない芯を引きずり出したのは悔しかった。それは、絶対に僕

  • crisis   49.###

     段々意識がハッキリしていく中で、奏斗サンのちんこを悦んで受け入れてる自分に吐き気がした。 先生は俺の下で今にも寝落ちしそう。つぅか多分、何回か落ちてる。よっぽど疲れてんだろうな。「奏斗サ··も··やめ····先生、もうちょい寝かしてやりてぇ」「あれ? 酔い覚めたの? ざーんねん、酔ってるほうが素直で可愛いのにぃ」 「··るせぇ。とにかく抜けよ」「は? 芯クンが『ケツ疼くから挿れてぇ』って強請ってきたんだろ。覚えてないの?」「知··らねぇよ。ンな事言うわけねぇだろ!」 嘘だ。薄らだけど記憶にある。目ぇ覚めたら奏斗サンのちんこがケツに当たってて、なんかすげぇ欲しくなったんだよな。 いや、違うな。先生のと勘違いしてた気がする。「あっそ、別にどうでもいいけど。俺がイクまで頑張ってなよ、大事なセンセー起こさないように──さッ」「ン゙ァッ··ふ··ぅ゙ぅ゙っ····」 思いっきり奥突きやがんの。んっとに、加減っつぅもん知らねぇんだよな。鬼畜っつぅか頭悪すぎんだろ。 んでこの後、奏斗サンは何十分も出ていかなかった。このクソ遅漏が。ちんこの感度死んでんじゃねぇの? 俺は、結腸でたっぷり精液を飲まされて気絶していたらしい。 目が覚めたら、先生が朝飯を作ってた。二日酔いに効くとか言って、しじみの味噌汁を出してくれたんだけど、これがすげぇ美味ぇの。 先生って、意外と家庭的なんだよな。絶対俺より嫁向いてんじゃん。俺、あんまそういうのやった事ねぇから満足してもらえそうにないんだけど。 ····って、そうじゃねぇんだわ。俺は別に先生の嫁になるワケじゃねぇの。だから、ンな事気にしなくていーんだよ。

  • crisis   48.*****

     ついに拒まれてしまった。弾かれた手が力無くベッドに落ちる。「しぇんしぇ····奏斗しゃんの事、またしゅきになってる」「な、なって··ない····」 奏斗さんをチラッと確認するが、僕たちの会話に興味を示さず、悠長に煙草を吸っている。冷蔵庫から勝手に持ってきたチューハイを片手に、僕たちを横目で見ているだけだ。「嘘ら。····なぁ、しぇんしぇは俺と奏斗しゃん、どっちがしゅき?」 なんと可愛い質問だろう。身体が動かないのか、仰向けに横たわったまま顔だけ僕に向けている。可愛さを助長するような体勢に、また下半身が反応してしまう。 まるで赤ん坊の様な芯。今すぐにでも抱き潰して泣かせたい。が、まずはこの肝心な質問に答えを返さなければ。「芯だよ。僕は、芯を愛してる。芯に愛されたい」「んへへ····そっか。しぇんしぇのバーーーッカ!」 突然の怒声に驚いた。何故罵られたのだろう。愛らしく微笑んだかと思えば、目に涙を溜め唇を震わせている。 そして、言葉を選ぶように、ゆっくりポツリポツリと話す。「俺のこと、しゅきなのは分かってっけろさ。えっと、なんらっけ····、そう! 自分の気持ちに素直になれよって言いてぇの。奏斗しゃんの事、迷ってんらろ。じゃーさ、もっと欲張っちゃえよ」「····え?」「俺ねぇ、2人がかりでイジメられんのしゅきぃ♡」 ダメだ。素直なのかイカれているのか、判断がつかないほど酔っ払っている。けれど、正気でない事は疑いようがない。「芯、欲張れってどういう事? え、イジメられたいの?」「有り得ねぇんらけろさ、イジメられんのも悪くねぇなって思っちゃうんらよね。ん

