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魔法陣

Penulis: みゃー
last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-05 19:41:17

 城に帰り理久とクロは、真っ先にアビとレメロンを連れて魔法陣を見に例の部屋へ行った。

 部屋は、クロが初めて入った時と変わらず古いモノを集めた独特の匂いがする。

 するとアビは、暫く魔法陣を真剣に無言で眺めていた。

 その様子を見ながら理久は、元々気楽な質で、魔法陣の事もアビならすぐに直せるとどこかで期待していた。

 しかし、アビの表情は一行に浮上しない。

 それ所が、魔法陣を見ながらずっと何かを考えていただろうアビのやっと発したその言葉は、理久とクロには酷だった。

「思った以上に、魔法陣の状況は悪いです……」

「えっ?!……」

 体が密接する近さで横に並んでいた理久とクロが、同じタイミングで、同じ言葉で驚く。

 そして理久は、理久の心の上を、冷たく鋭い刃の切っ先がスッと走った感覚になった。

 理久がそう感じると、理久の鼓動が異様に速くなったのが理久自身でもわかった。

 でも、もう理久に迷いは無く、心の中で強く思った。

(俺は、クロと一緒にこの異世界で生きていく!)

 そして、すぐ横にいるクロの横顔を見上げようとした。

 すると次の瞬間、クロは、理久の肩をしっかり抱いた。

 そしてクロは、理久の瞳を強く見詰めた。

 理久も、クロの青い瞳をまっすぐ見上げた。

 理久は何も言われなくても、クロの視線から「心配するな!」と言われてるような気がした。

 途端に、理久の鼓動がゆっくりと落ち着きを取り戻していく。

「で……どれ位、持ちそうだ?」

 クロが、理久の肩を強く抱き締めたまま、アビに視線を移し冷静に尋ねた。

 こう言う時、クロはやはり王様だと理久は実感する。

 クロは、無闇に動揺しない。

 クロの犬耳も、尻尾も、平静で動きもない。

「今日、明日消失する事は無いでしょうが……モノと言うのは悪くなり始めると、悪くなるスピードが急に早まります。きっちり何日とは申し上げられませんし、持って30日位かと……でももしかしたら、それより早まるかも知れません」

 アビは理久とクロ、交互に視線を向けながら、言いずらそうにしながらも伝える。

「早急にデスタイガーの長に、サランデの花を譲って貰えるよう書状を書く」

 クロは、理久の肩を抱き続けながら、そうアビに向かい言った。

 だが……

「陛下、先程と同じような事を申し上げますが……デスタイガーの長に他国の王族が何か要請する時は、最終的
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