Share

ポリクリ④

Penulis: 佐藤紗良
last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-27 20:00:55

「越乃先生の許可は取ってある」

 そんな風には見えなかった。それともあらかじめ、そんな段取りになっていたのかもしれないが、それならば越乃はあんな顔をしなかっただろう。

 佐加江は、大勢に囲まれうつむく事しかできなかった。羞恥で耳まで真っ赤になり、心臓は壊れたようにドクドクと鳴っている。そんな佐加江の事など気に留める様子もなく、学生が用意したキャスター付きの椅子に座った藤堂はラテックス製の手袋をはめ、未発達な陰茎、陰嚢を触りながら「やはり小さいね」と言い舐めるように見ていた。

「この子は越乃 佐加江君、十四歳」

「越乃先生のお子さんですか?」

「血のつながりはない。亡くなった知り合いの子を越乃先生が育てているんだ」

 物心ついたころから越乃と一緒にいる佐加江に、両親の記憶はない。自宅の火災で亡くなったと聞いているが、写真すら燃えてしまったらしく佐加江は両親の顔も知らない。だから「おじさん」とは呼んでいるものの、越乃のことは本当の父親だと思っている。ただこの場にいる学生にそれを言う必要があるのか、佐加江は疑問だった。

「佐加江君は、オメガだ」

「オメガって……、あのオメガのことですか?」

「そう。第二の性のオメガだ。そろそろ発情が起こってもおかしくない年頃だ。そこのCT画像を見ると、前立腺のところに黒くなっている部分があるだろう。それが前立腺小室。男性器とは違って、しっかりと発達している」

「前立腺小室?」

「男の子宮だ。高齢者の中にはまだいるが若年の症例は、もう見ることはないだろう。皆、よく勉強させて頂きなさい。誰か、キシロカインゼリーをもってきてくれ」

 どよめき立つ学生のうち一人が、弾かれたようにカンファレンスルームを出て行った。残った学生は手袋をするように指示されている。

「や……、やめてください」

 テーブルの上へ乗せられた佐加江は膝を曲げ、横を向かされた。安全への配慮に気付いた学生が、佐加江の手足を軽く押さえつける。教授の手前、気を利かせたのだろう。が、それによって

Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑯

    あれから数週間ーー。 田んぼの稲が刈り取られても、浩太が東京へ帰る気配はなかった。 今日は神事前に村人総出で鬼治稲荷の掃除をすると言っていた。が、今にも雨が降り出しそうな空模様。どんよりと黒い雲が立ち込めていて時折、ヒュルッとつめたい北風が吹く。「佐加江、行ってくるよ」 「僕は行かなくていいの?」「最近、疲れてるだろ。休んでいなさい」「ありがとう」「仏壇の前に届いた着物が置いてあるから、袖を通しておきなさい。佐加江の好きな曼珠沙華の刺繍が入った反物で作ってもらったんだ。とても気にいるはずだよ」 掃除に参加する浩太は先に外へ出て、こちらをジッと見ている。視線を逸らした佐加江は、たとう紙に包まれた着物を手に、自分の部屋へ向かった。 姿見の前で服を脱ぎ、佐加江は思わず目を背ける。 下腹には、殴打された跡が褪せたものと新たにできた黒紫の表現しがたい色の痣があり、乳首は糸で括られていた。青藍に「また明日ね」と約束した日には、こんな身体をしていなかった。 姿見から離れ、部屋の隅で白い着物を身にまとった。裾にある曼珠沙華は生地と同じ色で、佐加江の好きな火花を散らしたような赤ではない。燃え尽きて灰になったような真っ白な地獄花ーー。 いつも皺一つない装束を身につけ、凛とした青藍の立ち姿は美しいとしか形容が思い浮かばないほど麗しい。が、それに比べ、今の自分はまるで死人のようだ。 今だったら何の束縛もなく鬼治稲荷へ向かえるというのに、今日はあの場所に村人が集まっている。「鬼様……」 青藍と気安く口にできなくなっていた。会いたいと思うこと自体、今の佐加江には贅沢だった。こんな醜い身体では嫌われてしまう、ならば初めて交わった時の姿のままで記憶に留めておいて欲しい。 鼻の奥がツンとした佐加江は、着物を羽織ったまま自身を抱きしめ、泣き崩れた。 曇り空は影を作らず、障子に締め切られた窓を小さくコツコツと打つ音が聞こえる。その微かな音に、佐加江はビクッと震えた。「佐加江」 返事を待つように沈黙が流れた。 そこに青藍の気配がある。(青藍、助けて……) 一人きりになる時間もなく、もしかしたら浩太との事も見られていたかもしれない。いろいろな整理できない感情が入り混じり、声を出すことができなかった。「入っても良いですか」 許可など得なくとも、あやかしは入