  • crisis   47.*****

    「芯····」 芯の名前を零し、ハッと我に返る。「へぇ····。俺に突っ込まれてんのに芯クン呼んじゃうんだぁ。妬けるなぁ」 僕のお尻に爪を食い込ませ、力一杯鷲掴んで開く。直後、最奥まで一突きに貫かれ、一瞬意識をやった。「おっ··、あっぶな」 後ろに倒れそうになった僕を、奏斗さんが受け止めてくれた。なんだか今日は、奏斗さんの態度がおかしい。 優しすぎて怖い。さっきの話だって、到底信じられないものばかりだった。 けれど、もしも真実なのだとしたら、僕がこれまで味わい抱えてきた苦しみは何だったのだろう。ふと、虚無感に駆られる。 あぁ、そうか。これは、僕たちを手っ取り早く堕とす為の作戦なのだろう。芯がなかなか堕ちないものだから、焦っているのかもしれない。 僕を先に陥落させようという魂胆なのだろう。身体で堕ちきらないから心を砕きにきたワケだ。それを甘いと思える余裕。芯のおかげだろう。大丈夫、もう絆されたりしない。 所謂、押してダメなら····というやつなのだろうか。今更、僕にそんなものが通用すると思われているのなら、甚だ腹立たしい。 それなのに、身体が逆らう事を許さない。脳が、脊髄が、奏斗さんの言葉や一挙手一投足に反応してしまう。無論、僕の心とは裏腹に。 いや、既に心さえ腐っているのかもしれない。口先だけで、芯への愛を盾に、どうにかこうにか凌いでいるだけ。 まさか、あの頃とは違う奏斗さんに、醜悪な期待を抱いているのだろうか。そんなものは認めない。 それに、どうしても拭えないのは芯への支配欲だ。奏斗さんが僕と芯を求めるのと同じように、僕は芯を求めている。それは未だ歪んでいて、それでいて純粋に愛を知りたいと足掻く。 奏斗さんと2人で芯を可愛がっている時、心の底から愉しいと思っていた。そんな穢れた僕は、芯に相応しくないのかもしれない。 芯を大切にした

  • crisis   46.*****

     何も言わず、僕を綺麗に洗ってくれる奏斗さん。壁に手をつかせ、後ろから容赦のない手マンで掻き出す。どうしてシャワーを使わないのだろう。 こんな事、今まで1度だってなかった。自分の置かれている状況が分からない。「か、奏斗さん····あの、自分でできます」 何が気に入らないのか、言葉を返してくれない。それがどれほど不安を煽るか、この人には分からないのだろう。「奏斗さん、やっ··そんな奥まで····」 アナルに捩じ込まれる指が深く、掻き出されているだけなのに達してしまう。「ねぇ··、何回イクの? 誘ってる?」「違っ──んぅっ」 不意にキスをされた。芯が教えてくれる、甘いキスだ。 ふと記憶が蘇る。こういうキスを、何度かされた事があるような····。はっきりとは覚えていないが、身体が覚えている。 不意に、奏斗さんの柔らかい表情がフラッシュバックした。いつのものだろう、知らないけど知っている顔だ。 結局、奏斗さんは僕のナカに収まり、掻き出した分より多くナカに注いだ。 そして、今度はシャワーで強引にナカを洗う。洗い終えると、僕を上に乗せて湯船に浸かった。僕を後ろから抱え、息を掛け項を熱くする。 この胸の高鳴りは、次の瞬間を怯える恐怖心の所為だ。そう言い聞かせておかないと、僕はまた、どうしようもない思い違いをしてしまうだろう。  緊張で強ばっていると、奏斗さんは風呂で芯にシた事を話し始めた。なんて酷い事を、そう思ったが同時に昂った。「あぁ··凄いビンビン♡ お前さぁ、俺と同類だったの? よくそれで俺に飼われてたよな。····辛かった?」「辛··かった、と思います。今思えばですけど。当時は&mid

  • crisis   45.*****

     僕がどれだけ虐めても、ここまで蕩ける芯は引き出せなかった。悔しい。芯の綺麗な背中を、痛々しい花で埋め尽くすのが僕である事。それだけが、正気を保たせる。 けれど、今はそれすらどうでもよくなってしまうくらい、快楽に溺れている自分がいる。 芯のナカが、僕たちの熱い液で満たされた。ちょろちょろとペニスを伝ってくるけれど、キツく塞いでいるから然程溢れてはこない。 今抜いたらきっと、あの芯が、エロスで見違えるほど艶やかになった芯が見られるのだろう。 けれど、奏斗さんの指示がなくては動けない。 あぁ、早く抜きたい。「芯クン、ケツ締めててね。俺らが抜いても零さないように」「はぇ····むりぃ」「無理じゃない。やれって言ってんの、分かるだろ?」「······はい」 一旦の反抗を見せる芯だが、2度目には従うようになった。従順とまではいかなくとも、逆らえない事を理解しているらしい。 きっと、頭ではなく本能で判断しているのだろう。 奏斗さんの指示に従い、2人同時に勢いよく引っこ抜く。可哀想に、自分では締めきれないらしい。 それを分かった上で命令を下した奏斗さん。常套手段だ。 いやらしい音を立て、お尻から止め処なく溢れさせる芯。愛らしくも妖艶だ。 奏斗さんにぶたれて、真っ赤に染まったお尻。ぽっかりと開いたままの穴から、滝のように溢れる僕たちの体液。ゾクゾクと込み上げるものが、僕の手を突き動かす。 お尻を開き、排泄を手伝ってあげる。奏斗さんは、芯の下腹を指で押し潰す。 獣のような可愛い声を漏らし、酷く泣きながら排泄し続ける芯。一体、どれだけの量が入っていたのだろう。 そして、意地の悪い奏斗さんは出し切るのを待ち、お仕置きだと言ってスキットルを突き刺した。「芯クン、お酒飲んだことある?」「····

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status