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第165話

Author: ルーシー
玲奈の冷ややかな拒絶に、智也の瞳には暗い翳りが差していた。

しばし沈黙ののち、彼は低く問い返す。

「それをするのは、おまえのほうがふさわしいんじゃないのか?」

――妻である以上、夫の服を整えるのは当然だろう、と。

その意図は明白だった。

玲奈は小さく鼻で笑い、しかしきっぱりと言い切った。

「わたしは食事をするわ。

自分でやるか、宮下さんに頼むかして。

智也、わたしがあなたの服を熨すことはない」

彼女が名を口にしなかったのは、分かっていたからだ。

智也が沙羅をそんな雑用に使うはずがない、と。

智也はしばらく玲奈を見下ろしていたが、強いることはせず、やがて無言のまま階段を上がっていった。

玲奈は宮下が作ったお粥を少し口にし、卵をひとつ平らげた。

時計の針はすでに七時四十分近く。

けれど愛莉はまだ姿を見せない。

痺れを切らした玲奈は二階へ上がり、寝室でまだ眠っている娘を起こす。

「遅れるわよ」そう告げると、顔を洗いなさいとだけ言い残した。

愛莉は時間に厳しい性格だ。

遅刻の一言でたちまち飛び起き、急いで洗面所へ駆け込んでいった。

玲奈は以前のように甲斐甲
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