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑮

    何が浩太をここまで駆り立てるのか。 幼い頃から家庭では特別な扱いを受け、母からは溺愛されていた。が、それは父の前でだけだと気づいてしまった瞬間があった。 なんでも卒なくこなす血の繋がりのない優秀な浩太を母は気味悪がり、彼よりもはるかに劣る兄たちを可愛がっている事は、浩太の目からも明らかだった。「さてと、今日は何して遊ぶ?」 「お、おじさん。すぐ帰ってくるって言ってたから……」「タイヤがパンクしたら、すぐには帰って来られないよね」「え?」 浩太は包丁の刃先で、佐加江の腹を十字に切るふりをする。「痛く、しないで」 「どうして?痛くされるの好きでしょ。我慢できなくて、すぐ射精しちゃうもんね」 浩太はゲラゲラと笑い、シュンシュンと湧くやかんの火を止め、佐加江を部屋へと引きずって行った。 昼間、宅配業者が佐加江宛の荷物を届けにやってきた。それは、その場で浩太に取り上げられたのだが、送り主の名前も住所も佐加江の身に覚えのない配達物だった。それを浩太が佐加江に渡してくる。「ほら、佐加江さんのファンからだよ」 「ファンって……」 「佐加江さんを見て、毎晩ヌいてるってんだって。よかったね、オカズにしてもらえて佐加江さんも嬉しいね」「送ってくれたって、ここの住所を……ッ」 浩太が手を振り上げる仕草をしただけで、佐加江は頭を隠し、畳の上へうずくまった。「早く脱げよ、もう分かってるだろ」「いや、もう本当に嫌なの」 着ていたカーディガンを剥がれた。爪を噛んでいた手を取られ、いつものように後ろ手に縛られる。そして面倒だったのか、浩太は佐加江のシャツに両手をかけ引きちぎった。「いやぁ……」 ボタンは飛び散り、佐加江の顔は涙でグチャグチャだった。毎日、糸で縛られる乳首は醜いほどに肥大し、つい一ヶ月前まで、どこも未使用だった身体が日々、変形して行く。「ヒ……ッ」 「かわいい」 爪弾かれた鬱血した赤黒い乳首に青藍が愛撫した形跡は、もう残っていなかった。 マスクをした浩太が、興味深げに届いた箱の中を覗いている。手にしたポーチのファスナーを開けると形状は同じだが、太さが異なる表面が滑らかな金属製の棒が数本あった。尿道を開発するためのプジーだ。「これ、リクエストみたい。手紙が入ってた。『彼氏さんも言うこと利かないメス穴にお困りでしょう。すぐ射精してし

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑭

    「佐加江。カルテの整理はそれくらいでいいから、夕飯の支度を頼んでもいいか。 往診へ行ってくるから」 「あの、おじさん」 青藍の元へ逃げ出す機会は、全くなかった。 診療所を手伝っていた佐加江は、着ていたカーディガンの前を合わせる。浩太が面白がって、佐加江の裁縫道具の中にあったミシン糸で両の乳首を縛りあげているからだ。シャツに擦れるだけで、身体がビクッと打ち震える程に佐加江の身体は作り変えられていた。「あの、お塩がなくて、買ってこないといけないから出かけてもいい?」 「往診に行きながら買ってくるよ。太田さんのところだから、すぐ帰れば夕飯の支度には間に合うだろ」「あ、うん。あの……」「具合でも悪いか、佐加江」 ほてった顔をした佐加江を心配して、越乃が額に手を当てた。それを払うように首を横へ振り、越乃の手が肩に降りてきただけで佐加江の鼓動は早くなっていた。「じゃぁ、行ってくるよ」 夕飯後、神事の準備で村の寄り合いに出る事が多くなった越乃は、家で起こっていることに気付いていない。 浩太は巧妙に世間知らずな元上司の息子を演じ、佐加江の前でだけ本性をあらわにする。「佐加江さん。さっき越乃さんに何か言おうとしただろう」「僕は、何も……」 越乃が診療所を出ると同時に浩太が足音を立て、誰もいない診療所へ入ってきた。 足早に佐加江は台所へ向かうが、浩太は診療所から戻って来ない。引き出しなどを開ける音が聞こえ、気になってそっと覗くと何やら探している様子の浩太は、デスク下の金庫を睨みつけていた。「こ、ここは、おじさんの診療所よ。お願いだから、おじさんに迷惑かけるような事だけは……」 佐加江は爪を噛んだ。「この中身、何か知ってる?」 佐加江は「知らない」と答え、夕飯の支度を始めた。 服で隠れる所を浩太は何度も殴る。 特に下腹部は身体が壊れるのではないかと思うほど、サッカーのキーパーが敵のゴールラインを目指すような勢いで蹴るのだ。「なぁ」 台所へ入ってきた浩太に佐加江の身体は強張り、手にしていた包丁を落としてしまった。けたたましい音を立て、避ける間もなかった佐加江の爪先の数センチ先へ落ちる。「ごめんなさい、ごめんなさい! 蹴らないで」 腹を抱えてしゃがみ込んだ佐加江の怯えた態度が浩太は気に入らなかったのか、訴えも虚しくいつものように佐加江は

