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決勝進出者が揃った

Auteur: イコ
last update Date de publication: 2026-08-24 00:22:48

 学園都市で最大の盛り上がりを見せる《グラディエーター・アリーナ》の決勝戦の日がやってきた。

 アリーナは異様な熱気に包まれ、観客たちは開幕を待ちきれない様子だった。

 僕もエリザベート、ジュリア、アイリーンと共に、特等席から決勝戦を見守ることにした。それぞれの王族や貴族に与えられた席の一角。

「いやぁ、やっぱり決勝ともなると雰囲気が違うね。この熱気、観客の声援、もう本当にすごいよ」

 僕は席に座りながら、興奮気味に周囲を見渡す。エリザベートは扇を片手に、優雅に笑いながら頷いた。

「当然ですわ。これまで勝ち上がってきた者たちの頂点が競い合う場ですもの。注目を浴びるのも無理はありませんわ」

「フライ様、誰が優勝すると思いますか?」

 ジュリアが興味津々に聞いてくる。僕は肩をすくめた。

「うーん、まだ何とも言えないけど、どの選手もそれぞれ強い個性があるからね。誰が勝つにしても面白い試合になるだろうね」

「私は少し裏を調べたけど、どの選手も実力派揃いよ。それに少しだけ怪しい空気も感じるのよね」

 アイリーンが意味深な笑みを浮かべながら言った。

 アリーナの中央に設置された巨大なスクリー
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     《side エリザベート・ユーハイム》 フライ様が軍備の強化、食糧の確保、防壁の建設を急速に進めていることに、私は以前から疑問を抱いておりました。 もちろん、戦争が起こる可能性を考えているのだろうということは理解できます。それは領地を持つ貴族として、当たり前の考えなのです。 ですが、それにしてもやりすぎではないかと思うほど、準備のペースが速いのです。 まるで、何かを確信しているかのように。だからこそ、私はフライ様に直接問いかけました。「フライ様、どうしてここまで領地の防衛を固めるのですか?」 フライ様は考えるような素振りを見せることもなく、すぐに答えました。「……起こるかもしれない戦争のためさ」 それだけです。 フライ様はいつも飄々としておられますが、時折、何かを見据えているような視線を向けることがあるのです。 きっと今回も、私には理解できない未来を見据えているのでしょう。 私は、その言葉の奥にあるものを知りたいと思ってしまう欲深い人間です。だからこそ、姉であるアイリーン姉様に相談することにしたのです。 ♢♢♢「フライ様が未来を予見している……?」 アイリーン姉様は私の話を聞いた後、静かに呟いた。「ええ、私にはそう思えるのです。まるで、これから起こる戦争をすでに知っているかのように、領地の備えを整えています」 学園都市にいた頃から、フライ様の行動は他の人とは違っているように思えました。常人には理解できないほど、全てが計算されているようでした。 異端者との戦いでも、学園都市が混乱に陥る前から対策を練っていたし、メイギスという異端者の魔神と遭遇した時も、フライ様はすぐに彼を「敵」だと見抜いていました。 普通なら、そんな判断ができるはずはありません。 フライ様は、まるで「未来の出来事を知っている者」のように動くのです。「それに……私には、もう一つの可能

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  • お気楽公爵家の次男に転生したので、適当なことを言っていたら英雄扱いされてしまった。   外堀が埋められた

     《side フライ・エルトール》 うーん、僕の思惑とは違う方向に動いていますね。 公爵家の次男として、悠々自適なセカンドライフを異世界で楽しみながら、戦争が起こる頃には、フライ・エルトールなんて名前は小説の中には存在しないので、きっと死んでいるんだろうと考えていました。 それなのに、領地に戻ってからというもの、どうも周囲の空気が変です。 街の人々はやたらと歓迎ムードで、挨拶されるたびに「フライ公爵様、よろしくお願いします!」なんて言われる。 いやいや、そんな話、僕の想定にはありませんでしたからね。 その疑問はすぐに解消された。いや、解消というより、混乱が増したというべきか。「フライ、決まったぞ」 公爵家の居間に呼び出された僕は、父上から唐突に告げられた。「……何が決まったの?」「お前が公爵になることだ。公爵位を継承する準備も進めている」 父上が当たり前のように言う。僕は思わず聞き返してしまいます。「えっ、そんなにすんなり決まるものなの?」「何を言っているんだ。エリックから話は聞いていただろう? エリックが辞退すれば、おのずと次男であるフライに公爵家を継ぐ権利が移るだろう。もちろん、当主である僕が認めればの話だが、僕もそれを認めている」「……てっきり、学園を卒業してからの『いつか』の話であって、『今』じゃないと思っていましたよ!」 とりあえず、エリザベートとアイリーンと婚約させられて、いつかは公爵家の当主になると思っていた。公爵位を継がせると言った父上の言葉も、こんなにも早いとは思わなかった。 父上は肩をすくめる。「もう決まったことだ。お前には公爵としての素質がある。領民たちもお前を支持している」「でも、僕、まだ学生だよ?」「それも問題ないさ。当主代行として、しばらくは僕が動く。お前はゆっくり慣れればいい」 どうやら、完全に既成事実を積み上げられていたらしい。「婚約も正式に決まっ

  • お気楽公爵家の次男に転生したので、適当なことを言っていたら英雄扱いされてしまった。   姉妹の決断 後半

    《side アイリーン・ユーハイム》 私は鏡に映る自分を見つめながら、静かに深呼吸をした。 エリザベートの隣に立つたび、彼女の気高さと聡明さに劣等感を抱いた日々を思い出す。 そう、彼女は強く優しく美しく光の下を歩いている。 病気をして、そしてユーハイム家の長女として育てられた私とは違う。 エリザベートは、エルトール家の婚約者として、帝国だけでなく大勢の人から注目を集める。妹の方が誰からも一目置かれる存在だと分かっていた。 だが、そんな彼女が今、フライ様と婚約を結び、次期公爵夫人として歩み始める。その姿を見て、私は心から嫉妬を覚えた。「……本当に、立派になったわね、エリザベート」 心の中でそう呟きながらも、胸が痛む。そんなことはあってはいけない。エリザベートは私のために犠牲になってくれた優しい子。 優しいだけじゃなく、強く、気高く、貴族としてあり続けた。 だけど、私もフライ様をお慕いしている。それは否定しようのない真実だ。だから、手を打たなければならない。 私の立場が彼の隣に並ぶにふさわしいものではないことも、十分に理解している。 それでもあの方の隣にいたい。あの方の子供を宿したい。あの方に触れられ、お仕置きされて、あの方に私を傷つけてほしい。 フライ様には全てを手に入れてもらう。次男として、一生を終えてもらうなど勿体無い。あの方こそが公爵位を継ぐにふさわしい方なのだ。 障害になると思っていたエリック様は、私の話に賛同してくれた。  エリザベートも知っていた。ならば、帝国を動かすのが私の役目ということになる。 私たちユーハイム家は、帝国だけじゃない。この大陸全土の情報を扱う一族だ。 父がフライ様の才能を見抜き、エリック様から公爵の座を譲られるべきだと確信してから、私たちは一丸となって行動した。 エリザベートは知らない。 フライ様のことを純粋にお慕いしているだけ、だけど彼女はそれでいい。 フライ様の立場を固める。純

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