تسجيل الدخولたまたまそのタイミングでそんなこと言われてしまったせいで、あたしは必要以上に反応してしまう。「あぁ。うん。ずっとそれ着てるのもう疲れるだろうから、先シャワー使っていいぞ」「あっ……そういうことですね。なるほど」ビビった……。そっか、慧さんはただ普通に着替えたらどうかという意味だったのか……。いや、そうだよな。別にそれ普通に言ってたよな。あたしがなんか勝手に違う感じの意味でとっちゃっただけで……。え、別の意味って何。あたし、何を……!?「フフッ。何? なんかちょっとエロいことでも考えてた?(笑)」「はっ!? いえ! 全然!」嘘です。ホントは思いっきりそういう感じのこと考えてました。「へ~なんだ。残念。じゃあ今日はそういうのなんもなしってことで」「えっ!?」「なんだよ(笑)」「なんも……なしですか?」「は? お前全然その気ないんだろ?(笑)」「いや、そういう訳でもないっていうか~」「フッ。どっちだよ」「あのですね……ワタクシなんせそういう経験が実はなかったりしてですね……。ちょっといきなりはどうしていいかわからないっていうか……」と、聞こえるような聞こえないような小声でゴニョゴニョと呟く。「え? 何?」案の定、慧さんには聞こえてないようで聞き返されてしまう。「えっと……あの~実はですね……」と、さっきよりもう少し大きい声にして同じことを言おうとしたら。「フッ。嘘だよ。ちゃんと聞こえてたから。もっかい言わなくていい」「え! 聞こえてたんですか!?」「うん。全部普通に聞こえてた」「い、意地悪~!」「だってなんかモジモジしてるお前可愛かったから(笑)」「……!」言い返そうとしたのに、普通にちょっと嬉しくなってしまった。「悪い悪い。大丈夫。今日はいきなりここに連れてきただけだから、なんもしないって。まぁ確かに、お前にしたらいきなりこんな状況どうしていいかわかんねぇよな」「はい……」「今日はホントにお前が心配で、ここ連れてきただけだから。元々んなこと考えてなかったから安心しろ」元々考えてなかったのか……。え、じゃあそんな状況であたしは勝手に一人そんなこと考えて悶々としてたと……。うわっ! 恥ずかしすぎる……!「は? え? どした?」恥ずかしすぎて、手で顔を覆い隠していると、慧さんが驚いて声をかける
「はい。撮れた」「え!? 今!?」「ん。ホラ」「は? ちょっと、めっちゃブサイクじゃないですか!」「いや。大丈夫(笑) 可愛い可愛い(笑) フフッ」「いやいや、笑ってるからー!」「気にすんな(笑)」「気にしますって~! もう~!」「わかったわかった(笑) ちゃんと撮るから、もっかい立って(笑)」「絶対ですよ?」「うん(笑)」「ちょっと笑ってるし(笑)」「大丈夫(笑) はい、ホントにちゃんと撮るから」「お願いします」「ん」そして改めて気を取り直してポーズを撮る。「はい。これでど?」「あっ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」写真を確認して、ようやくちゃんと取れてホッとする。「なら、それも送っといて」「え? これももらってくれるんですか? あたし一人ですよ?」「うん。だから送っといて」「いいんですか?」「いいってなんだよ。彼女の可愛い浴衣姿持ってたいって思うの普通じゃねえの?」「いや、そんなサラッと……」え? これ素? それともふざけてる?「嫌ならいいけど」「え! 嫌じゃないです! もらってください! あっ、なんなら友達とさっき撮ったやつも送りましょうか!?」「ハハ。ならそれも送っといて」「はい!」え~慧さんがあたしだけの写真持ってくれるとか、そんなんさっきよりも嬉しすぎる。あたしホントに彼女なんだ。ちゃんと好きでいてもらえてるってことなんだ。慧さんが最近は戸惑いなくそうやって彼女だと当たり前に話してくれたり接してくれたりしてくれて、少しずつあたしも実感はしてきてるけど。でも、あたしが思ってるより、慧さんはもっとあたしのことをちゃんと好きでいてくれて、ちゃんと彼女だと思ってくれているのかもしれないな。だけど、そんな感じで急遽とはいえ、慧さんお泊り誘ってくれて、別にこんな風に一緒に泊まるなんてことは、たいしたことないってことかな……。あたしは実際ここからどうしていけばいいのかまったくわかんなくて、実は平然としてるように見せかけて、心臓はバクバクだったりする。だってある意味好きな人との初めてのお泊りだよ?同じ部屋で寝ちゃうんだよ?もうそんなんすべてが緊張でしかないでしょうよ……。「なら。写真も撮ったし。浴衣……そろそろ脱ぐか?」「え! 脱ぐ!?」
