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第7話

مؤلف: 団子ちゃん
「がんではありませんでしたが、検査結果によれば、小林さんの体はかなり衰弱しています。すでに深刻な栄養失調の状態です」

医師は研人の疑念を読み取ったのか、静かに補足した。

「最近、ダイエットをされていたとか……?」

「女性が美を意識するのは分かりますが、食事制限はおすすめできません。特に小林さんのように健康にまで支障が出ているケースではね。これだけ顔色が悪ければ、がんだと誤解されてしまうのも無理はありません」

その一言で、研人の顔がぐっと険しくなった。

たしかに、みゆきは最近ろくに食事をとっていなかった。

病気のせいもあるし、研人の冷たい態度、そして彼に疎まれることに耐えるだけで精一杯だったから、食べ物を喉に通す余裕なんてなかった。

けれど、そんな事実は研人の目にはまったく違うように映っていた。

「俺を騙すために、わざと身体を壊したっていうのか?」

彼の眼差しは氷のように冷たく、真夏の太陽すら凍らせるほどだった。

「同情でも引きたかったか?哀れに見せれば、俺が心を動かすとでも思った?……みゆき、もう少し現実を見ろ!」

「違う、そんなつもりじゃ……」

涙はとめどなく頬を伝い落ちていく。研人は信じてくれないだろうと思いながらも、みゆきは絞り出すような声で否定した。

「本当に違うんだから……」

しかしどれだけ否定しても、検査結果を覆すことはできない。

研人はがっかりしたようにみゆきを一瞥した。「お前を、こんなふうに育てた覚えはない」

その一言はみゆきの心を鋭く貫いた。

研人はみゆきを病院に置き去りにしたまま、かれんの肩を抱いて去っていった。

それからの一週間、研人はみゆきに一言も口をきかなかった。

みゆきは何度も彼に話しかけようとしたが、そのすべては冷たい沈黙にかき消されてしまった。

そして、結婚式前日の夜がやってきた。

「明日、研人さんは結婚するよね……それでも、一言も話してくれないの?」

みゆきはそっと視線を落とした。長い睫毛が影を落とし、その顔には深い哀しみが刻まれていた。

研人の目は相変わらず冷たいままだった。

「……もう俺を諦めたか?」

「うん、諦めた」みゆきは目に涙を溜めたまま、静かに頷く。

「今度こそ、本当に嘘じゃない……私はもう、嘘をつかないよ」

それは確かな本音だった。もうすぐ死ぬのだから、これ以上嘘をつくことができない。

研人は赤くなったみゆきの両目を見て、彼女の言葉を完全に信用していなかった。

それでも――彼の心は、ほんのわずかに軟らいだ。

長年丁寧に育ててきたバラのような存在に、永遠に背を向けることはできなかった。

「……明日、俺とかれんの結婚式に出席しろ。心から俺たちを祝福してくれるなら、今回のことは水に流してやる」

研人は冷たい声で告げた。

「いいか?余計なことはするな。俺はかれんを選んだ。お前がどれだけ騒いでも、その事実は変わらない」

みゆきは視線を落としたまま、小さく答える。

「……騒いだりしないよ」

その素直で静かな態度が、かえって研人の胸を痛めつけた。

理由のわからない焦燥感が心を蝕み、彼は目を逸らして、もう彼女の顔を見られなくなった。

みゆきは、その瞬間にぽつりと呟いた。

「研人さん、結婚式には出席する。でも、一つだけお願いがあるの。式が終わったあと、一緒に食事してくれない?」

研人とかれんの式は教会式で、昼前には挙式が終わる。

「明日は……私の誕生日なの。今まで、誕生日はずっと研人さんが一緒にいてくれた。だから最後に一度だけ、一緒にいてほしいの。

無理なお願いだってことはわかってる、でも式の邪魔はしないよ。午後四時はどう?その時式もきっと終わってるから。私とケーキを一口だけ食べて、『お誕生日おめでとう』って言ってくれたら……それだけで、私は満足なの」

あまりにも些細なお願いを、研人は断ることができず、ぎごちなく「わかった」と返した。

その夜、みゆきは一睡もできなかった。

目を開いたまま夜を越え、夜明けと同時に起き上がり、身支度を整えて研人の結婚式へと向かった。
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