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑬

    「鬼殿。今日で、何日目だ」「何のことでしょう」 「とぼけるのが上手くなったのう。佐加江が鬼殿を呼ばなくなってだ。わかっておろう」「人の暦で、七日目でございます」 「お前は心配ではないのか!」 「七日など、私にとっては瞬き程度のいくばくもない時でございます」 青藍は屋敷の地下回廊を歩いていた。窓ひとつなくひんやりとした回廊は風も吹かず、本来は真っ暗なのだが、そこには幾千、幾億と言う命の灯火が燃えていた。 粛々と燃える物もあれば、回りを巻き込むほどの激しい炎をあげる物もある。そして、静かに消え行くーー。 青藍は一本の灯火の前で足を止める。 その、蝋燭にも似た炎は弱々しく命を燃やしていた。 「人の気持ちは移ろいやすいものです。天狐様もよくご存知でしょう」 「佐加江の気持ちが移ろった事など、一度もなかったわ」「天狐様。鬼は、何もできませぬ。千里眼も読心術も持たぬゆえ……。そんな私は、心の拠り所にもなれなかったのかもしれません」 灯火を撫で、回廊をまた歩き始めた青藍は書斎へと戻り、書架にある台帳を手に取って椅子に掛けた。「佐加江を早くこの世に連れて参れ。最近、稲荷が騒がしい。神事が行われたら大事になるぞ」「本紋を刻むまで、佐加江はこちらで生きてはいけませぬ」「お前が毎晩、精を注いでやればよかろう」 最後に会った晩、なぜ佐加江は紋の事を改めて聞いたのか、青藍はずっと考えていた。単に思い過ごしか、あるいは良からぬ事を考えているのか、青藍には佐加江の胸中を知る術はない。 万が一、大事が起こってしまったら一族の中で大罪となる。が、その罪をかぶる覚悟は、とうにできていた。「ーーたとえば、私があの村で大事が起こることを望んで、呼ばれているのに出て行かぬとしたら」「何を言うておる」「人への積年の怨みを晴らすために人をそそのかし、成就するのを待っているとしたら、天狐様はどうされますか」「お前は、佐加江を何とも思ってないとでも言うのか。あんなに愛おしげに抱いていたではないか」「私は、天狐様とは違いますゆえ」「お前は……、甲を道具として使うな。それでは、あの村の者とやっている事が同じだ」「何とでも」 「解せぬ」 大きな尻尾を翻し、天狐は青藍に一瞥をくれ書斎をあとにした。と、地下へと続く階段を駆け下りてくる息遣いが聞こえる。「おや、死神殿