「なんでも今までやったことないことをやろうと思うのは、全部お前の影響」「そうなんですか……? でもそれでやろうって思ってくれるってことですよね」「そうだな。なんかお前に言われたら出来る気したり、一緒だとそれもいいかもなって、不思議となんか思えてくるんだよね」「なんかわかんないけど、嬉しいです」「まぁお前自身は確かにわかんないかもな」「はい」「うん。多分オレだけがお前に感じる感覚だから」「そっか」「だから面白いんだよ。お前といると」「フフッ。なら、あたしが結構慧さんの初めてあげられてるかもですね」「あぁ~そうかも」「じゃあぜひこの二人の写真も初記念ってことで、いいの撮りましょうね♪」「お前そういうの慣れてそうだし任せるわ」「はい! 任せてください! めちゃ得意です! はい。じゃあ、もう少しカメラ入るように近づいてください」「お前が近づけよ。わかんねぇよ」「あっ。そっか」と、答えた瞬間。「うわっ!」慧さんが隣からグイっと腕を持って引き寄せる。「これでい?」「いや、わかってんじゃないですか」「全然?」「フフッ。じゃあ、撮りますよ」そう言って写した写真は、もっと固くなったぎこちない写真かと思いきや、慧さんが少し雰囲気を和らげてくれたことで、二人とも自然に微笑んだ幸せそうな一枚になった。「見てください! これ! めちゃ良くないですか!?」「あぁ。ホントだな。いいじゃん」思わず慧さんにも見せたくなるような写真で。慧さんもそれを見て微笑んでくれる。「ありがとうございます。宝物にします」「宝物って大袈裟だな」「え~宝物ですよ! 慧さんと二人の写真なんて! あっ! 絶対誰にも見せないから安心してくださいね! これはあたしだけの宝物です」「お前だけなの?」「えっ?」「それ。お前一人占めする気?」「えっ? ってことは、慧さんもこの写真もらってくれるってことですか?」「そりゃオレも欲しいに決まってんだろ」「え……ただあたしのお願い聞いてくれただけだと思ってた」「オレもお前との写真欲しいって思ったから。だからオレにもそれ送って?」「はい! 喜んで!」「フッ。居酒屋かよ(笑)」「フフッ」慧さんもその写真が欲しいと言ってくれて、嬉しさでニヤけながらそのまますぐに写真を送る。自分だけじゃなく好きな人も持ってく
「慧さん……?」「今度は……ちゃんとオレだけの為にそうやって綺麗にした姿見せてよ」あたしの髪や顔に少しずつゆっくりと触れながら、優しく見つめたまま、慧さんがそう囁く。「はい……。慧さんの為にあたしも着たいです」「ん」「あっ、そしたら、慧さんも一緒に浴衣着てほしいです!」「あぁ~そっか。そうだな。そうしようか」「うわ~嬉しい! 慧さんの浴衣姿見れる♪」「お前の為だけに着てやるよ」「へへッ。やった」「だから、お前もオレの為だけな?」「もちろんです。あっ、そしたら今度はもうちょっと大人っぽい綺麗系の浴衣着たいです」「うん。今のもいいけど、また違う感じのも見てみたい」「はい。楽しみにしてますね」「ん」「あっ!」「何? どした?」「あの、せっかくなら一緒に写真撮りたいです!」「え? 写真?」「はい。せっかく恋人っぽい感じのこと今日出来たんで、その記念に」「あぁ……」「あっ……! もし一緒に写真撮るのマズかったら全然大丈夫です!」そうだよね。あたしのノリでそんなん言っちゃダメだよね……。「いや……いいよ。撮ろうか?」「ホントですか?」「あぁ。せっかくそんな綺麗な格好してるしな。一緒に撮っとくか」「ありがとうございます!」あたしはウキウキで携帯を取りに行って写真を撮る準備をする。「てか、オレこんなん改まって撮ったことねぇわ」「え? 前の彼女とか藤代さんとかと二人で撮ったりとかしなかったんですか?」「あぁ……うん。ないかも。写真撮るの自体あんま好きじゃないし、そういうの残したくないタチだから」「えっ、でも仕事関係では写真も映像もバンバン出てるじゃないですか」「それは仕事だから仕方なくだよ。今のご時世そんなん嫌だとか言ってらんねぇだろ。自分の顔見せて自分の言葉で伝えた方が伝わることも多いし、興味も持ってくれることも多いからな」「確かに、そのお顔を武器にしないともったないです……」「まぁそれがいいときも悪いときもあるけどな」「ですよね。そういうこともきっとありますよね。……じゃあ、なんで、あたしとは撮ってくれようと思ったんですか?」「ん? お前だからかな」「あたしだから?」「そう。お前だから撮りたいって思った」「フフッ。嬉しい」
