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第10話 本音

Author: 暁万里
last update publish date: 2026-06-04 07:01:36

 重苦しい沈黙が広がっていく。

 そんな中、最初に口を開いたのは拓真だった。

「澪」

 震えた声で澪の名前を呼ぶ拓真の瞳は大きく揺れていた。こんな表情を見るのは、交際を始めてからの三年で初めて見る。

「本当にごめん」

 拓真は苦しそうに眉を寄せた。

「俺、どうかしてたんだ」

「……」

 澪は何も答えることができなかった。相槌を打つことすら難しい。

「美羽ちゃんに相談されてるうちに、距離感がおかしくなって」

 その言葉に、美羽がびくりと肩を震わせたのが、澪の視界の端に見えた。

「拓真さん、それじゃあまるで私がそそのかしたみたいじゃない」

 わっ、と美羽は両手で顔を覆って泣き声をあげる。

「ち、違うんだ」

 拓真は慌てて両手を顔の前で振った。

「もちろん俺が悪い。でも、澪を裏切るつもりなんて本当に――」

「お姉ちゃん……!」

 美羽が澪の腕へしがみつく。

「ごめんなさい……っ」

 すがるような視線。

「私、本当にどうしたらいいか分からなくてぇ……っ」

 震える声。

 赤くなった瞳。

 それは、昔から見慣れた表情だった。そして、この表情をされると、途端に逆らえなくなる。

「私ね、お姉ちゃん
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