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑫

    この時間、青藍は祠の扉をノックされるのを待っているだろうか。 部屋を仕切っている襖は開け放たれていた。浩太に監視されている感じがたまらなく、佐加江はそちらに背中を向け、布団を頭から被っていた。が、背後から襲ってくるかもしれないと思うと、目が冴えてしまって寝付けない。「佐加江さん」 爪を噛み、慌てて目を閉じて寝たふりをする。ずっと布団に潜っているせいか汗が滲んだ佐加江の額には、柔らかな髪が張り付いていた。「うっっ」 「残念だったね」 浩太が脇腹あたりに馬乗りになった。顔に掛かった布団を剥がれ、目の前には例のSNSの画面がある。 時刻は、二十三時五十七分。「こう言うセンシティブな内容は通報されちゃうから、投稿してフォロワー稼いだらさっと消しちゃうのが一番なんだよね」 そこにあったはずの画像は削除され安堵したものの、フォロワーは三桁に満たない数だった。「三十秒前……。十五秒前」 公園のバネの遊具で遊ぶように腰を振りながら、浩太は時間が過ぎるの楽しそうにを待っている。「重い……、浩太さん」 カウントが進むにつれ、浩太の動きが激しくなる。腰骨にゴリゴリと体重をかけられ折れそうで、振り落そうとするが浩太はビクともしない。「さん、に、い~ち!ざんね~ん!」 浩太は楽しそうにスマホをいじり始めた。聞こえてきたのは、昼間のあの言わされたセリフ。佐加江自身、自分のものとは思えないほど甘ったるい声だった。「佐加江さんも見たい? 編集したから良くできてるよ」 零時を過ぎたスマホの画面には剃毛した動画の一部始終が晒されており、刻々と拡散されフォロワーが増えて行く。「やだ! やめて……」 カイボウした同級生も同じような事を言っていたような気がするな、と浩太は思い出し笑いをしていた。「それが、人にお願いする態度なのかな」 浩太の服を引っ張り、スマホを取り上げようとする佐加江の顔は布団で覆われた。浩太がその上へ跨り、佐加江は息が苦しくて手足をばたつかせた。足元の布団は捲れ上がり一発の拳が股間に打ち込まれ、佐加江の動きは止まった。「子宮がある男とか、マジで気持ち悪い。どうせなら、ちんぽ切っちまえよ。男なのか、女なのか意味がわからねぇ」 それから何発も下腹部を殴打された佐加江は、意識を失った。 朝方、目が醒めると尻に違和感を感じた。 冷蔵庫に冷

  • あやかし百鬼夜行   百鬼夜行⑪

    「見栄えが悪いから、毛を剃ろうか」 そのためのカミソリだった。浩太はスマホを構え、笑っている。「動画撮るから、いやらしく塗り広げて」 佐加江は首を横へ振るが、彼は全て無視を決め込んでいる。「佐加江さん、約束するよ。フォロワーが今日中に百人超えたら、このアカウント消してあげる。だから、頑張って」 一度、ネット上に出回ってしまった物は簡単に消す事が出来ないことくらい、佐加江だって分かっている。コピーされてしまえば、元を消したって意味がない。 前屈みになってうずくまり、額を畳に擦り付けて嫌だと無言の抵抗をする。 浩太は聞き分けのない子供に呆れる親のような溜め息を吐き、佐加江の机の中を漁り始めた。「やっぱり保育園の先生って、持ってるものが子供っぽいんだ」 園児からもらった手紙や折り紙などが入った引き出し。その中から浩太が手にしたのは、仕事用に買ってあった薄桃色のマスクだった。 それをつけた浩太に佐加江は目を疑った。 マスクをつけ、目を細めて笑った浩太が自分を鏡に写した顔とよく似ているのだ。 浩太は二人が映るようスマホを置き、背中を抱くようにして佐加江を羽交い締めにした。そして、企みとは裏腹に、優しく手をとってクリームを塗り広げ、カミソリをそっと握らせる。「動いたら、危ないからね」 耳元で囁く浩太は、マスク越しの唇で佐加江の耳たぶを噛む。不織布がカサっと鳴り、ゾクッとして身体が跳ねると同時に当てられた刃先に、佐加江は涙を流しながら猿轡を噛んだ。 サリ、サリ……。 薄い毛が刈られる。 カミソリがクリームをこそぐ感触が手元から伝わってくる。小さな、それこそ子供のような陰茎を握られる。逃げようとすれば、膝を長い脚に絡め取られ、佐加江は大股を開き陰部をレンズの前に晒した。「うぅぅ」 抵抗して足をバタつかせる。すると、剃刀を持つ佐加江の手に添えていた手を浩太は横へと滑らせた。 指先を紙で切った時のような、ツッとした痛みと共に恥丘が薄く裂け、血が滲む。 それに構わず、彼は三本の指先で汚物でも扱うように、使い込まれていない小さな性器を上下に扱いた。クリームのせいでクチクチと水音がし、浩太は強引に射精に導こうとしている。意思と反して芯を持ち始め、浩太の手に爪を立てた佐加江の手は背後に持っていかれてしまった。「気持ちいいだろう?」 肌に残るハンド

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status