「それに。せっかくそこまで綺麗にしてんだから。すぐ着替えちゃもったいないだろ」「え、それ慧さんが言ってくれるんですね」「だから。もっとちゃんとよく見せて」「えっ? こんなんでよければ……」「うん。お前のその姿ちゃんと見たい」「あっ、じゃあちゃんと立ってお見せしましょうか?」「あぁ。いいね」「では。はい! どうぞです!」そう言って慧さんの前に立ち、手を広げてクルクルと回って浴衣姿を披露する。「どうですか?」「うん。綺麗だよ」「へへ。やった」こんな時も慧さんは優しく見つめて笑ってくれる。「ホントは。あたしも慧さんに見てほしかったんです」「そうなの?」「このイベントはルイルイたちが浴衣で来てほしいって言ってたイベントで、ファンの子もみんなそれ聞いて浴衣着てきたりして。もちろんそれはそれでこういう格好出来るのとかも嬉しかったんですけど。なんかイベント来てるカップルの人とか見ると、やっぱ普通に慧さんのこと思い出しちゃって、あぁあたしも一緒に来たかったな~、浴衣姿見てほしかったな~って思ってました」「へ~。そんな時までオレのこと思い出してくれてたんだ?」「はい」「そのルイってヤツに会いに来てるイベントだし、オレのことなんてすっかり忘れてると思ってたよ」「ルイルイは推しですけど、あたしがいつでも会いたいって思うのも好きだって思うのも慧さんだけです!」「えっ、それどう違うの? ルイってヤツも好きなんだろ?」「はい。好きです」「で。オレは?」「好きです」「フッ。どう違う訳?(笑)」「全然違いますよー! えーなんて説明すればいいんだろー! ちょっと待ってくださいね! どう言えば伝わるかちゃんと考えますから!」「いやいや、そこまではしなくていいから(笑)」「でも!」「オレのこと好きだってちゃんとわかってるから」「ホントですか?」「あぁ~。いや、やっぱわかんねぇかも」「え?」「だから。ん」「ん?」「ここ。座って」そう言って慧さんが自分の膝に座るように合図をする。「え!? そこ!? なんで!?」「ん? まだよくわかんねぇし」「え? わかったって言いましたよね!?」「やっぱわかんなかった」「え! なんでですかー!?」「だから。こことりあえず座って。もっと近くでよく見せて」「えっ……。近すぎません……?」「あ
それから近くに停めてあるからと社長の車へ二人移動してきた。「今日車で来られてたんですね」「あぁ。ここ以外にもいろいろ動く予定あったから車のが移動しやすかったし」「そうなんですね。でも、もっと混んでるのかと想ったらそうでもないんですね」「あぁ~。ここちょっと離れたし、皆帰るの逆方向だからこっち来るとそこまで混んでないんだ。まぁ少し歩かせて悪かったけど」「いえ。その間また慧さんにくっついて十分恋人時間堪能出来たので満足です♪」「それは確かに」「はい」「ん。お待たせ」「ありがとうございます」それから車に乗り込んだあとは、いきなり泊まりだと大変だろうと、ホテルまでにある遅くまでやってるお店に寄って、服や小物を買えるようにしてくれた。さすがだな。あたしなんて泊まれることに浮かれてなんも考えてなかった。そうだよな、いきなりお泊りするってことはそういうことだよな。確かに浴衣脱いだらあたしもう自分で着れないし、そしたら着替えいるもんな。しかもメイク道具は持ってるけど、メイク落としとか化粧水とかそういうのも持ってきてないし。なんてスマートなんだ。自然すぎてビックリしたわ。てか、やっぱ慣れてるな……。女性の扱い方めちゃわかってる……。今までもこういうことあったのかなって、少し胸がチクッとするものの、それほど大人でスマートな慧さんに同時にキュンとする。だけど二人の時はこうやって一番にあたしのことを考えてくれる。きっとこれは社長としてじゃなく恋人としてなのだと、一つ一つのそのさりげない気遣いや優しさから、ちゃんと伝わってくる。そのおかげで、あたしの意識も "社長" ではなく、ちゃんと "慧さん" という彼氏に対しての呼び方や感情に自然に変わっていける。そして着いたホテルは思ってたより、やっぱりすごい豪華なホテルで。部屋に入ってもダブルとは言いつつ、めちゃ広い……。え、いつもこんなとこ泊まってるんだ……。「ソファーあるし座って」「あっ。はい」そう言って部屋に入ると、慧さんがソファーへと促してくれる。「ん。スリッパ」「あ、ありがとうございます」「もうそれ脱いで楽にしとけ」「はい」え、もうどこまで気が付くのこの人。「すいません。何から何まで」「フッ。こんなん当たり前だから」当たり前じゃないんだよな。普通の人だと気付かな







